……………何処だろうとても綺麗な場所。いつも見てる世界も綺麗だけど綺麗ではない。だけど、此処は誰が見ても「綺麗だ」と絶対に思う場所。不思議な魅力があるこの世界はー
「き ょ う も よ ご れ て い る」
?…??何を…何を言っているんだ?此処はとても綺麗な場所だ。絶対に汚れてなんかいない。透けていて、何処までも続いていて、海の中にずっといるような息苦しさ…「息苦しさ?」…はははなんだ?先刻からおかしいぞ?この場所を汚れてるとか息苦しいだなんて感じたことはないよ……ないよね?あれ…あれ???ねぇ此処は何処?ねぇ僕は誰?ねぇ、ねぇねぇ、だれ?誰なんだよ、ねぇ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
「何時までそんなことしてるの?」
…は?
『…お前は誰だよ…僕の場所に入ってこないで…!!!!』
「ねぇ…君はそんなところにいて楽しいの?苦しくないの?…僕は其処に居たくないよ。苦しいし」
此処が苦しいところだって?そう云いたいのか?コイツは。本当に?
『…お前には関係ないだろ?僕が此処に居るのかは僕の勝手だ』
「残念ながら関係ある。関係あるからこの僕が君を此処から出そうとしている。」
『ッ!!お前には関係ない!!此処は!!ッ此処は僕の唯一の居場所だ!!』
「…そんな君にひとつ、この僕が教えてやろう。」
なにを、だ。こんな奴なんかに教わることなんてひとつも…一つもない。
「君は此処から出る。そして…そして素敵な仲間と出会う。」
『…?何……勝手なこと云って…!!』
そう云った途端にギュッ、と目の前にいる奴に抱き寄せられた。
『!?何をしっ…!!!』
「…ごめん。ごめんね。苦しかったよね。辛かったよね。でも君は…僕は此処から出ないといけない。確かに此処は素敵な場所だ。居心地も良かった。けど…けど出ないと…出てみんなにッ会わないと…!!」ポロポロ
此の言葉を聞いた瞬間。僕の中にあった何かが切れた。
『…何でなんでお前が泣くんだよ…ッうあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッッッ!!!!!!』ボロボロ
もう厭だ…こんな…こんな怪物しかいない世界にはもううんざりだ。
そう思った瞬間僕の視界が急にぐらつき始めた。一瞬驚いたが、何故か今までに感じたことのない安心感が僕の心に満たされた。そして僕はこう云ったー
『…みらいのぼくはわらえてる?たのしい?』
「……うんとってもね」
ー其の言葉が聞こえたあと直ぐに僕は光りに包まれていったー
「…………パチッ」
「乱歩さん!!!??乱歩さんが…乱歩さんが起きました!!!!!!!!!ッ社長!!与謝野さん!!」
此処は…探偵社の医務室か。起きれたってことはつまり、
「あの頃の僕がもう彼処に居る必要がなくなったって訳だ………」
…はははッ………名探偵の僕に、不可能なことは無いってことでいいよね…こうして救われたんだから。
コメント
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Wow...もしかして主人公は白黒の世界で生きてた幼き過去の乱歩さん...?え、凄く好きです!!語彙力、言い回し諸々ぶっ刺さりました!有難う御座います!(*^^*)