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ゆかボンド
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──────メテヲさん視点──────
次の日、お父様に呼び出された。もちろん、呼び出された理由は昨日の件についてだった。怒られるんだろうな、と身構えつつ、お父様の部屋───総司令室へと訪れた。
ドアをノックする前に深く息を吸い吐く。呼吸を整え、覚悟を決めてドアを数度ノックする。
「お父様。メテヲです。」
そう、ドア越しに声をかける。そうすると、短い言葉で
「入れ」
と、言われ、「失礼します」と返してメテヲはお父様の部屋へと足を踏み入れた。
入って、ドアをゆっくりと閉めながらお父様に1度お辞儀して、ゆっくりと部屋の中央にあるソファまで歩く。既にソファにどっしりと構えているお父様に目配せをすれば、座れ、というジェスチャーをされたので、もう一度深くお時期をしてから、ソファに腰をかける。
…沈黙が空気を重くして、メテヲの緊張を高めていく。なにか気を紛らわそうとしたが、そんなこと許さないと、お父様の圧に負けて結局は身を縮こませるしかなかった。
「…例の件だが。」
お父様は重苦しい口を開けて、その件について触れる。メテヲの肩は反射的にビクッと震える。何も言えぬまま固まってしまう。
「───よくやった。」
「…っえ?」
思わず声を漏らす。だって、今お父様がメテヲを褒めたのだ。「よくやった」って。メテヲ、自分の意思で他者を傷つけたというのに。なぜ、今、褒められたんだ?わけがわからず、褒められた理由を考えても何も思い浮かばず、ぐるぐると頭を回し続ける。けれど、お父様はそれを察してなのかは分からないが、訳を上機嫌に話してくれる。
「メテヲ、君も知っている通りイヴィジェル家で1番重視しているのは【力】だ。初めての戦いであの強さ…素晴らしい。君ならきっと次期当主になれるぞ。」
「え、次期当主はお兄様では…?」
お父様が語った内容に困惑する。だって、普通こういうものは年齢順で、1番上、つまり兄(?)であるガン兄が当主になるのが普通では?と思ったからだ。しかし、お父様は上機嫌なまま、その疑問に答えてくれる。
「ん?そんなことないぞ。そもそも、我々イヴィジェル家は【全てに公平と平等を】が家訓だろう?そんな家訓を抱えた我が家計で生まれた順に決まるなんてあまりにも不平等だ。我々に必要なのは力。なら、その力が最も強いものがこの席に座るのにふさわしい。」
そう言って、お父様は自信の座っている豪華なソファを数度手で叩く。いや、待って、そもそもの問題点はそこではない、ということを思い出し、メテヲがいちばん気になっていた点を尋ねる。
「メテヲは、執事さんに全治5ヶ月の怪我を負わせました。その処遇はないんですか…?」
メテヲがこの部屋に入ることを躊躇った理由。それはこの件に対してどれくらいの罰が与えられるかが怖かったからだ。怖い罰を想像して身構えていたのに、開けてみたら褒められてばかり、なんなら当主になれるかも、なんて言う冗談まで言われる始末だ。正直疑問しかない。お父様は、メテヲの真剣な眼差しに気づき、先程まで上機嫌に笑っていたのを真顔に変えて、真剣に取り合ってくれる。
「メテヲ。君は、そんな事しなくても己の行いを反省しているじゃないか。既に反省しているものに罰を与えるつもりはない。けど、どうしてもって言うなら…。執事の分の仕事を5ヶ月分代わりにやるんだ。もちろん、給料は執事の治療代になるがな。ま、やる必要は───」
「了解です。お父様。その罰、引受させていただきます。」
「は!?べ、別にやる必要なんてない!一人いなくなったところで仕事が回らなくなるほど人員にさほど困ってもいない。それに、あいつは働きすぎなんだ。この機会に家族との時間を過ごして欲しい。メテヲは、その才を伸ばすことを考えろ。それが罰だ。」
「…わかりました。」
どうやら、メテヲは罰を受ける必要がないらしい。なにか罪を犯したというのにその代わりの償いもできないなんて…。少しもやもやした気持ちを抱えつつ、お父様の部屋を後にする。
と、いうか今日のお父様普段にもまして上機嫌だった。多分お酒が入っているんだろうなぁ、なんて考えつつメテヲはそのまま次の予定───お茶会へ行くため、足早にそこを去ることにした。
イヴィジェル家の庭の一角。辺り1面にフルゲーレが咲き誇り、太陽とともに輝くその光景にはいつも感動させられる。その花畑の中央。そこには白い小さな宮殿みたいなのがあり、白いテーブルと白い椅子が置かれている。ここは、我が家でよくお茶会をする時に用いられるお茶会スポットだ。その中のひとつの椅子に座り、本を嗜んでいるのはメテヲの兄、ガンマスであった。花の美しさに負けず劣らずのその見目麗しい姿と風に揺られるその髪はまさに芸術だと言えるだろう。この感想は、別にメテヲが弟じゃなくても全生物が共通に考えることだろう、と思いつつ、ガン兄に声をかける。そうすると、ガン兄は外していた布をつけ直してから、メテヲの呼びかけににっこりと笑みを浮かべながら応じてくれる。
「あれ?メテヲ。思いの外来るのが早いね。お父様に呼び出されたって聞いたから、てっきりお説教コースかと思ってたよ。」
「いや、逆に褒められた…。ていうか、聞いてよガン兄!お父様がさ〜」
そういいながら、メテヲはさっきまでなんの話をしていたかを話す。
「…で、だからメテヲは執事さんに大怪我させたのにお咎めなしって…正直おかしいよねぇ?何かやらかしたら罰を与える。そうしないと公平じゃないよ。」
そう、メテヲが言うとガン兄は驚いたように目を見開く。その態度にメテヲは少しムッとする。なんか、馬鹿にされた気がする。
「…何?メテヲ、そんなにおかしいこと言ったー?」
メテヲが頬をふくらませて、最大限怒っていることをアピールするが、ガン兄に笑われてしまい、メテヲはさらに不機嫌になる。こっちは真面目に悩んでいるのに、こんなにバカにされるなんて。その怒りの気持ちを抑え込むために、乱暴に近くにあるお茶をすする。ガン兄はしばらく笑った後、ようやく笑うのを辞めて、ガン兄なりの意見を話してくれる。
「いや、ふふっ。お父様にそこまで言わさせるなんてすごいなって。そうだね、メテヲは執事さんを怪我させたあと、何をしてたの?」
「え、そりゃどうしてこうなっちゃったんだろう、どうすればよかったのかって考えてたけど…。」
メテヲが戸惑いつつもそういえば、ガン兄はそのまま話し続ける。まるで諭すかのような話し方。それでいて、自らがどうして間違えているか、そう自分で問題を解決させる話し方。本当に、ガン兄は話し上手だ。
「そういいながら、メテヲは自分で自分を責めてるでしょ?それも1種の罰だと思うけど。」
「それは…ちょっと違う気がする。自分で自分に罰を与えるのは甘すぎると思うよ。」
「そうかな?メテヲに関していえば、その自己批判はやり過ぎな気がするよ。自分に自分で罰を与えると、過剰になるか過小になってしまう。メテヲは過剰なんだよ。」
そういいながらガン兄はお茶を1口飲み込む。一方メテヲは、茶菓子を頬張りながら、ガン兄の真意を探る。
「んん?えぇ、なんで?」
「そもそも、メテヲには執事さんを傷つけるつもり無かったんだ。それは、仕方のない事故とも言える。防ぎようがなかった。それを、罰を与えられることで無かったことにするのもおかしな話じゃない?」
「ガン兄が何を言いたいか分からないよ…。」
話をしっかりと聞いていたつもりだったが、つまりガン兄が何を言いたいのかが分からない。1番大事な話の核が掴めずにいた。
「はは。そんなに急かさないで。これは、メテヲの本質に関わるものだから。」
「メテヲの…本質?」
尚更、よく分からない。話がどんどん深くなっていく気がする。使わない予定だった脳を起動させ、話を聞くことに徹することにした。
ここで切ります!これ以上やると4000字超えそうなので切りますねー。やっぱりガンマスさんは頭いいんだよなぁ。あとかっこいい(?)
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ちょっとした豆知識
ちなみにですが天使とか悪魔に性別はないです。もちろん、ガンマスさんやメテヲさんたち天使と悪魔のハーフにもないですね。なので、メテヲさんがガンマスさんのことをガン兄って呼んでますが、ガン姉でもあるってことです(?)どちらかと言うと男性的な見た目をしてるからって理由でお兄ちゃんになってますが。ちなみにですが、イヴィジェル家の皆さんのことを天使と悪魔のハーフってよく言いますけど本質的にいえばこいつらは神に近いです。あくまでも立場的には神の使者なんで。ただ、見た目が天使と悪魔の両方に似ているのでハーフって呼ばれがち。
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まあまあ設定出せてよかったかなー。ここら辺の設定は本編で触れられなさそうだったんでここに書いておきます。
それでは!おつはる!