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41 - 第41話<会いたい人と会いたくない人2>

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2024年01月22日

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「おい、そこまで嫌うことはないだろう」


1Fに着いて短距離走者さながらのスタートを切ったつもりだったが、さすがにヒールではたいしたダッシュもできず、営業で足を使っている茂には到底勝てなかった。


ロビーであえなく腕を捕まれてしまった。



「とりあえず、腕を放してもらえる?誰かに見られて変な噂を立てられても困るし。それとも、あなたが言いふらしてるの?」


あわてて腕を放した茂をのこして歩き始める。


「噂?オレが何を言いふらすって?」


「私と北山くんが別れたって話が随分と広まってるみたいだけど?あの場に居たのは私と北山君と北山君の新カノでしょ」


振り返ることも立ち止まることもなく歩きながら言い放つが、茂は斜め後ろをしっかりキープしてついてくる。


「何も言ってない、それにもう一人いるだろ。大島だって知ってるはず」


「賢一はそんな事は言わない、それならあなたの新カノじゃない。くだらないことを言いふらすなって教育して」

「新カノって、付き合ってないし」


「へぇ~付き合わなくてもヤルことはヤルのね」


「それは・・・」


マズい、言い過ぎだ。これじゃ、私がまだ茂にこだわって居るように思われるかも。


「今のはスルーして、あなたが何をしようがもう私には関係ないから。じゃあ、もう話をかけないで」


早歩きで差を広げようと思ったが



しっかり隣に並んでいる。


「ついてこないでよ」


「オレも駅に行くから」


別れたと話が広がっているところにこんな所を誰かに見られたら、また佐藤さんにいいネタを提供しそうでうんざりする。



結局、無言で二人並んで駅まで歩くハメになった。

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