コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
【はじめに言います、趣味で描いたので多分わかりづらいですし、特に何も決まっていませんので、読んでも満足はしないと思います。おかしな部分あったらすみせん。初心者】
【始まり。】
───
「なあ、ここから飛び降りたらどうなると思う?」
彼は笑いながら言った
屋上の冷たい風が2人の間を通り抜ける。
俺は少し目を伏せた。
「死ぬんじゃないのか、どこにも引っかからなければ死ぬ確率はあると思う」
彼は笑った。
「へー、詳しいな」
「いや、少し調べただけだよ。動画とか見ない?未遂の人とかいるでしょ、俺はあれをみて思っただけ」
「そっ、つまらないな。エロ動画でも見とけばいいのに。お前って意外と考えてるな。」
彼はそう言い立ち上がって俺に近づく。
彼は薄笑いを浮かべて俺を見つめていた。
何も言わず俺の手を引っ張って階段を降り始める。
俺は少し驚いたが、聞いても後から分かるだろうと思い、なにも聞かなかった。
「1ヶ月後を思うと、緊張して嫌になるな。」
彼は振り向きもせず、俺の手をただ握って歩き続けた。
今の時間が2人だけの世界に感じて、車が通っても人がすれ違っても
どうでもよかった。
「──────」
───
おい……「おい!!」
「…なに。」
俺は目をこすりながら声の主を見つめた。
「お前、授業中に寝るなよ、隣同士の俺まで責任くるんだよ」
俺はぼんやりとしていたが、すぐに目を覚ました。
どうやら夢を見ていたらしい。
そして…関係ない奴に責任を負わせるか…先生もずるいことをするな。
だがそれもまた賢いのか?
ずるくても賢いことは賢いのか。
疲れるな。
「おい!俊山 矢野!なに授業中寝てるんだ!桐野と後で職員室に来い!」と。
うるさい、生徒の休みくらい自由にさせろよ。
こんなこと守って、賢くなったって無駄だろ。
自分の趣味に浸かればいいのに。
「チッ…わかりましたよ」俺はそう言い、授業を真面目に聞いた。
隣の桐野はいつも通り真面目だが、俺を睨む。
連帯責任というものをつけた先生を睨めよ。
俺は悪くないだろ?自分の自由だ。
それも先生や桐野の自由か。
矛盾する。
鐘のチャイムが鳴った。
俺の耳を騒がしくする音。
桐野はチャイムが鳴ると俺の腕を掴み職員室に向かう。
他の生徒達は楽しく話している
羨ましい、寝ないだけでこんなにも自由なんだな。
─職員室─
相変わらず先生達が沢山で
冷たい目を向けてくる者がいる。
馬鹿みたいだな
そんな目で見るな。
そして担任が近づいてくる。
「おい、反省文だ、今日中に書け!!」
そんなんじゃ生徒達を支配できないぞ。
「うるっせーよゴリラ」
俺がそう言うと担任は更に怒っていたが、周りの先生たちが止めていた。
だから俺はお前の言う通りにしないんだよ。
だが桐野はすぐに頭を下げて反省文を手に持ち
俺を掴み校舎裏に行った。
「お前な、しっかりしろよな。真面目にしろ。」
彼はそう言い鉛筆と消しゴムをくれた。
「…面倒くさいな」反省文を書く。
その様子を見る桐野は目を細めていた。
「ちゃんと書けよ。」
そう言われなくても俺は書くさ。
俺がどれだけ退屈な人生の中、工夫していると思ってるんだ?
沢山工夫して、知識を集めてる
それより便利な時代だな。
スマホがあれば
全てがスマホによって簡単になる。
老人は自分たちの頭で学んだのに
今はそんなのはただの努力にすぎない。
努力もいいが、周りは評価を求める
価値と評価と能力。
努力をしたって、それは自分有意義
他人にはどうでもいいこと。
そんなことを考えている内に反省文を書き終わるが、桐野はどうやら悩んでいるらしい。
それもそうだ、連帯責任だからな。
「しょうがない、それで怒られても相手が悪いだけさ」
俺はそう言って、桐野の続きの文字を消した。
桐野は眉間にしわを寄せて怒った表情だった。
「でもな、ちゃんと…、」
桐野は言葉を途切れさせた。
「早く行こう、お前が悪いわけじゃないだろ
短いだけで怒るのは、キレ症なだけさ。」
俺はそういい、納得できていない桐野を無理矢理職員室に連れていき、先生に渡したが…
桐野は自分の反省文を取って頭を下げた。
「すみません、ちゃんとできていないので。」
桐野は早歩きで職員室から出ていく。
俺は急いで桐野の後を追った。
「は…?なにやってんの?」
俺は小声で言った。
「黙れよ…お前のせいでめちゃくちゃだ…」桐野は小声で言った。
なんで怒るんだ?お前は悪くないんだぞ?
事実を並べただけの反省文でいいだろ?
桐野の納得できない部分が分からない。
「なにが嫌なんだよ?反省文を長く書きたいのか?」
俺はそう言いながらついていくが桐野は何も喋らず反省文を握りしめる。
こいつ、真面目過ぎる。
面倒くさい…
「…俺の家来る?家に帰りにくかったらだけど」
俺は少し目を逸らして言った。
桐野は少し立ち止まり頷いた。
「ああ、そうする。」
俺と桐野は教室に戻り、放課後まで授業を真面目に受けた。
そしてチャイムがなると、俺は桐野の手を引っ張り鞄を持って走った。
「早く!お前遅いな!」俺は笑いながら走った。
学校から離れて坂道を歩いた。
俺は少しスピードを落とし、ゆっくり歩き出すと、桐野は苦しげに口を開いた。
「お前、走るなよ…」
そして俺の家に着くと、俺は何も言わずに桐野を家に入れた。
だが桐野はなかなかソファにも座らず部屋を動き回ったり突っ立ったりしている。
まさか指示がないと人の家では何もできないのか?
「そこら辺…好きなところに座ってもいい」
台所からお菓子と飲み物を渡す。
お茶とクッキーだ。
「好きなだけ食べてもいい、俺は苦手だから」
俺は桐野の隣に座り、桐野の反省文を見つめる。
なぜ桐野が反省文にそこまでこだわるのか理解できない。
「なんで反省文をそこまで繊細に書くんだ?」
俺は桐野の反省文をなぞりながら言った。
桐野は少し目を伏せたが、いつもの真面目な表情に戻る。
「ちゃんとしないと、駄目だろ。」
俺は眉をひそめたが、すぐに無表情になった。
「じゃあ、短く確実に反省してると示せばいいだろ、それにお前が居眠りをしたわけじゃない。
自分が悪いみたいに反省文書くと、信頼されなくなるかもな。」
俺は桐野にそう言った。
これなら彼は動くと思ったからだ。
自分だけのせいにせず、根拠的なことを言えばいいと。
桐野は少しぽかんとしていた。
「そうか…そうだな。わかった。お前、意外と考えてるんだな。」
俺は少し笑って、桐野が反省文を書き直すのを見つめていた。
そして書き終わる頃は夜の7時半。
俺は退屈でダラダラとしながら、桐野の反省文を見ると驚いた。
短くもちゃんとした文章でわかりやすい。
言葉遣いも丁寧だ…
「よく出来てるな、完璧だと思うぞ」
「よし、今日は遅いし俺の家泊まれよ」
そして今回は俺の家に桐野を泊めた。
風呂は一緒に入ることになった。
俺は先に体を洗って風呂に浸かる。
桐野はタオルを腰に巻いてシャンプーをしていた。
俺はそんな桐野の頭にシャンプーをずっとかけた。
(ん…?シャンプーが落ちない…)
桐野は心の中で焦っていた。
「おい、なんかしてるのか?」
俺は笑いを堪えて、シャンプーをかける手を止めた。「いや、なにも?」
桐野は眉間にしわを寄せながらやっとシャンプーを洗い落とせると、容器を手に持った。
すると桐野の目が鋭くなり俺を睨みつけてきた。
「お前、やっぱなんかしただろ。」
「え、いや…ww…」俺は戸惑い、つい笑ってしまった。
そして桐野は俺の頭を叩いて風呂に飛び込んだ。
「次こんなことしたら俺にお菓子奢れよ。」
俺は風呂から上がり、体を拭きながら頷いた。「お菓子好きだもんな〜」
桐野は眉をひそめ、腕に顔を埋めた。「うっざ。」
俺は桐野の言葉を気にせず受け流した。
そんなこんなで、俺と桐野はベッドで心地よく眠った。
翌朝、遅刻し反省文は今日中に書けなかったが
先生達は許してくれた。
担任は少し苛ついていたが、その場の空気で文句は言えなかったのか許してくれた。
「てか昨日叩かれた頭痛いんだが」
俺はそう言いながら桐野の腹を突いた。
桐野は俺から少し離れて何も言わなかった。
ただ安心していつもの生活に戻っていった。
────
そして俺はいつものように1人の家で目覚める。
体を起こして顔を洗い、飯は抜きで登校。
その途中で桐野を見つけると、俺はすぐに近づいて桐野の手を握ってみた。
桐野はなんの反応もせず、少し距離をとった。
「早起き?」俺は桐野の手をニギニギと触り、俺と彼の手を比べながら聞く。
「ああ、いつも早起きだ。お前もそうなのか?」
桐野はそういい、俺に聞いてきた。
「まあ…お前が早起きするから、今日は頑張って起きたんだよ。」
俺はそう言って、桐野から手を離して彼の肩に手を置いた。
俺はふと、桐野に聞いた。
「てか好きな子いる?」
桐野は少し戸惑っていた。
「急だな…まあ、いるはいる。」
俺は桐野の言葉に少し不安を感じた。「え、いる?だれ?」
だが桐野は答えず首を横に振った。
名前くらい教えてくれたって良いじゃねえかよ。
そして学校につくと、静かで朝日に照らされる廊下を歩き、教室に入る。
冷たい風が静かに教室を通り、時間が止まったように感じられた。
桐野はすぐに準備をして、ノートを取り出した。
(つまんねえ奴だな。)
すると窓から白い光のようなものがポツポツと降り始める。
「雪だ。」
俺はポツリとそう言った。
桐野は少し顔を上げて窓の外を見ていた。
「来年で高1になるな。」
桐野は静かに言った。
桐野の雪を見つめる瞳は、どこか遠くを見ているようだった。
「そうだな。」
【おわり】