ゆあです。
今回は乱太が旅行するお話です!
この話にはないのですが、今後乱モブ♀︎要素が出てくるので苦手な方は閉じて下さい。
それではどうぞ。
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私、太宰治は今、故あって職場の上司と二人きりで温泉旅館に来ている。
きっかけは些細なことだった。 探偵社で偶然二人きりになった時、乱歩さんが急に「なんかさ、海の見える旅館とか行きたくない?」と言い出して。
最初は仕事もあるのにそんな所行けるわけないと思ったけれど、駄目元で乱歩さんと二人で社長に聞きに行ったら何故か簡単に了承して下さったので、有給を取り一泊二日の旅行へ行くことになった。
今は旅館の夕食会場に着いたところだ。
ここはバイキング形式らしく、各自好きな物をお皿によそっていく。だからまぁ、苦手なものは食べずに済むし逆に言えば好きな物は沢山食べれるので嬉しい。少食だから沢山食べるということは無いのだが。
そんなことを考えていたら乱歩さんが取りに行こうと動き出したので、その後ろを静かに歩く。
こういうの、 乱歩さんは「わーい!」とか言って走りながら好きな物を取りにいくと思ったのだけれど、存外、無言でゆったりと動いていた。
その見慣れない行動に先刻部屋で着替えた浴衣が相まって何だが大人の色気を醸し出している。しかも随分胸元が開いているので余計に。
浴衣がそうなのではなく彼の着方が悪いのだけど。
「何、先刻からジロジロ見てきて 」
「貴方が浴衣を着ると随分大人っぽく見えるなぁと思いまして」
「僕26歳なんだけど」
「ふふ、すみません。何時も可愛らしいから」
「まぁ、僕が可愛いっていうのは否定しないけどね」
「…うふふ」
…別に、別にそんなに強くは思っていないけど、自信家な所、可愛らしい。
そんな会話をしている内に二人ともよそい終わり、自分たちの席に戻った。
「じゃ、いただきます」
「いただきます」
食べる前と後の挨拶は必須だと考える。作ってくれた人や動物達に感謝の意を示すのだ。
まぁ、普段はやらないけれど。乱歩さんの前だけでは礼儀正しくありたいという感情が、何故か、ある。でも図々しいと思われたくないので乱歩さんが言ってから続いて言うという形にした。我ながら良い行動だったと思う。彼はなんとも思って無さそうだが。
彼は随分、偏食というか、なんというか、子供舌なので、バイキングでは明らかに冷凍食品であろうポテトフライやたこ焼き、白米の上に沢山いくらを乗せた自作のいくら丼などを食べていた。 そのあとは1口デザートのようなガトーショコラやらティラミスやらをどこか嬉しそうな顔で食べていた。
両頬がいちご大福のように大きく膨らんで、リスのように頬張る様は凄く愛らしかった。
でも、かなり量が少なくて。直ぐに「おなかいっぱい」と箸を置いてしまった。自分も少食な方だと思っていたが彼が食べた量は更に少なかった。体格の差だろうか。前はそんな事なかったような気がするが。
待たせてしまうのも申し訳ないので、私も箸を置いた。少し残っているからごめんなさいの気持ちを込めて、これからご馳走様でしたを言うつもりだ。
「太宰。残さず食べなさい」
あれ。
何故か乱歩さんに変な口調で食べ残しを叱られた。本当に変な口調。初めて聞いた。お母さんみたいだ。お母さんなんて存在、よく知らないけれど。
「えぇ?乱歩さんも残ってるじゃないですか」
「僕はいいの。もう満足しちゃったし。お前はまだでしょう?僕に合わせなくていいよ」
「…じゃあ、御言葉に甘えて、もう少し」
それから何分か経ち、私は全て完食した。かなりお腹が苦しい。
「よし。じゃ、ご馳走様でした」
「ご馳走様でした 」
そういえば、乱歩さんもいつもご馳走様でしたなんて挨拶、してなかったような気がするのだけど。まぁいいか。
「で、これからどうする?一応タオルとか持ってきたからこのまま温泉も行けるけど。一旦部屋戻る? 」
「折角ですし、このまま温泉に行きませんか?戻るのも面倒臭いし」
「そうだね。そうしよう 」
こうして、二人で温泉に入る事になったのだけれど。
「か、貸切!?」
「うん、貸切。声大きいねー」
温泉に着き、脱衣所で浴衣を脱いでいる時に思わず大声を出してしまった。だって、貸切って…。
「…温泉、貸切にまでするなんて、凄いですね、ありがとうございます」
「ん。お前包帯まみれで他の人のことびっくりさせちゃうかもしれないし。それに、お前の裸?知らないおじさん達に見せたくないし」
そう言って彼はにやっと笑った。
「な!なんですか、それ」
「そのままの意味だよ」
「う…」
本当に、狡いと思う。この人は口説き文句を当たり前のように会話に混ぜてくる。巧みな技だ。女性に対してそれをすれば一瞬でおとせるだろう。
そして何より上手いのが、理由を言う順番。「おじさんにお前を見せたくなかった。それに包帯まみれで他人を驚かせてしまうだろうし」と言われれば、後者が本心なのだなと思ってしまうけれど、順番を逆にされれば口説かれたという事実だけで頭がいっぱいになってしまう。
本当に、凄くて狡い人。何時も彼には驚かされてばかりだ。
もう、私達は恋人では無いのに。
それに何故だか先刻から、否、もっと前からかもしれない。
変な違和感を感じるのは私の気の所為だろうか__。
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取り敢えずここまで…誤字脱字等ありましたらすみません> < ՞
久しぶりに台詞だけでは無い文章を書くので、文体が変わっていたり読みずらかったりしていたら申し訳ありません。客観視してどう見えるのかを考える力が乏しいのでよく分からないのですが…
この作品は次の話くらいから乱モブ♀︎要素がすごく強く出てきます。夢小説ではありません。苦手な方が多いかもしれないので最大限忠告しておきます、!
ここまで読んで下さりありがとうございました!それではまた次の話で。
コメント
2件
うわぁぁぁッ…二人で旅行とか最高ッ…、神かな???、太宰さんが気遣って乱歩さんが大人っぽいって言うのと浴衣って言うの想像したら鼻血が…、待って恋人じゃないの…別れ…え???((、いやゆあさん神作有難う御座います!!凄い良かったです!!…続きが気になる…