ゆあです。
2話です!!はい、まだ乱モブ♀︎出てきません!いつ出るんだろう!私も分かりません!!!
楽しんでいただけると幸いです!
それではどうぞ。
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私が感じている違和感は幾つかある。
まず社長が簡単に有給の許可を出して下さったこと。不在中、私と乱歩さんの能力が必要不可欠となる状況に陥るかもしれない事を想定しての判断なのだろうか。
次に乱歩さんの行動。失礼かもしれないが今日は大人っぽすぎる。可笑しいくらい、行動が以前と異なる。最近はあまり話したりもしていなかったので判らないけど、以前の……付き合っていた時の彼より余程大人びている。
加えて言えばそれを意識してやっているような感じも何処と無くする。だって前までは「いただきます」や「ご馳走様でした」をしっかり言わなくて社長に叱られていたし、何時も騒がしくてけらけら笑っていたし……兎に角不自然だ。
その次に乱歩さんの食と体。流石に少食すぎないだろうか。世間一般で言う少食よりもさらに少食な私より、彼はもっと少なかった。お皿に盛る量は然程気にならなかったが残した量はあまりにも多かった気がする。7割は残っていた。確実に。
そして彼の体。部屋で浴衣に着替えている姿を横目で見たが、前より明らかに細くなっていた。そして脱衣所で浴衣を脱いでいる今だってはっきり思う。前より絶対に痩せている。元々細かったのが更に細くなっていて、少し心配な位だ。
「おい、太宰。さっさと浴衣脱ぎなよ。温泉入ろう」
乱歩さんの呼びかけが、私の思考を遮る。
「あ、はい。すみません。考え事をしていて」
「……そう。僕先に入ってるね」
「判りました。すぐ行きます」
「うん」
少し長く考えすぎたようだ。早く温泉に入って、部屋に戻って、彼と話してみよう。私が感じた数々の違和感について。そして、私と別れてから今日までの約4ヶ月間で何があったのかについて。
温泉の中はすごくいい雰囲気だった。多分意図して少し暗くなるように作られていて、暖色のライトが控え目に辺りを照らしている。なんだか落ち着く。
それに加えて温泉内には大きな窓があり、そこから海が見えた。随分荒れていて温泉の雰囲気と異なるけど、貴重なものが見れて嬉しい。行ったら死ねそうだ。苦しそうだから絶対行かないけれど。ましてや乱歩さんと旅行に来ているのに、流石の私でもそんな事はしない。
かけ湯をして、既に彼が入っている温泉にゆっくり浸かる。暖かい。
貸切だそうなので勿論私達以外の人は何処にもいない。この旅館は温泉が何ヶ所かあるので、一箇所だけ貸切にしても問題は無いのだと思う。旅館側の苦労はよく判らないけど。
「いい湯ですね。荒れた日本海も見えて、楽しい?ですし 」
「嗚呼、楽しいのかは判らないけどいい湯だね。肌がすべすべになりそう」
「……ふふ、そうですねぇ」
また。肌がすべすべになりそうって、そんなの気にしたことなんて無かったのに。まるで女性みたいだ。
「……太宰さぁ、温泉入ってるのにいつも通り肌真っ白だね。ほら、漫画とかだと『普段肌が白いから赤くなってるのが余計に目立つ』みたいなのあるでしょ」
「あ、え、そうですかね。漫画……?ずっと入っていればそれなりに赤くなると思いますよ……って、なんで包帯巻いてるのに肌が白いってわかるんですか」
「え?ほら首元とか、顔とか、お湯越しに見えるお前の腹とか?」
「ひぇ」
急に乱歩さんからお腹をつんと突かれて変な声が出た。撫でるでも叩くでもなく、突く。こういう所が、本当に。あ、なんか、顔が熱くなってきた。
「何、ひぇって」
そう言って彼がけらけら笑う。こうやって笑う彼を見れたのは久しぶりだ。良かった。
でも私で遊ばれるのは些か気に入らない。
「……温泉で人の体をジロジロ見るなって習いませんでした?」
「お前の体は見ていいんだよ。僕だけね。あ、でもほら、顔、ちょっと赤くなったね?」
ああ!もう!!!
「あつい!!!出ましょう!」
「えぇ?もう?」
「はい!もうです!!!!そしてさっさと洗って、それで……」
しまった。
ついこれから彼と話をしようとしていることを口走りそうになってしまった。
頭のいい彼なら判ってしまっただろうか。
「……それで、どうするの?」
これは、駄目だ。確実に悟られている。
「……少し、お話したいことがあります。部屋に戻ったら話しませんか?まだ7時程度ですし、売店でお菓子でも買って食べながら話したり」
無理に隠しても怪しまれるだけなので正直に話をしたいと言った。お菓子でも買って食べながら話そう、と言うことで雰囲気を柔らかくしたつもりだったが、どうやら逆効果だったようだ。彼の顔を引き攣らせてしまった。
何かまずいことを言っただろうか。
そう不安に思ったのが彼に伝わってしまったのか、乱歩さんはゆっくりと顔を笑顔に戻し、
「うん、いいよ。でもお菓子はいいや。夕食とったばっかりだし」
嗚呼、また、違和感。
彼は人に合わせて表情を作るような人じゃ無かった筈だ。それにお菓子を食べなくていいなんて言っているのは初めて聞いた気がする。否、それよりも夕食を取ったばかりだし、と言う言葉が不自然だ。本当にあの量で足りていたのか?
彼を見れば見る程、彼と話せば話す程、私が感じる違和感は増していった。
なんだか今の彼は、接しているとこっちが辛く切なくなる。
「よし!じゃあさっさと洗って、部屋に戻ろうか」
……どうして、私の機嫌を伺って無理に明るい声を出すんだろう。そんなこと、貴方がする必要ないのに。
「……はい 」
そうして何処か重い空気のまま、私達は身体を洗い始めた__。
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今回はここまで……誤字脱字等ありましたらすみません🙇♀️
変な所で切ったせいで一気に阿呆っぽくなってしまったような気がするのですが、あまり気にしないでください՞߹ - ߹՞
薄々勘づいている方もいらっしゃるかもしれませんが、今回の話はかなり暗いです。いつもは太宰が苦しんでいるのですが今回は……。
何度も言いますが次か次くらいには乱モブ♀︎要素が出てきます!!夢小説ではないです!!!ほんと、苦手な方が多いかもしれないのでできる限り言っていきますね、!乱モブ♀︎あります!!!
それではここまで見て下さりありがとうございました。また次の話で。
コメント
4件
乱歩さんが太宰さん以外の人と付き合うなんて想像するだけで臓器全部吐きそうだけど展開が気になってみてしまう!!
あれ…???、乱歩さんが乱歩さんじゃない…???(?) これからどうなるんでしょう…楽しみすぎます!所々消え入りそうになりながら見ます!(←ならさっさと消えろ)、今回も神作有難う御座います!