第5話ー『 』ー
⚠ATTENTION⚠
鬱表現等あります。
地雷な人にとってはとても地雷です。逃げるなら今です
ネタバレはしたくないので勇気がある方はお進み下さい。
地雷でしたら責任は取ります。多分。
あと1話で完結だと思います。詐欺かもしれません。
▽進む
◆◇◆
Side桜綾
あの日からもう四つほど月を重ねたのだろうか。あれからも私達は幸せな日々を続けていた。
毎日が光で満ちていた。
あの瞬間までは───。
◆◇◆
いつもと変わらない日常。透き通った空に少し紅く色づき始めた葉。秋の訪れを感じさせるような少し肌寒い風が吹いていた。
チャイムが終わりを告げ、皆が帰り教室が静まり始めた頃、私達は帰路に着いた。
他愛のない会話を繰り返し、穏やかに笑っていた。
「少し寄り道しよう」と近くの繁華街へと足を運ぶ。
「あそこの雑貨屋さん見に行こう!」
なんて楽しげに笑う玲奈の姿。
でもその瞬間だった。
サクリと玲奈の脇腹に刺さったナイフ。傷口からは赤い血がじわりとっていく。玲奈はそのまま倒れた。
「れ、玲奈…?う、ぇ、っひゅ─」
状況が飲み込めない。玲奈は何かしたのだろうか?今まで笑顔で……犯人は──?
そんなことが脳内に出てきたのかもしれない。でもすぐに脳内は真っ白になった。
「っひゅ、はッ…え、?玲奈…れい──」
声にならない叫びと。
どうしようもなくって、助けられたかもしれないのに助けられなくって─そんな自分に腹がたった。そんなことよりも、大切な人が目の前で──…その衝撃が大きかったし悔しかった。私は冷たくなった玲奈をぎゅっと抱きしめた。
騒ぎを聞きつけたのだろうか。周りにたくさんの人がいる。
──何も考えられない。もう…いいや
そこで私の記憶は途切れた。
◇◆◇
Side玲奈
──目を開くと人を抱えている桜綾が見えた。誰を抱えているのだろうと目を凝らすと私だった。え、私?
辺り一帯は血で染まり、なんだなんだと辺りに集まる人々。
一旦状況を整理しようと試みる。も虚しく終わった。救急車の音が聞こえた。そうか、私は死んでしまったのだろう──
何とも言えない。喪失感が胸を締め尽くす。
もっとたくさん…生きたかった。もっと思い出を作りたかった。なんて今思っても無駄だけど。でも─そう望むしか無かった。涙も出ない。
『 』
『 』
『 』
声に出して言うも誰にも届かない。
そうして私は人生に幕を閉じた__
続けたかった。この物語。
コメント
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玲奈さああああああああん!?!?