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第12話 選別の刻(とき)
カレン「ふふ、そんな顔しないで。これは歓迎の儀式よ」
黒フードを脱いだカレンの瞳は、どこか底知れない光を宿していた。
海「試験ってどういう意味だよ。俺たち、なにを試されるんだ」
カレン「あなたたちが本当に『魔法少女としての資格』を持っているかどうか。それを見せてちょうだい」
彼女の足元に、黒い影が蠢く。それは形を持ち、獣のような姿になっていく。
みこ「あれは……アノマリー!?」
カレン「いえ。これは私が創った、“選別用の幻獣”(ゲンジュウ)。戦って、生き残って、そして——“願い”を思い出して」
とき「願い……?」
ふぶき「……わたくしたちが、魔法少女になった時……何かを、望んだのですね」
らんま「みこ、気をつけて。あの幻獣、普通のアノマリーより遥かに強いのだ」
みこ「分かった、らんま。……みんな、いくよ!」
戦闘開始
幻獣は地響きを立てて吠え、空間が歪んでいく。
海「くっ……! 近づけねぇ!」
とき「あたしの魔法で牽制する!」
(彼女の手から青白い刃が放たれる)
みこ「ステッキ、反応してる……! らんま、力貸して!」
らんま「うん、全力でいくのだ!」
みこの魔法が放たれ、幻獣の片腕を貫く。だが——
カレン「それだけじゃダメ。あなたたちの中にある“願い”、それが力を引き出すの」
ふぶき「……願い。わたくしの、願い……」
(そっと胸元に手をあて)
ふぶき「ひとりぼっちじゃない場所が、欲しかった……誰かと、心を通わせたかったんですの」
その瞬間、ふぶきのステッキが輝き出す。冷たい雪のような光が舞い、幻獣の足元を凍らせた。
とき「……すごい。あの子の魔法、空気まで変えてる……」
みこ「ふぶき……!」
ふぶき「ごめんなさい、まだ怖いけれど……でも、もう逃げませんの。あなたたちと、一緒にいたいから」
カレン(……やっぱり、この子は“本物”ね)
決着
連携した攻撃が、ついに幻獣の核を破壊する。
黒い霧が消え、静寂が戻った。
カレン「……合格。あなたたち、なかなかやるじゃない」
みこ「これは、何のための“選別”だったの?」
カレン「その答えは、もうすぐ分かるわ。近いに、“本当の敵”が姿を現すから——」
言い終えると、カレンの姿はかき消えるように消えていった。
海「本当の敵……?」
ふぶき「ふぅ……とても怖かったですけれど、でも、今は安心ですの」
とき「あんた、強いわね。見かけによらない」
ふぶき「まぁ……ありがとうございますの」
新たな仲間・ふぶきを迎え、少しずつ形を成していく“魔法少女チーム”。
だが、その裏で、何かが確実に動き出していた。