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「よ?大丈夫?」
私は扉をノックしながら開ける。
「あやのちゃん、ちゃんとノックしてよ」
ベッドの上に寝転がっていたこの部屋の主が、こちらに顔だけ向けて言う。
「ノックしたじゃん」
「しながら開けても意味ないでしょ」
いつものことだ。
「はい、プリント。先生が渡してって。なに?風邪?」
浮かない顔でプリントを受けとる、 この見るからに気が弱そうな男の子は孝介といい、物心付いた頃からいつも一緒の幼馴染みだ。
今日は学校を休み、家が近いと言う理由だけで先生にプリントを託された。
近いどころか隣だし。
「風邪じゃないけど…僕、もう学校行かない」
「なんで?なにかあったの?」
こんなことを言うのは初めてだ。
普通くらいには真面目で、体調不良で休むことはあったけど、ズル休みなんてどうしたんだろ。
「なによ。相談なら聞くよ?」
と言うがもじもじして話さない。
「誰かに振られた?」
「そんなんじゃないよ。そんなこと…もうないよ」
元気がない。
少し心配になり、イスに座り聞く姿勢になる。
しばらく、言いなよ、言わない、を繰り返したあと渋々といった感じで話し出す。
私が引かないことはわかってるんだ。
「実は…」昨日のプール授業のあとで着替えている時にクラスの男子達に裸を見られ、そんなんじゃ彼女なんて出来ない、と馬鹿にされたのだそうだ。
「そんなの…気にしなきゃいいじゃん」
「あやのちゃんは彼氏がいるからいいよね!僕はもうそういう望みもないし、学校なんてどうでもいいんだよ!」
いや、学校とはそういうものじゃないでしょ、と思ったが言わないでおいた。
あそこが小さくても多分、彼女は出来るし、結婚している人もいるだろう。多分。
しかしこの幼馴染みは深刻に受け止め、自暴自棄になってしまったようだ。
「誰かに相談した?おばさんには?」
「言えるはずないじゃん!」
まぁそうだよね…仕方ない、私が励ましてあげるか。
「じゃあ見せてよ。私が判断してあげるよ」
「なに言ってるの!?あやのちゃん変態なの!?」
うっ…せっかく励ましてあげようと思ったのになんて言われようなんだろ。
しかしここは大きな心で
「違うよ。男子が馬鹿にしたって、女子からしたら問題ないかもしれないじゃない。私が全女子を代表して見てあげるわよ」
「そ、そう?問題ないかもしれないの?」
「そうよ。あそこの大きさなんて関係なく結婚してる人達だっているんだから(多分)」
「じゃあ…見てくれる?でも見たことは内緒にしてね?」
「大丈夫!誰にも言わないから」
すると孝介は立ち上がり、ズボンを脱いだ。