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ゼーリエが研究所に籠り、フリーレンが広場で昼寝を始めて数時間。
「……暇ですね」
「……そうだな」
フェルンとシュタルクは、あまりに平和で活気あふれるテンペストのメインストリートに放り出されていた。
「シュタルク様、リムル様に『これでおいしい物でも食べてきなさい』と渡された紙……いえ、お札があるのですが」
「あぁ、この街の通貨だろ? せっかくだし、なんか食べようぜ。……あ、あれ美味そうじゃないか?」
シュタルクが指差したのは、オークたちが焼いている**「超特大・魔獣肉の串焼き」**だった。
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「熱い……でも、信じられないくらい美味しいです。シュタルク様、これ、お肉が口の中で溶けます」
「本当だ! 故郷の村でも食べたことないぞ、こんなの!」
普段はクールなフェルンも、テンペストの美食には抗えない。
二人は次に、ゴブリンの女の子たちが売っている**「シュナ特製・フルーツパフェ」**の屋台に並んだ。
「フェルン、口の横にクリームついてるぞ」
「……っ! 見ないでください、シュタルク様。……えい」
フェルンは真っ赤になりながら、自分のスプーンにパフェを掬い、シュタルクの口に無理やり押し込んだ。
「お、おい! 鼻に入った……けど、甘くてうまいな……」
その様子を、物陰からリムルとベニマルがこっそり見守っていた。
「いいなぁ、青春だなぁ」
「リムル様、趣味が悪いですよ……(と言いつつ、しっかり見ている)」
~~~~~~~~
お腹がいっぱいになった二人は、次に衣料品店へ。そこではシュナがニコニコしながら二人を待ち構えていた。
「あら、素敵なカップルですね! よろしければ、この異世界の最新ファッション、試着してみませんか?」
着せ替え人形状態にされるフェルン。
カーテンが開くと、そこには普段の黒いローブではなく、淡いピンク色の可愛らしいワンピースを着たフェルンが立っていた。
「………………」
シュタルクが言葉を失い、顔を真っ赤にして固まる。
「……変ですか、シュタルク様」
「い、いや! 似合ってる! すごく……綺麗だ……」
「……バカ」
フェルンはぷいっと顔を背けたが、その耳まで真っ赤だった。
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夕方。オレンジ色に染まる公園のベンチで、二人は並んで座っていた。
「……シュタルク様。この街は、不思議ですね。魔物と人間が笑い合って、誰も死ぬことを考えていない」
「ああ。フリーレン様が言っていた『平和な時代』って、こういうことなのかもな」
フェルンは、シュタルクの肩にそっと頭を乗せた。
「……私たちの旅も、いつかこんな風に終わるのでしょうか」
「終わらせるもんか。これからもずっと、俺が守ってやるよ」
良い雰囲気になった瞬間、遠くの研究所から**「ドカーーン!!」**という爆発音と、ゼーリエの「成功だぁぁ!」という叫び声が響いた。
「「………………」」
二人は顔を見合わせ、同時にふっと笑い出した。
魔王の国でのデートは、二人にとって忘れられない「甘い休日」になったようだ。