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金髪に襟足が青い
茶色いコートを羽織って愛しい男は数ヶ月ぶりに、
しかも寝ている呑気な顔で現れた
「……カイザー、、!!」
「起きてっ、ちょっ、なんでっ、」
「…………ん、、」
「……………世一、」
「……カイザー、」
「………………世一、今までほんとにごm…」
「うおっ、…」
俺はいてもたってもいられなくてカイザーへと抱きついた
「…ばかっ、なにしてたのっ、…」
「ずっと、ずっと、、!おれの気持ちも知らないで、、、っ、、!」
「……ごめんな、世一」
「…ごめん、じゃないっ、!あいたかったよっ、おれっ、ずっと、…」
嗚咽混じりの声で必死にそう嘆く
その間もずっと背中をさすってくれるカイザー
「ずっと、っ、ふあんでっ、、…!!」
「かいざーもっ、いないしっ、…、」
「うまれるかっ、しんぱいで、…」
「………それで?もっと言え、全部吐き出してくれ、」
「それでねっ、…それで、っ、」
「ひぐっ、うわぁぁん、!!!」
出産直後なので小さな個室だったため、俺はカイザーと2人きりの空間に
まるで小さな子供のように声を上げて泣いた
カイザーの首に顔を埋めて、服をぎゅっと抱きしめて涙が出なくなるほど泣いた
カイザーはひたすら謝るばかり
泣きじゃくる俺をカイザーは苦しくなるほど抱きしめてくれた
いつまでこうしてただろう
涙も枯れてきたとき、俺はようやくしっかりカイザーの顔を見た
「……カイザー」
カイザーの顔は怒られた子犬のような
キリッとした眉を下げてただひたすらに俺を見つめていた
「…何してたの、今まで、」
俺は静かにそう聞いた
「……俺は、愛されたことがない。愛を知らないんだ、」
「愛しい世一との子供なのに、クソ親父のことが脳裏に浮かんで、」
「ああなったらどうしようって、…愛せる自信がなかったんだ、」
かすかに震えている手を俺は包む
「…だから、俺は愛を自分で知ることにしたんだ、」
カイザーが言うには、ミュンヘン内のΩ選手などに色んなことを聞いたり、児童施設を回ったりしたらしい
「…世一はしらないと思うが、世一の両親にもお世話になったぞ、」
「え、、!?!いつの間に、、」
「言わないでくれと頼んだんだ、こんなみっともない俺を知って欲しくなかった、」
「…何度も世一に会いに行こうとおもったんだ、」
「すぐにでも隣で支えたかった、」
「…でも、世一に会ったら、また俺は愛を見失う、」
「世一だけじゃなくて、もう1人大切なことが出来るのに、守れなくなる、 」
「それが、怖かったんだ、」
「……ほんとにカイザーはばかだなぁ、」
呆れた俺はカイザーの唇と俺の唇をゼロ距離にする
「愛なんて2人で見つけていけばいいでしょ」
強ばるカイザーの顔を包みながらそう言うとカイザーはこく、と頷きながら顔を緩める
「……遅くなってごめんな、」
「…やだ。」
「…今言って。ここで。」
あえて何がとは言わなかった
カイザーはきっと分かってくれる。
「…あぁ、」
「好きだ。世一。俺の本当のパートナーになってくれ」
「…ばか、ほんとに遅いよ、」
「世一、好きだ。大好きだ。愛してる。」
「俺もだーいすき」
部屋にはリップ音が響いていた
…… ᴛᴏ ʙᴇ ᴄᴏɴᴛɪɴᴜᴇᴅ?