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夜、自室の机に向かって就職に向けた資料を広げていた悠真は、ふと手を止めた。
窓の外には白い雪。静かな夜に、咲の笑顔が浮かぶ。
(……もうすぐ卒業式か)
小さい頃から「妹ちゃん」と呼んできた存在が、いつの間にかこんなにも大切な人になっていた。
あの日、勇気を出して抱きしめた自分を思い出すたび、胸が熱くなる。
「……絶対、行くから」
小さく呟いた声は、誰に向けたものでもない。けれど、はっきりと心に刻まれた決意だった。
卒業式の日、彼女の隣に立つために――。