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「は、…………?」
あまりにも急な連絡だったため、足がすくんだ
[カイザー!?今どこにいるんだ!?]
[なぁ、、カイザー、]
追ってメッセージを送ってしまったが、その後も返信が返ってくることはなかった
「…なんなんだよ、ほんとに、」
謝罪の言葉と俺の名前
たった1文のメッセージだったけど、
それが嬉しくて、寂しくて、
ただカイザーに会いたいだけだよ
好きとか、愛してるとかいいよ、
ほんとは欲しいけど、そんなことより、会いたいだけなんだ
この子が生まれてこんな自慢なお父さんを見せたいだけだよ
「…カイザー、すきだよ、」
泣きそうになる心を抑えて、オレはベッドへと向かった
それから数ヶ月後、
俺は倒れた
出産日が近づき、色んな思いが込み上げて体が限界を迎えてしまった
お腹も大きくなっていたので、実家に帰っていたため、廊下で倒れているのを母親がみつけてくれたらしい
目を覚ますと、そこには白いベッド
点滴が打たれている腕が俺の不安を大きくさせた
「……潔さん!?起きたんですか!!?」
「…あ、えっと、、、」
「良かったです、、!!今先生をお呼びしますね!!」
看護師さんがちょうど居合わせてくれて先生を呼んでくれた
先生によると、俺は丸々3日を覚まさなかったそう
原因はやはりストレスによるものだったが一時的なものであり、病的なものではないそう
お腹の子は至って異常はないと
「出産日もあと数日なのでこのまま入院してましょう」
「…わかりました、」
あぁ、俺は何してるんだ
出産日目前に倒れてる自分に心底イライラした
「何かあったらあそこのボタンを押してくださいね」
「それでは失礼します」
ドアを閉められた瞬間、俺はスマホを取りだした
一応、カイザーには出産日を教えたが特に返信はなかった
[カイザー。もう連絡するのはこれで最後にします。]
[この数ヶ月、本当に不安だった。
大好きなカイザーに会えなくなって、俺らの間に子供がいて。
もちろんカイザーが子供にいい印象を持ってないのもわかってた。
それでも、隣にいて欲しかった。形だけでもよかった。
、ごめんこれは俺のわがままだね笑
カイザー、こんな形でごめんだけど、俺カイザーが好きだ。優しいカイザーが好きなんだ
もう会うことはないだろうから、伝えておきたかったんだ。
俺は俺なりに上手くやっていくよ。
カイザー、幸せになれよ。元気でな]
「っ、…かぃ、ざぁ、…うぅ、っ、」
涙が止まらなかった
これで終わったんだ
もう未練は残さない
そう決めたはずだった
それなのに、
直接伝えられなかったカイザーへの思いが俺を蝕んでゆく
好き
そう伝えたかった
出産予定日、やはりその日通りに陣痛に襲われた
感じたこともない痛みに俺は耐えながら必死で力んだ
そして、
うぶ声が室内に響いた
「っ、はぁっ、はぁ、……」
「潔さん、おめでとうございます!!」
数時間かけて産まれた我が子は、小さくて愛おしかった
「っ、ありがとうっ、ありがとう、っ、」
俺は涙を流しながら必死で我が子を抱きしめた
その後、俺は安心感からか深い眠りへとついた
再び目を覚ますと下半身にぐっ、と重い重心感があった
母親か?はたまた父親か
誰が出産した人の足で寝てるのかと思い、
体を起こすと
「………カイザー、?」
俺の足を抱えるようにして寝ていたのは、
カイザーだった
…… ᴛᴏ ʙᴇ ᴄᴏɴᴛɪɴᴜᴇᴅ