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⭐︎春千夜愛され(あまり感じないかも)

⭐︎三途が可哀想

⭐︎体調不良

⭐︎4000文字程



それでも良い方はどうぞ




四日に一度の幹部でのみの会議。合計8人が広い部屋の中央にある机を囲むように集まった。我が梵天の首領であるマイキーはいつものようにたい焼きをモグモグと少々頬を膨らませながら食べていた。その後、ゴクッと喉に食べた物を通らせた後少し間を開け本題に入り始めた。


マ「どうやらある男が梵天の情報を数々の組織に漏らしてるらしい。」


俺含め全員が驚いた顔をした。俺は驚いたよりも怒りが最初に込み上げた。そんな馬鹿みたいな奴がいるのか?今すぐにでも細かく切り刻んでスクラップにしてやりたい。


マ「やる事は…皆分かってるな?」


ギロッと全員を睨みながら圧をかける。マイキーの言いたい事は皆直ぐに理解した。「情報を知った組織全て潰す」だろう。おそらく、今各々の目の前にあるホッチキスで止められてる大量の資料が組織の情報だろう。俺はホッチキスで止まっている資料を手に取り一枚一枚めくりながら見ていった。


マ「今直ぐ取り掛れ。期間は四日だ。分かったな?」


「「「はい」」」


全員声を揃えて返事をした。各々部屋からでて散らばり仕事に取り掛かる。因みに俺が潰す組織は計四つほど。俺は自分の部屋に入り、その組織が今、何処で、何をしているのか調べ始めた。すると、いきなりバンッも勢いよく扉が開いた。そこには見慣れた兄弟がニヤニヤしながら立っていた。


蘭「ねぇ、はーるちゃん」


春「んだよ、さっさと仕事しろよ。

一大事なんだぞ。」


竜「そっ、俺らはその事について此処に来たんだよ。」


すると2人は俺の机に先程会議の時にもらった資料を全て置いた。俺は考えたくもない最悪な事が頭によぎった。


春「てめーら、まさか…」


蘭「お、察しがいいね春ちゃん

分かったなら話が早いや、じゃあ宜しくね〜♡」


春「おい、てめぇら!!」


蘭と竜胆は足早にこの部屋から出ていった。まじかよ、これを一人でやれと?簡単にいうと俺は二人の分の仕事を押し付けられた。四つと八つ。つまり十二つ…。四日で出来るか?いや、No.2という称号を首領から貰ったんだ、こんくらい出来なきゃ恥晒しだ。俺は早速一つ目の敵アジトに向かった。


一日目は二つ潰し、二日目は二つ潰した。一つでも疲れるのに複数だとやはりキツい。俺は少々掠った腕の傷を手当てした。今頃灰谷兄弟は何をしているのか。俺に仕事を押し付けて美味しい食事やら娯楽やら楽しんでるのか、と考えていた。俺は窓越しに外を眺めた。景色は、もう早朝を迎える準備をしていた。そろそろ行くか、と思い、俺は疲れのおかげで重たい体を起こした。部屋を出て廊下を通ると九井とすれ違った。


九「三途、仕事は順調か?」


春「…まあ」


俺は一言返しその場を離れた。順調か順調じゃないかでいうと、全く順調ではない。今日は三ついけるか?あと二日しかない、ちんたらしてると直ぐに三日経ってしまう。俺は一つ、二つ、三つと休まずに敵組織を潰していった。それでもまだ七つ…、残り五つか。俺は武器としてる愛用している刀を持つ手を見た。ドロっとした血、そして所々にある傷。よく見ると俺の手は疲れていたのか小刻みに震えていた。




【九井視点】


九「三途、仕事は順調か?」


春「…まあ」


三途はそう言い足早に離れた。何故俺があんな事を聞いたのか。それは三途の顔色を見て咄嗟に出たから。三途の顔色は誰がどう見ても良くなかった。本人は余裕ぶってるが顔色でバレバレ。そもそも彼奴風呂入ってないだろ。髪や肌が返り血で濡れたままになっていた。クマも酷く、寝れていないことがわかった。


九「彼奴、あんなに早く済ませてやりたい事でもあるのか?」


その時の俺はそんぐらいの事しか考えていなかった。俺はそんな事を考えてると少し横を向いた。なぜ?三途の部屋が開いていたからだ。戸締りちゃんとしろよ、と呆れながら俺は閉めようとした。しかし、俺は少しそこで止まった。なんだこの匂い。気持ち悪くて酔いそうだ。俺は鼻を抑えながら興味本位で三途の部屋に入った。電気が付いていなかったため、何処かの壁にある電気スイッチを探した。簡単に見つかり、スイッチを押し明かりをつける。下を見るとそこは驚愕の光景が広がっていた。


九「んだよ、この薬の数…それにこの液体…彼奴吐いたのか。」


吐いた跡はあったものの透明な液体と薬だけだったため、三途は何も食べてないのだと推理した。床も気になるが、俺は机の上の大量の資料も気になった。彼奴、こんなに仕事溜めてたか?俺は一つずつ見た。あれ?これ、今回皆に任せられた組織じゃねぇか。一つ一つ違う組織…。もしかして彼奴一人でこの量の組織を潰すつもりか?俺はそう考えると三途の容態が心配になり、直ぐに部屋から出て三途に電話した。何度鳴らしても電話から三途の声は聞こえず、プー…プー…と不在着信の音しか鳴らなかった。


鶴「どうした九井。そんな顔して。」


九「三途が危ない!とにかく三途を早くたすけねぇと!」


鶴「おい、落ち着け九井!何があったんだ?」


鶴蝶は俺を落ち着かせるように俺の肩に手を置き、心配そうな目で見つめた。その目は三途に向けろ!そう思いながら俺は鶴蝶に説明した。


九「彼奴一人で十二の組織を四日で潰そうとしてやがる。多分寝ず、食わずの生活でな。そんぐらい余裕がねぇぞ彼奴。いつか倒れるだろう…」


鶴「それは本当か…?」


九「本当だ。三途の部屋に大量の薬、そして吐いた痕跡はあるけど胃液のみ。机の上には大量の資料があった。」


俺は口早に鶴蝶に説明していると扉がガチャッと開いた。


蘭「あ、九井と鶴蝶じゃーん!

二人でそんな深刻な顔してどうしたの?♡」


九「ああ、ガチで深刻だなぁ…」


俺は灰谷兄弟を睨みながら自分でも驚くほどの低い声で言葉を放った。

それに対して灰谷兄弟は冷や汗をかきながら「あはは…」と乾いた笑いをしてヤバいことにやっと気付いたらしい。



【竜胆視点】


俺と兄ちゃんはこの二日と今日は有意義な勝手な休日を過ごせた。温泉に行ったり、女と遊んだり、高級レストランに行ったり…楽しかった。でもなんか物足りない感じがした。まるで心の何処かにぽっかり穴が空いたみたいに。俺はそのモヤモヤを残しながら久しぶりにアジトに帰った。兄ちゃんがドアを開けるとそこには九井と鶴蝶が汗をかきながら話している姿があった。


蘭「あ、九井と鶴蝶じゃーん!

二人でそんな深刻な顔してどうしたの?♡」


兄ちゃんが軽くそういうと、九井はギロッと俺らを睨み九井から出た声だとは思えないほど低い声で言った。


九「ああ、ガチで深刻だなぁ…」


俺と兄ちゃんはガチな事に直ぐに気づき冷や汗をかいた。

何があったのか聞きたかったものの空気の重さで聞こうにも聞けなかった。


蘭「何かあったの?」


兄ちゃんは唾をゴクッと飲み込んだ後、一言九井にそう聞いた。

すると九井は大きな溜息を吐き、八つのホッチキスで止められた資料を近くの机に出した。

それは俺らが元々するはずの仕事だった。


九「お前らこの資料に見覚えあんだろ?」


竜「俺らの仕事」


九「今その仕事を三途が自分の仕事の分も合わせて四日で終わらそうとしてんの。

わかるか?

四日で十二の組織を潰す大変さを。」


蘭「は、マジで?」


竜「三途ならお前らとかに分けるだろ…。」


九「彼奴はああ見えて根は真面目なんだよ。

多分だが、彼奴のことだ自分の事は自分で片すとか思ってんだろ。」


俺と兄ちゃんは二人揃って開いた口が閉じなかった。あの量を本当に一人で?馬鹿だろ。普通死ぬぞ?てか、こんな事やってる暇あんのか?そう思うと俺は焦り始めた。体は勝手に動き直ぐに三途の場所に行こうとした。


蘭「待って竜胆!」


竜「でも、三途が…!!」


九「それは俺らも同じ気持ちだ。

言いたいのは一人で行こうとするなってことだ。」


鶴「とりあえず向かうぞ。

今三途は何処にいるんだ。」


九「多分だが…」


九井は資料を取り出し見つめた。すると九井がマズいぞ、と呟く。


九「今三途がいる組織の人数…200人」


竜「は?」


蘭「200って…ヤバい数じゃん。」


直ぐに俺らは車を出し、三途のいる場所に全速力で向かった。運転手は兄ちゃんだが、いつもより運転が荒かった。それくらい兄ちゃんも焦っていたのだろう。勿論、俺も汗をかくほど焦っていた。自分が仕事を押し付けたせいでこんな事になったのだ、後悔している。


蘭「着いたよ!」


竜「三途…三途…!!」


俺は直ぐ様車から出て三途の事を考えながらアジトの中に入った。銃声の音が聞こえる、床は血の海だった。突き当たりで曲がるとそこには俺らが探してた人物が立っていた。その人物は少し経つとフラフラし始め、倒れそうになった。


竜「三途!!」


俺はギリギリで三途を受け止めた。 その時の顔は一生忘れないだろう。顔色が真っ青で、クマも酷い。呼吸も荒く、三途の額に手をやると場は10°程に寒いはずなのに三途の体温は熱かった。

竜「兄ちゃん、三途熱ある!

呼吸も荒いし、怪我も酷いよ!」


蘭「落ち着け竜胆!

九井、今直ぐに救急車を呼んで

鶴蝶は首領に現状報告

竜胆と俺で三途の応急処置する…」


兄ちゃんも俺と同じく焦っていたが、出来るだけ冷静に判断し指揮をとってくれた。皆各々のやる事に取り掛かる。俺は直ぐに三途の怪我を布で覆った。兄ちゃんも汗をかきながら手伝ってくれた。ごめん、三途。こんな事にさせちゃって。俺らが呑気に遊んでる間頑張らせちゃって。本当にごめんね。

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