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8 - 第8話 ya•ur

♥

4

2025年10月06日

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「tt、、どうしてるかな、、、」


シェアハウスの一室、yaとurは暗い表情で話していた。


「うん…体調崩したって聞いてから、音沙汰ないもんな…」



1カ月前、jpはメンバーを集め報告した。

「tt体調不良だって、しばらく休むみたい」

「俺が連絡とるから。俺に任せてみんなは活動に集中してね」

それだけ告げて、作業に戻ってしまった。



「yaくんにも連絡ないんだろ?」


「LINEも既読つかないし、電話もつながんない。そもそも電源いれてないと思う」


yaは誰よりも違和感を感じていた。

jpからの報告があった前日、 yaとttは二人でゲームを楽しんでいた。


「ぅあ〜‼︎負けたぁ‼︎」


「へっへ〜俺に勝とうなんて37年早いわ‼︎」


「微妙だな、、」


( ♪   )


「おっ、jpからや、、今からうちに来れるか、やって」


「編集かな」


「なんやろな。jpんちってのは珍しいけどな」


「俺も行く」


「ええよ。最近jp思い詰めた顔する事あったし。大丈夫かって聞いても大丈夫って言うだけやったけど、なんか話してくれるのかもしれん」

「帰ったらjpも入れて続きしよーぜ」


「おぅ、早く戻れよな」


「ぉう!」



笑顔で出て行ったttはそのまま姿を見せなくなった。

そのあとから、jpもシェアハウスにほとんど顔を出さなくなり、来たとしても一人黙って仕事をし、いつの間にか帰っていた。


「俺、jpが何か知ってると思う、、」


yaの呟きに、urも思い当たる事があった。


「…俺、この前jpさんの部屋訪ねた時があって。たまたまjpさん席を外してたんだよ。モニターで何か見てたみたいなんだよね、ライブカメラみたいな、、」

「jpさんの家っぽかったんだけど、誰かがいて、、よく見ようとモニターに近づいたとき、jpさんが後ろに立ってたんだ」




「…ur?」


「!!、、、jpさん、、‼︎」


「どうした?何か相談?」ニコッ


「ぁ、ぃや、、動画のチェックを、、」


「いいよ、いこっか」




「俺の肩を握ったjpさんの手は強くて、痛いくらいでなんだか怖かった…」


「…モニターに映ってたのって、、、」


「…金髪だった」


「……」


「jpの家に、ttがいる…?」




翌日。

jpは会議のため、昼から事務所に出かけて行った。


「夕方まであるから俺はそのまま家に帰るよ。残りの作業よろしく」


「…うん。」

「なあ、jp。ttどこにいるかわかる?心配だしお見舞いとか行きたいんだけど」


「…大阪だよ。実家で休んでる。お前は活動に集中して。じゃ、もう行くから」


明らかに以前とは様子の違うjpへの違和感。

兄弟みたい、と言われ実際に可愛がってくれたjpはもういない。

ttがいなくなってからだ。

jpにとってttがかけがえのない人だというのは誰が見てもわかるから、こうなってしまうのも当然だろう。


でも、俺たちに何かを隠している。

長く一緒にいる俺だからわかる。



このタイミングに、yaとurはjpの家に行ってみることにした。

到着した一軒家を、urはまじまじと見た。


「着いたけど、、なんだこれ」


「二重に鍵が付いてる。よく見たら窓もだ。」


「…鍵、開けれそう?」


jpの家の玄関は通常のシリンダータイプに加えてパスコード式にもなっているようだ。

yaはノートパソコンを開き、カタカタとキーを叩き始めた。


「ちょっと待って、やってみる。urは外鍵を外して」


「おぅ」


うりは工具を取り出した。



「「開いた」」


2人同時に声を出すと、重く冷たいドアは軋んだ音を立てて開いた。

顔を見合わせる2人。

ここはシェアハウスと事務所の中間地点にある。


「…俺、一応外見張っとくわ。ur行ける?」


「ぉ、おう」


空はどんよりと曇り、雷も聞こえる。

何度か訪れたことのあるjpの家は薄暗く、いつもと違うどこかひんやりとした空気が漂っていた。


「…おじゃましまーす、、、」


シンとした気配の中に、自分の足音だけが響く。


「……(こわいこわいこわい)」


ゆっくりと歩を進め、一部屋一部屋を見て回る。

大きな一軒家を買い上げたjpは、以前は良くここにメンバーを招待し、夜通し遊び、語り合っていた。

その時と比べるとだいぶ物が減っている気がする。

キッチンのシンクには二人分の食器がそのまま置かれている。

一人分だけは手付かずのようでラップがかけられていた。


2階の一番奥、寝室(だったと思う)にたどり着いた。


「…失礼しまーす…」ギィッ


カタン


「……u、r……?」


「!!、、ttさん!!」


部屋の隅には、シーツを頭から被り物陰に隠れるttがいた。

慌てて駆け寄るurが肩に手を置けば、ttは堰が外れたようにボロボロと泣き出した。


「、、、ttさん!大丈夫!?」


「、、、ッ、ur、urやぁ、ur、urぃぃ、、、」


存在を確かめるように何度も名を呼ぶtt。

その体は、以前より痩せ細り小さくなったように見えた。


「jpさんから体調の事聞いたよ…そっか…jpさんちで休んでたんだね、、、」


「……ちゃぅ、、俺、閉じ込められてて、、」


「?!」


「もう何日もここにいて、jpに、jpに、、、ッ」


手で顔を覆い泣きじゃくるtt。

被っていたシーツが剥がれ落ちる。

あらわになった肩や太ももにはたくさんの愛撫の跡が付き、手脚には紐状の内出血痕が痛々しい程残っていた。

何よりもその細首につけられた首輪は、ttがjpに監禁され、支配されている事実をダイレクトに伝えてくる。


「、、、ッ、ttさん、、、!」ギュゥッ

「もう大丈夫、、!外にyaくんもいる、、!一緒に出よう!」


大粒の雨が屋根を叩き出した。

外の雷もどんどん近く、大きくなっていた。


「…yaくんも…?」


ttは弱々しく顔を上げたかと思うと、表情が凍りついた。


「…ttさん?」



「何してんの?ur」



ゴッ!!



「、、ッ!!」ドサッ


「…!!、urッ!!urぃッッッ!!」


「…tt、もう大丈夫だよ」


グィッ

ドサァッ!


床に乱暴に叩きつけられたのは、yaだった。


「ぐぁッ!」


「!!yaくん!」


カヒュ 、カヒュ

「、、、t、、t、、大丈夫か、、?」


「urッ!yaくんッ!、、‼︎」

「jp、、ッ‼︎なにしとんねん、、ッ!!」


「…悪いやつが入ってきたんだね。セキュリティ通知が来たから、めっちゃ急いで帰ってきたんだよ、、。ごめんね怖かったねtt、、。もう大丈夫だよ、、」


「、、、!」ボロボロ


「、、、tt、逃げろ、、、」ヒュ、ヒュ


「yaくん、、!」


「うるさいなぁ」

ドカッ


「ぐぁ‼︎、、、jp…てめェ…!」ヒュッヒュッ


jpはyaを一瞥すると、うつ伏せのまま動かないurに視線をうつした。

ジワリ、と真っ赤な鮮血が頭から流れ出していた。

その胸に足を乗せ、体重をかける。


「従順なやつだからほっといたけど、urお前さぁ、、モニター覗き見して、yaたぶらかして家に忍び込んで、tt怖がらせてほんと何してんの?」

「しかもttに触ってたよね?」

「なんなの?まじで意味わかんねーんだけど」


「もういいお前死ねよ」

ギシギシギシィッボキッ


「ぅあ、、、ッ、ぁ、、、」


urの体から鈍い音が聞こえた。

jpは躊躇うことなく、冷たい目でその胸を潰している。

ttは青ざめた顔でjpの脚に縋りついた。


「jp!!jp!!やめて!!死んでまう!!」

「、、ッ俺が悪いねん!俺が、俺が、、、!!」


「…そうなの?」


「、、、せゃ、、、俺が悪い、、んや、、」


「…tt、、ゲホッ、、ゃめろ、、」ヒュ、ヒュ


「…yaくんもurも、関係ない。俺が一瞬でも逃げられるって思ったから、、」

「だからお仕置きを受けるのは俺、やろ?…お願いやjp、、俺だけを見て、、俺をお前だけのものにして、、」


jpはurからゆっくりと脚をあげた。

ttの首に手を伸ばし、鎖を手に取るとその感触を確かめるように手の中で動かした。


「…ふーん♡」

「ttは悪い子だね♡まだ逃げようって思ってたんだ♡」

「お仕置きしてあげる♡そして俺だけのttになろうね♡」


雷が鳴り響く。

稲光に照らされた部屋に、横たわるur。

動けないyaはくちびるを噛み締めていた。

ttの慟哭は雷鳴にかき消されていった。





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