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晶 甜. ⚡️
9
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41,330
遅れてごめーん😭😭
バ畜してましたバイト楽しいなぁ(涙目 )
ちょっと今回も長めでごめんね休み休み見てね📱
⚠️注意⚠️
・nmmn注意
・キャラ崩壊注意
・通報しないで欲しいです
・運営さん愛してます
身体がおかしかった。
目を覚ました瞬間から頭が重く、喉は焼けるように痛い。身体の節々が軋むようで、ベッドから起き上がるだけでもひどく疲れた。
それでも、ないこはスマホを手に取った。
画面に並ぶ予定。
打ち合わせ、最終リハーサル、メイク、ライブ本番。
今日だけは、絶対に休めない。
「……よし」
声を出してみると、掠れた音しか出なかった。
ないこは少しだけ眉を寄せたものの、すぐにいつもの笑顔を作る。
「大丈夫、大丈夫。気合いでなんとかなるって」
誰に言い聞かせるでもなく呟いて、ベッドから立ち上がった。
立ちくらみがして、視界が一瞬暗くなる。
慌てて壁に手をついた。
「……っ、あー……」
少し待てば、視界は戻った。
きっと寝不足だ。
最近は社長としての仕事も忙しかったし、ライブの準備だってあった。疲れが溜まっているだけ。
そう自分に言い聞かせ、ないこは支度を始めた。
今日のライブは、メンバー六人で立つ大切なステージ。
ファンが楽しみにしてくれている。
メンバーだって、今日のためにずっと頑張ってきた。
自分だけが抜けるわけにはいかなかった。
それが、ないこの考えだった。
「ないこ、今日ちょっと顔色悪ない?」
楽屋に入って早々、悠佑がそう言った。
ないこは一瞬だけ動きを止めた。
「え? そう? 普通じゃない?」
「いや、普通ちゃうやろ。目の下もクマできとるし」
「昨日ちょっと仕事してただけだって!」
「ちょっと、なぁ……?」
悠佑は納得していない顔をした。
その隣で、りうらもじっとないこを見つめている。
「ないくん、声変じゃない? 風邪?」
「んー、ちょっと喉が痛いだけ!」
「それ風邪じゃん」
「いやいや、ほら! 俺、元気!」
ないこは両手を広げて、わざとらしく笑ってみせた。
「今日のライブ、楽しみだなー!」
「話そらした」
りうらの冷静なツッコミに、初兎が吹き出した。
「ないちゃん、分かりやすすぎやろ! 小学生か!」
「うるさいなぁ!」
「でも、ほんまに顔色悪いで。無理せんときや?」
ふざけた調子のまま、初兎はないこの額に手を伸ばそうとした。
ないこは反射的に半歩下がった。
「だ、大丈夫だって!」
その動きに、初兎の表情がほんの少し変わった。
「……ないちゃん?」
「ごめん、ちょっとメイクさんと話してくる!」
逃げるように楽屋を出ていくないこ。
閉まったドアを見つめながら、いむがぽつりと言った。
「……ないちゃん、絶対なんか隠してるよね?」
「せやな」
悠佑の声から、さっきまでの柔らかさが消えていた。
「ちょっと気になるわ」
いふも腕を組んだまま、静かに頷く。
「……あいつ、昔からそうやんな。自分のことになると、ほんまに何も言わへん」
誰よりもメンバーを大切にするくせに。
自分のことは、いつだって後回し。
それがないこという人間だった。
リハーサルが始まる頃には、ないこの体調はさらに悪化していた。
頭痛は朝よりも強くなり、身体は熱っぽい。
立っているだけなのに、足元がふわふわする。
それでも、曲が始まれば身体は動いた。
歌って、踊って、立ち位置を確認して。
何度も繰り返してきた動きだから、身体が覚えている。
多少具合が悪くたって、笑顔くらい作れる。
そう思っていた。
「ないこ、そこの移動、半拍遅れとるで」
いふの声が飛ぶ。
「あ、ごめん! もう一回!」
「いや、もうええ。ちょっと休憩しよ」
「大丈夫だって、まろ! 次いけるよ!」
「ないこ」
低い声だった。
ないこは、ぴたりと動きを止めた。
いふが真っ直ぐにこちらを見ている。
「お前、さっきから何回ミスっとると思ってんねん」
「……ごめん」
「謝れって言うてんちゃう。しんどいんやったら言えや」
「しんどくないよ」
即答だった。
あまりにも早い返事に、いふは目を細める。
「……ほんまに?」
「ほんまほんま!」
ないこは笑った。
笑ったつもりだった。
けれど、頬が引きつって、うまく表情が作れなかった。
そのとき。
「ないくん!」
りうらの声が響いた。
ないこの身体が、ぐらりと傾いたからだ。
とっさに近くのマイクスタンドを掴む。
「っ……!」
「ないこ!」
悠佑が駆け寄ってきた。
「おい、座れ!」
「だ、大丈夫……ちょっと、立ちくらみ……」
「それを大丈夫とは言わへんねん!」
普段は優しい悠佑の、珍しく強い声。
ないこはびくりと肩を揺らした。
それでも、すぐに笑顔を作る。
「ほんとに平気! ごめん、ちょっと水飲んでくる!」
「ないちゃん、待っ——」
初兎が呼び止めるより先に、ないこは逃げるようにその場を離れた。
その背中を、誰も安心して見送ることはできなかった。
開演三十分前。
楽屋の隅で、ないこは椅子に座っていた。
冷たいペットボトルを額に当てている。
身体が熱い。
なのに、指先は冷たかった。
「……やばいな、これ」
誰にも聞こえない声で呟く。
本当は、もう限界だった。
呼吸をするだけでも疲れる。
頭はぼんやりして、さっきから何度も意識が遠のきそうになる。
立ち上がれば、またふらつくに違いない。
それでも。
「……今日だけ」
今日だけは、やらなきゃ。
明日になれば休める。
ライブが終われば、いくらでも寝られる。
そう思って、ないこはスマホを取り出した。
体温計の数字を見つめる。
三十九度近い熱があった。
「…………」
しばらく、何も考えられなかった。
こんな状態でステージに立てるのか。
自分でも分からない。
でも、今さら中止になんてできない。
スタッフさんも、メンバーも、ファンのみんなも。
たくさんの人が今日のために動いてくれた。
俺が頑張ればいい。
俺が、少しくらい我慢すれば。
「……いける」
ないこは体温計をしまった。
そして、何事もなかったかのように立ち上がった。
「みんなー! 今日は来てくれてありがとうー!!」
ステージに立った瞬間、歓声が降り注いだ。
眩しい照明。
揺れるペンライト。
自分たちの名前を呼ぶ声。
そのすべてが、ないこを包み込んだ。
「最後まで、俺たちと一緒に楽しんでいこうなー!」
マイクを握る手に、力を込める。
笑顔を作る。
いつものように。
リーダーとして、みんなの前に立つ。
曲が始まれば、身体は勝手に動いた。
歌詞を間違えないように。
振りを間違えないように。
メンバーと目を合わせて。
ファンのみんなに笑顔を届けて。
けれど、二曲目の途中。
ないこの視界が、ふっと揺れた。
「……っ」
足がもつれそうになる。
すぐに体勢を立て直したが、胸がどくどくとうるさい。
息が苦しい。
喉が痛い。
頭の奥がずきずきする。
それでも、ないこは歌い続けた。
ふと横を見ると、悠佑と目が合った。
一瞬。
ほんの一瞬だった。
それだけで、悠佑の顔つきが変わった。
ないこは慌てて笑いかける。
大丈夫。
そう伝えるように。
けれど、悠佑は笑い返してくれなかった。
曲が終わり、暗転した瞬間。
「ないこ、お前……」
悠佑が近づいてくる。
「大丈夫だから」
ないこは先回りして言った。
「あとちょっとだし。いけるから」
「……っ、お前なぁ!」
「お願い、悠佑」
その声は、さっきまでの明るさとはまるで違っていた。
「今日だけ……ファイナルだから、最後までやらせて」
悠佑は言葉を失った。
ないこの目は、必死だった。
リーダーとして。
社長として。
みんなを引っ張る人間として。
ここで止まることが、どうしてもできないのだ。
「……ないこ」
「お願い」
悠佑は、唇を噛んだ。
本当なら、今すぐ連れ出したかった。
それでも、ないこは次の曲のイントロが流れると、またステージへと歩き出してしまった。
その背中を見ながら、悠佑は小さく呟いた。
「……終わったら、絶対許さへんからな」
ライブは終盤に差しかかっていた。
あと数曲。
それだけだ。
ないこは、自分に何度も言い聞かせた。
けれど、もう限界だった。
歌詞が一瞬飛ぶ。
呼吸が乱れる。
振り付けの途中で、足が思うように動かなくなる。
それでも、マイクを握る手だけは離さなかった。
「みんな、最後まで声出せるー!?」
声を張り上げる。
喉が痛んだ。
「もっといけるよなー!!」
歓声が返ってくる。
嬉しかった。
本当に、嬉しかった。
みんなが楽しそうに笑っている。
メンバーも、隣で歌っている。
この景色を守りたかった。
ずっと、ずっと。
だから。
——あと一曲。
最後の曲が始まった。
ないこは笑顔で歌い始める。
けれど、サビに入る直前。
急に視界が白くなった。
音が遠のく。
ペンライトの光が、ぼやけて滲む。
「……あ、れ……?」
足元の感覚がなくなった。
身体が前に傾く。
それでも、ないこは反射的にマイクを握り直した。
倒れちゃだめだ。
まだ。
まだ、終わってない。
「ないこ!!」
悠佑の声が聞こえた。
次の瞬間、身体が大きく揺れた。
りうらが目を見開く。
「ないくん!?」
初兎が歌うのをやめ、駆け寄ろうとする。
いむの顔から笑顔が消える。
いふがマイクを離した。
けれど。
ないこは、ステージに倒れ込む寸前、どうにか踏みとどまった。
「……っ、は……」
息ができない。
頭が痛い。
もう、立っていられない。
それでも、最後の力を振り絞って顔を上げた。
「……ごめ、ん……」
誰に向けた言葉だったのか、自分でも分からなかった。
そして、曲が終わる。
歓声が響く。
メンバーが最後の挨拶をする中、ないこはマイクを握ったまま、必死に笑っていた。
「今日は……ほんとに、ありがと……」
声が掠れる。
「みんな……だいすき、だよ……」
その言葉を最後に。
舞台裏にはけた瞬間ないこの膝から、力が抜けた。
「ないこ!!」
悠佑が身体を支える。
ぐったりと預けられた身体は、信じられないほど熱かった。
「おい、ないこ! 聞こえるか!?」
返事はない。
「ないくん!? ねえ、ないくん!!」
りうらの声が震えた。
初兎が顔を覗き込む。
「ないちゃん、なあ、冗談やろ……?」
いむは青ざめた顔でスタッフに助けを求めた。
「すみません! 救護の人、呼んでください! 早く!」
いふはないこの手を握った。
「……ないこ。おい、ないこ!」
いつもなら、うるさいなぁ、と笑って返してくれるはずだった。
けれど。
ないこは目を閉じたまま、ぴくりとも動かなかった。
楽屋に運ばれてからも、ないこの意識は戻らなかった。
スタッフが救急へ連絡し、救護担当者が状態を確認する。
メンバーは、邪魔にならないように少し離れた場所で見守っていた。
誰も、何も話さなかった。
さっきまで、あんなに大勢の人の前で笑っていたのに。
ファンに手を振って、メンバーに笑いかけて。
最後まで、いつものないこだったのに。
「……なんで」
りうらが、小さく呟いた。
「なんで言ってくれなかったの……」
俯いた顔が歪む。
「朝から変だったじゃん。俺、風邪? って聞いたのに……」
「りうちゃん……」
いむが声をかける。
けれど、自分だって泣きそうだった。
「ないちゃん、いつもそうなんだよ……。みんなには無理しないでって言うくせに、自分は全然休まないんだもん……」
「……せやな」
初兎が、ぎゅっと拳を握った。
「僕ら、もっとちゃんと止めなあかんかったんかな……」
「ちゃう」
悠佑が、静かに口を開いた。
「俺らのせいにして終わらせたらあかん」
その声は低かった。
怒っているようにも聞こえた。
けれど、その手は震えていた。
「ないこが無理するんは、今に始まったことちゃう。俺らも知っとった。せやからこそ、もっと本気で止めなあかんかった」
悠佑は、ベッドに横たわるないこを見た。
「……ほんま、アホやなぁ」
いつもなら笑って返すはずの言葉。
「お前が倒れるまで頑張って、誰が喜ぶねん……」
声が、かすかに掠れた。
いふは何も言わず、ないこの手を握り続けていた。
やがて、救護担当者から医療機関での診察が必要だと伝えられ、救急隊への引き継ぎが進められた。
メンバー全員が、その場に付き添おうとした。
「俺も行く」
「僕も!」
「俺も行くに決まっとるやろ!」
「ないちゃん、一人にできへん……」
いふも、短く頷いた。
「……全員で行くで」
誰一人、反対しなかった。
救急車の中。
ないこは、ようやく薄く目を開けた。
白い天井。
聞き慣れない音。
身体が重く、頭がぼんやりする。
「……ん……」
小さく声を漏らした瞬間、すぐそばから声が飛んできた。
「ないこ!?」
いふだった。
「……まろ……?」
「せや。分かるか? 俺の声、聞こえとる?」
ないこは、ゆっくり瞬きをした。
「……ここ、どこ……?」
「救急車や。お前、ライブ終わったあと倒れたん覚えとる?」
「……ライブ……」
思い出そうとすると、頭が痛んだ。
「……あ、俺……最後まで、できた……?」
その言葉に、いふの表情が凍りついた。
「……は?」
「ライブ……ちゃんと、終わった……?」
いふはしばらく黙っていた。
そして、ないこの手を握り直す。
「……終わったわ」
「……そっか。よかった……」
ないこは、安心したように目を閉じかけた。
その瞬間。
「よくないわ、アホ!!」
いふの声が響いた。
ないこはびくっと肩を揺らした。
「お前なぁ……! 何がよかったやねん! 自分がどんな状態やったか分かっとんのか!?」
「……ごめ、」
「謝らんでええから、今は喋んな!」
怒鳴ったあと、いふは顔を覆った。
「……っ、ほんまに……」
声が震える。
「ほんまに、怖かったんやからな……」
ないこは、ぼんやりといふを見つめた。
いつも頼りになる相棒。
何があっても冷静で、頭が良くて。
そんな彼が、今にも泣きそうな顔をしていた。
「……まろ、ごめん……」
「……もうええ」
いふは、ないこの手を両手で包み込んだ。
「今は何も考えんでええ。仕事もライブも、メンバーのことも。全部、あとでええから」
「……でも……」
「でも、ちゃう」
きっぱりと言い切る。
「今はお前が一番大事や」
ないこの目から、涙が一粒こぼれた。
ずっと、我慢していた。
しんどいことも。
苦しいことも。
怖いことも。
全部、自分が耐えればいいと思っていた。
でも。
「……こわかった……」
小さな声だった。
「……ほんとは、朝から……ずっと、しんどくて……」
いふは何も言わず、ただ手を握っていた。
「……でも、みんなに迷惑かけたくなくて……」
「……うん」
「……俺が、頑張らなきゃって……」
涙が止まらなくなる。
「……ごめん、まろ……。俺、ちゃんとできなかった……」
「ないこ」
いふは、静かに呼びかけた。
「お前は、ちゃんと頑張った」
ないこが顔を上げる。
「せやけどな。頑張ることと、自分を壊すことはちゃうねん」
その言葉に、ないこは唇を震わせた。
「お前はリーダーや。社長や。俺の相棒でもある」
いふは、泣きそうな顔のまま笑った。
「でも、それより先に、一人の人間やろ」
「……っ」
「しんどいときは、しんどいって言え。助けてほしいときは、助けてって言え。俺らは、そのためにおるんやから」
ないこは、何度も頷いた。
そして、子どものように泣いた。
いふは何も言わず、ないこが落ち着くまで、ずっとその手を握っていた。
病院に到着すると、ないこはそのまま診察を受けることになった。
メンバーは待合スペースで、医療スタッフからの説明を待っていた。
りうらは椅子に座ったまま、膝の上で両手を握りしめていた。
「……ないくん、ちゃんと元気になるよね」
誰に尋ねるでもない声。
悠佑は、その隣に座った。
「なる。せやから今は、先生らに任せよ」
「……俺、もっとちゃんと見てればよかった」
「りうら」
「朝から変だったのに。リハでもふらついてたのに……」
「お前だけの責任ちゃう」
悠佑は、りうらの頭をぽんと撫でた。
「次からは、みんなで止めたらええ。俺も含めてな」
少し離れたところでは、いむが目を真っ赤にしていた。
初兎は、いつもの軽口を一つも叩かなかった。
「……ないちゃん、起きたら絶対怒る」
いむが呟く。
「え?」
「だって、みんなに心配かけたって、絶対謝るもん……」
初兎は苦笑した。
「……せやろなぁ」
「謝らなくていいのに……」
「ほんまにな」
初兎は顔を上げた。
「今度は僕らが、ないちゃんに言う番やな」
「……何を?」
「無理せんでええって。俺らがおるからって」
いむは、静かに頷いた。
そのとき、診察室の扉が開いた。
メンバー全員が、一斉に立ち上がる。
医師から説明を受け、必要な処置と経過観察が行われることになった。
今は、ないこが休むこと。
それが何より大切だった。
しばらくして、ないこは病室のベッドで目を覚ました。
身体はまだ重かったけれど、さっきよりは少し意識がはっきりしていた。
視線を横に向ける。
そこには、椅子を並べて座っている五人がいた。
「……え」
ないこは目を丸くした。
「……みんな?」
「お。起きたか」
悠佑が立ち上がる。
「ないちゃん!!」
初兎が駆け寄りかけて、慌てて足を止めた。
「……あ、あんまり動いたらあかんよな。ごめん、ないちゃん……」
「……いや、うん」
ないこは戸惑いながら、みんなの顔を見回した。
りうらは目が赤い。
いむも、泣いたあとのような顔をしている。
いふに至っては、ものすごく不機嫌そうだった。
「……えっと」
ないこは、恐る恐る口を開いた。
「……ごめん?」
「謝るの早すぎやろ!!」
初兎が思わずツッコむ。
「いや、だって……」
「だってちゃう!」
いふが腕を組んだ。
「ないこ。お前、今から俺らの話、ちゃんと聞け」
「……はい」
「まず、仕事は全部止めた。社長業もや。緊急の連絡は俺とあにきで対応する」
「えっ!? いや、でも!」
「でも、ちゃう言うとるやろ」
「……はい」
「あと、りうらとほとけと初兎も、お前が元気になるまで予定を調整するって言うとる」
「えっ、みんなの予定まで!?」
「ないくん」
りうらが、静かに口を開いた。
「俺たちのこと、そんなに信用できない?」
「……え?」
「ないくんが休んだら、俺たちじゃ何もできないって思ってる?」
「ち、違う! そんなこと思ってないよ!」
「じゃあ、なんで言ってくれなかったの?」
ないこは言葉に詰まった。
りうらは、泣きそうな顔で笑った。
「俺たち、六人でグループなんだよ。ないくん一人で全部背負わなくていいじゃん……」
「……りうら」
「俺、ないくんがリーダーだから好きなんじゃないよ。ないくんだから、一緒に歌いたいんだよ」
その言葉に、ないこの目が潤んだ。
「……っ、うん……」
「だから、もう無理しないで」
りうらは、ないこの手をそっと握った。
「お願い」
ないこは、何度も頷いた。
「……ごめん、ほんとに……」
「ないちゃん」
今度は、いむが口を開いた。
「僕ね、ないちゃんがいつも頑張ってるの、ちゃんと知ってるよ」
「……うん」
「事務所のことも、グループのことも、みんなのことも。いっぱい考えてくれてるの、知ってる」
いむは、少しだけ笑った。
「でもね、僕たち、ないちゃんに笑っててほしいんだよ。無理して笑ってほしいんじゃなくて、ちゃんと元気なときに笑ってほしいの」
「……っ」
「だから、次からは頼ってね。僕、ムードメーカーだし! ないちゃんを笑わせるくらい、任せてよ!」
「……いむくん、それ自分で言う?」
「えー!? そこツッコむ!?」
いつものやり取り。
いつもの、騒がしい楽屋みたいな空気。
それが嬉しくて、ないこは小さく笑った。
「……ありがとう」
初兎が、そっとないこの頭を撫でた。
「ないちゃんは、ほんまに頑張り屋さんやな」
「……そんなことないよ」
「あるわ。ありすぎるくらいや」
初兎は、いつものように少しふざけた笑顔を浮かべた。
「でもな、ないちゃん。頑張りすぎるんは、もう禁止やで」
「……えぇ」
「えぇ、ちゃう!」
「厳しくない!?」
「当たり前やろ! こっちは寿命縮んだんやぞ!」
その言葉に、みんなが少しだけ笑った。
けれど、悠佑だけは真剣な顔をしていた。
「ないこ」
「……ん?」
「次、同じことしたら、本気で怒るからな」
ないこは、びくりと肩を揺らした。
「……はい」
「俺らは、お前が頑張るんを止めたいわけちゃう」
悠佑は、ゆっくりと続けた。
「お前が頑張りたいなら、応援する。支える。けど、自分の身体を犠牲にするんだけは許されへん」
「……うん」
「お前が倒れたら、俺らは悲しい。怖い。どうしたらええか分からんくなる」
悠佑は、ないこの手を握った。
「……頼むから、自分のことも大切にしてくれ」
ないこは、とうとう涙をこぼした。
「……うん……っ、ごめん……」
「やから、謝らんでええって」
悠佑は苦笑して、ないこの頭を優しく撫でた。
「今は、ゆっくり休め」
しばらくして、みんなが少し落ち着いた頃。
ないこは、ふと思い出したように呟いた。
「……あのさ」
「ん?」
いふが顔を向ける。
「……俺、お腹すいた」
一瞬、病室が静まり返った。
「…………は?」
いふが固まる。
りうらが目を丸くする。
いむは口を開けたまま動かない。
初兎は、とうとう吹き出した。
「いやいやいや!! ないちゃん、今それ言う!?」
「だって……朝からあんまり食べてないし……」
「そらそうやろ! あんな高熱でライブしとったんやぞ!?」
「えー……」
ないこはしょんぼりした。
「……お寿司、食べたい」
「却下」
いふが即答した。
「えええ!?」
「医師の指示が先や。勝手に食べたらあかん」
「じゃあ、元気になったら……?」
「そのとき考える」
「……悠佑ぇ」
ないこは、助けを求めるように最年長を見た。
悠佑は、少し考えてから笑った。
「ちゃんと元気になって、先生から食べてええって言われたらな。俺がうまいもん作ったるわ」
「……ほんと!?」
「ほんまや」
「やったぁ……!」
ぱっと顔を輝かせるないこ。
その様子に、メンバー全員が思わず笑った。
本当に、いつものないこだった。
頑張り屋で、無理しがちで。
みんなのことが大好きで。
そして、お寿司と食べることが何より大好きな、ないこ。
「……でもな、ないこ」
悠佑が、もう一度優しく声をかけた。
「次からは、倒れる前に言うんやで」
ないこは、少しだけ目を伏せた。
そして、今度は誤魔化さずに頷いた。
「……うん。約束する」
いふが、その手を握り直した。
りうらが隣で笑う。
いむが「じゃあ元気になったらお寿司パーティーしようよ!」と騒ぎ始め、初兎が「その前にトマト食べさせたろか!」と余計なことを言い、ないこが「それだけは絶対嫌!!」と叫ぶ。
病室に、久しぶりの笑い声が響いた。
ないこは、その声を聞きながら目を閉じた。
今度は、無理をして眠るのではない。
安心して、身体を休めるために。
自分が頑張れないときも。
自分が立ち止まったときも。
隣には、五人がいてくれる。
それを、今度こそ忘れないように。
「……みんな」
眠りに落ちる直前、ないこは小さく呟いた。
「……大好き」
「……知っとるわ」
悠佑の優しい声が聞こえた。
「わかったから、はよ元気になれ」
ないこは安心したように笑い、そのまま静かな寝息を立て始めた。
五人は、しばらくその寝顔を見つめていた。
そして、誰からともなく、小さく頷き合った。
これからは、六人で。
誰か一人が無理をして支えるんじゃない。
六人で支え合って、六人で笑っていく。
それが、自分たちのグループなのだから。
また長かったねごめんね😭
沢山いいねとコメントくださいモチベ欲しいなチラチラ長文コメなら返すよ(がめつい)(黙れ )
じゃおやすみなさい良い夢を
コメント
2件
更新ありがとうございます😭😭このお話大好きです!!!ほんとにありがとうございます😭
はーん今回の話も大好きな作品すぎました😭😭 これで明日の学校も頑張れます🫶🏻💕︎︎ バイトおつかれさまです!!