恋　を　し　た　と　き　_

『 恋 を し た と き _ 』

私が恋をしたとき、

決まって、あの花とあの恋を思い出す。

綺麗な恋だった。

彼は、

「この花の花言葉は、『初恋』なんだって」

と、君は国語の授業のとき言っていたね。

あの時には私は君に堕ちていたんだろう。

貴方の気を引くために色んな事をしたね。

お酒はさすがにこの歳だから飲めないけど、

その花弁で香り付けされたお茶を飲んだな。

昔の中国の女の人達は、

その花弁が入ったお酒を飲んで

意中の人の気を引く為に使われてたんだって。

物凄くロマンチックだよね。

またあの花が咲く季節がやって来た。

空模様は入道雲から鰯雲へ変化して、

季節の移り変わりを教えてくれます。

君への恋は私の『初恋』です。

さぁ、もう一度貴方に逢いに行こう。

銀木犀の花束を持って___

FIN.