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「光平、ちょっとこっち手伝って」
「了解。亜美、今日はさ、外に何か食べにいかない?」
「うん、いいよ~」
「何食べたい?」
「そうだな~パスタとか? あっ、ピザもハンバーグもいいかも~」
「おっし、それ全部食べよう!」
「やだ光平、いくらなんでもそんなに食べれないでしょ?」
日曜日、俺のマンションの部屋に2人の笑い声が響く。
俺は今、亜美と一緒に暮らす準備をしてる。
1年付き合った彼女と上手くいかずに別れてしまった後、地元の中学校で先生をしながら、何となく毎日を過ごしていた。
そんなある日、亜美から連絡が入った。
就職した先の会社の社長と結婚したって聞いてたから、連絡するのは止めてたけど……
学生時代、ずっと片想いしてた亜美からの電話に正直驚いた。
でも……やっぱり、すごく嬉しかった。
『ごめん、光平、突然電話して』
『そんなのいいよ。どうした?』
亜美は、旦那のモラハラに苦しんでいること、浮気も心配してること、泣きながら全部話してくれた。
俺はいろいろ親身に話を聞いて、結局、すぐに旦那の浮気を突き止めた。
そいつは、最低最悪な男だった。
だから、躊躇することなく亜美に離婚を勧め「こいつを守りたい」と……心から思った。
希良のことを思い続ける亜美のこと、俺はずっと好きだった。
希良は最高に良い奴だから、亜美を泣かせても嫌いにはなれなかった。
キレイに諦めたつもりだったのに……
旦那のことで泣く亜美を見て、放っておくことなんてできるわけなかった。
今日、俺のマンションに亜美が引越してきた。
行くところがない亜美を誘ったら「光平と一緒にいたい」って、そう言ってくれたんだ。
旦那と離婚して、独り身の亜美。
寂しくて弱った心につけ込むみたいでズルいのかも知れないけど……
それでも俺は、こいつのこと、もう絶対に泣かせたくない。
今夜、亜美に告白しようと思う。
そして……
いつかは必ずプロポーズして、俺の奥さんにする。
希良、俺も……
今度こそ幸せになるから。