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ゆかボンド
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──────メテヲさん視点──────
「で、実際メテヲの本質って何?」
脳のやる気スイッチを押して、メテヲは改めてガン兄に向きなおる。既に布に覆われた瞳がどこを見ているかは分からない。でも、メテヲにはメテヲの奥深く───メテヲという存在の芯を見ているように感じた。
「常々感じてはいたけれど、メテヲは反省の仕方が1パターンで、それは自分に罰を与える、ということしかない。」
「?反省ってそういうもんじゃない?」
ガン兄の言葉に矛盾、というか受け入れ難い何かを感じてメテヲは自身の論理について饒舌に語り始める。
「何か、自分が悪いことをしたら、他者から叱られる、罰を与えられる。下界だってそうだし、天界でも、神界でもそうだじゃん。」
メテヲがそう言って、ガン兄は首を横に振る。
「違うよ。反省の仕方はまだまだある。例えば、『謝る』、『償う』、『代わりのことをする、ものをあげる』とかも反省の一つだね。」
…どうにもそれが屁理屈のように感じる。だって、それらの方法は別に自分が反省してなくてもできてしまうことだし。その行為だけでは反省にならない。罰を与えることで、メテヲたちは反省して、心を悔い改めるのだ。そう、メテヲが考えたのを見透かしたかのようにガン兄は続ける。
「罰を与えてしまえば、それは罰を恐れているだけで、その行為を反省したとは言い難い。本質が異なっているんだよ。それに…」
ガン兄は1度言葉を溜める。
「執事さんが君への罰を望んでいない。被害者が加害者を許して欲しい、と言っているのだからこの件はこれで終わりでいいんじゃないかな?」
「え?…いや、待ってよ。執事さんの奥さんは?お見舞いした時、すっごい悲しそうな顔をしてたよ。その家族は望んでるでしょ…!!」
メテヲは言葉の勢いのまま、椅子を蹴りながら勢いよく立ち上がる。ダラダラと汗が流れ出て止まらない。自分でも、気持ちが乱れていることはわかるけど、理解はできなかった。メテヲは、何を焦っているのだろうか。
「…奥さんも、メテヲへの罰は望まなかったよ。メテヲ、君は自分自身に対して厳しすぎる。もっと、自分に甘くていいんだよ。」
「うるさい…。うるさいうるさいうるさい…っ!!」
メテヲは感情のままに叫び出す。自分でも止められない感情の波がメテヲの理性を呑み込んでいく。溢れ出したら、もう止まることはできない。
「何かをやらかしてしまったものにはそれ相応の罰が必要なんだ!!例外なんてものはあってはならないんだよ!!事故だろうとなんだろうと、メテヲが誰かを傷つけたということには変わりない!!……みんな、平等であるべきなんだよ…。」
最初は怒りに任せた叫び声だったのに、最後には掠れた声になってしまう。いつぶりだろうか、こんなにも叫んだのは。いつぶりだろうか?こんなにも感情のままに行動したのは。
はっと我に返ってガン兄を見る。もしかしたら、こんなメテヲに失望したかもしれない。嫌われちゃったかもしれない。
けど、それくらいの事をメテヲはしてしまったのだ。これが、”罰”なのだろうか。メテヲは身を強ばらせながらちらりとガン兄を見る。
ガン兄は驚くほど冷静で、お茶を飲む余裕すらあった。そんな、何も変わらない兄の様子に思わずぽかんと、開いた口が塞がらなかった。
ガン兄はゆっくりと口を開く。
「…メテヲ。いつからだろうね。自由に感情を出せなくなってしまったのは。いつからか、私たちは子供であることを禁止させられて、物心がつく前から勉学に励んで、大人の顔色を伺ってきた。…そのせいで、メテヲは感情を内側にしまう癖がついてしまったんだね。」
そういいながら、ガン兄は手元にあるティーカップに目を向ける仕草をする。それが、まるでメテヲを突き放すかのように見えて、メテヲは言葉を詰まらせる。
「…っち、ちが…!!別に…、そんなんじゃ」
「社交界とか、お茶会とか、ダンスパーティーとかでわかっちゃったんだよね。自分が、ほかよりも優遇されてるってことを。でも、何か悪い事をした時だけは他のみんなと同じことをされた。…だから、そんなにも罰に固執しているのかな?だって、メテヲは周りよりも優遇されているから。少しでも他のみんなと近づくために。平等にするために。」
「…そんな…、つもりなんて、ない。た、ただ。そうしないと、よくない、から。」
自分でも、あやふやな答えだなって思う。けど、それ以上の言葉なんて見つからなくて、軽いパニックを起こしていた。
そうすると、ガン兄は話の原点へと戻り、総括を始める。
「本来、罰を与える理由としては犯した者に反省を促すためだ。けれど、メテヲは罰なんかなくても自分を責めるし、反省する。」
「そりゃ、悪いことしたなら当然で…。」
「でも、自分を大切にしないよね。」
「っ!?!?」
ガン兄の言葉に胸を打たれたかのような衝撃を受ける。『自分自身を大切にしない』そんな発想、メテヲには出てこなかったからだ。
「で、でも言い換えれば誰にでも平等って…」
「ならないでしょ。実際、メテヲは私とかぐさおに甘すぎるしチョロイ。それに…自分すら大事にできなかったから大切な人も大事にできないんだから。」
「それは暴論でしょ!メテヲはちゃんと大事にできてるし…っ!」
「…へぇ?でも、自分を大切にできないと、心の余裕がなくなっちゃうよ?ほら、今すっごい焦ってて余裕ないし、さっき私に感情的に怒ってたし…。私の事、大事じゃなかった?」
そう、首を傾げながら尋ねられる。…言い返せない。ガン兄の言うこと全てが納得のいく正論ばかりで、メテヲの間違いを認めざるをえない。わかってる、実際メテヲには今、余裕なんてものはない。なんでかっていう理由は分からないけど、ガン兄の言うことが確かであればメテヲは自分を大切にしていないかららしい。けど、そう言われたって。
「…自分を大切にってどうすればいいの…?」
そう、ぽろっと本音が漏れてしまう。そのことにあとから気づいて、やべっと思い、何とか誤魔化す方法を考えていたが、ガン兄はそのままニヤリと、邪悪な笑みを浮かべる。
「ふっふっふっ。そんな困りんぼさんのメテヲのために!私が直々に教えてあげよう!題して!メテヲを褒めようの会!」
「…は?」
先程まで真面目な雰囲気を醸し出していたガン兄ガン突然陽気な声でそんなことを言うもんだから、割とガチトーンでは?と言ってしまう。いや、こんな状況になったら誰でも言ってしまうだろう、と心の中で共感を求める。
その後、メテヲを褒めようの会は数時間に渡って行われ、途中参戦のぐさおやお父様お母様も加わり、メテヲは大層恥ずかしい思いをしたらしい。
ここで切りまーす!はーいみなさん!お久しぶりです可愛い椎名ちゃんだよー!とうとう!ここも乗っ取れるようになっちゃいました!ここを乗っ取るのは本編以来?かな〜?まあまあ!そういう細かいことはどうでもいいよね!
いやーこのルートのメテヲさんにはだいぶ手こずったよな…。…まあ、メテヲさんがいなければもっと物語は円滑に進んだんだけどね…。ま、そんな恨み言は言いませんとも!今Tルートがいい感じなんでね…。あ、なんか私の話ばっかりしちゃった。まあまあ、たまには息抜きも必要、ということで。
それじゃ!おつしいな〜!