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梵天ととある女の子の話
名前は🌸。彼女は日本最大の犯罪組織である”梵天”の巣窟にいる。その経緯は何年も前に遡る。しかしその話はまた今度。今は彼女と彼らの”今”の話をしよう。
ここに住み着いていったいどのくらい経っただろうか。毎日毎日同じことの繰り返し。とっくに昼夜逆転している。ただそれは私だけのせいではない。彼らの活動時間のせいもあるからしょうがないことなのだ。あぁ、彼らが帰ってきた。ここからが1日の始まりだ。
荒々しい声と生々しい血の匂い。きっと一仕事おえてきたのだろう。
「よぉ、腹減ってるか」
食欲なんてここにきてからとっくになくなった。毎日少しずつ違う血の匂いを嗅いでいたからきっとおかしくなったのだろう。
「これ買ってきたから食っとけ」
そう言い残し彼はいなくなった。目の前にあるのは弁当と水。水を一口飲む。弁当の蓋を開け、どれを食べようか考える。食べたいものなんてない。とりあえず煮物らしいものを口に運ぶ。味などわからない。それを繰り返す。3分の1程食べたところで箸を置く。これだけ食べれたら充分だろう。
「🌸またこれだけしか食べてないのー?」
「お前そんなんじゃすぐくたばっちまうよ?」
この2人はいつも私をからかってくる。何が面白いのだろうか。
「ま、いいや。とりあえずこっち手伝って〜」
私の仕事。それは簡単な雑用だ。彼らの手伝いをするだけだ。頼まれたことをするだけ。何時間ぶりかに部屋の外に出るといつものように外は暗闇に包まれている。
「🌸〜。これヤク中に渡して〜」
三途「黙れブラコン💢」
三途春千夜。彼はここのNo.2だ。いつも誰かと言い合っている。ただ、誰よりもボスに忠誠を誓っている。三途は何気に1番私のことを面倒見てくれる人だ。ご飯を持ってきたのもこの人だ。
三途「んだこれ。灰谷テメェ報告書はちゃんと書けって何度言えばわかるんだよあ”ぁ?」
蘭「えーいつもよりちゃんと書いたはずなんだけどなぁ〜、なあ竜胆?」
竜胆 「兄ちゃんのいう通りだけど?ニヤ」
灰谷蘭と灰谷竜胆。2人は兄弟だ。三途とこの2人が1番言い合いをしている。彼らはここの幹部だ。そしてよく2人で仕事をしている。兄の方はいつも私はからかってくる。本人は可愛がってると言うがそうは思わない。弟の方はよく話すことが多い。ここの人たちの中で数少ない話し相手だ。ただ兄といるとすぐ悪ノリするのは見ていればわかる。
三途「とりあえずテメェらこれ書き直してこい💢」
蘭「えーめんどくさ。竜胆よろ〜」
竜胆「え、俺もやなんだけど…」
これがいつもの風景だ。
だが今日は一味違った。