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これは、グロスの塊です。
※胸くそ系嫌いな人は、お控えください。
それでもいいっていう人は、見てね!( ゚∀゚)ノ
私は、スノードロップという花を胸いっぱいに抱え、病室に向かった。
絵里子「あーい!」
呼ばれた色白の顔が薔薇色に染まる。
藍「絵里子!!」
私達は、互いをしっかりと抱き締めあった。
藍「やっぱり来てくれた!!」
絵里子「もー!心配したよ~!!」
藍は、私のたった一人の親友。この前階段から落ちて入院中だ。
絵里子「聞いた時は心臓止まりそうだったよ~!!」
藍「ごめんごめん!ぼ~っとしてて~!」
藍は純白のスノードロップを愛おしそうに見つめた。
藍ははっとし、気まずそうにこちらを見た。
藍「でも‥絵里子の方こそ‥その‥大丈夫なの?」
絵里子「う‥ん」
今日は、○月△日◎曜日亡くなった親の命日だった。
私の両親は、一年焼死した。放火だった。
その時私は、弟の迎えにいっていた。
夜空に真っ赤な炎が燃え上がりながら、私達の家を包んでいた。
それ以来、私はバイトしながら高校に通った。
藍「今日はお見舞いありがとう!」
絵里子「うん!お大事に!」
私はその足でもうひとつの病院に向かった。
絵里子「こんにちは」
私は弟の額をそっと撫でた。
絵里子「弟の容態はどうですか?」
看護師A「はい‥心拍数は安定しています。」
看護師Aは気まずそうに献血をいれた。
弟は幾つもの石が頭に当たり、一年間も眠り続けている。
友達と遊びに行って、一時間のことだった。
絵里子「今後とも、弟をよろしくお願いします。」
お辞儀をし、私は病室を後にした。
私は息を切らしながらスノードロップを抱え、病室に向かった
絵里子「藍!!」
藍の顔は血の気が引きを震えた手で布団を握りしめている。
藍「絵‥里子?」
藍は今にも泣き出しそうになっていた。
藍「絵里子‥!!どうしよう‥!!お父さん達が‥お父さん達がぁ!!」
絵里子「大丈夫だから‥ね?」
私は藍の頭を優しく撫でた。
一週間前‥藍のお父さん達が交通事故にあって重症を負った。
絵里子「弟さんは無事でしょ!しっかりして!」
藍「絵里子ぉぉぉ!!」
藍の病室は、スノードロップで埋め尽くされていた。
藍「きれー‥‥‥」
絵里子「いよいよ来週退院だね!」
私は持ってきたスノードロップを花瓶に挿した。
絵里子「藍、はいプレゼント!」
藍「うわぁー‥‥!!」
私はクローバーのブーケを渡した。
藍「こんなに沢山‥!ありがとう! やっぱり持つべきものは親友だよね!!」
嬉しそうに笑う。
私はその様子がとても心地良かった。
とても心地良かった‥‥‥‥。
二日後-
藍が家を訪ねてきた。
絵里子「どうしたの?」
途端に藍がその場に泣き崩れた。
藍「ああああああああああああああああああああああああ!!」
絵里子「藍?!」
藍「弟が‥!!弟が‥!!弟がぁぁぁ!!頭‥に!!頭にいじがぁ!
石が当たって!!病院に運ばれたぁぁぁぁ!!」
絵里子「ぇぇぇぇぇぇ!!」
どうやら藍の弟が友達と遊びに行った時、落石が頭に当たったらしい。
藍「助けて‥!!絵里子!」
絵里子「大丈夫よ‥」
私は藍を抱き締めた。
今日は雨が降っている。
今日はシチューだ。
ことこと ことこと、
幸せの音がする。
今日は親の命日だ。
ことこと ことこと
幸せが壊れる音がする
弟の病院に向かった。
弟はすやすやと眠っている。
優しく頭を撫でた。
絵里子「もうすぐ‥終わるよ‥」
嗚咽を抑える。
絵里子「ホントに‥もうすぐだから‥」
その足で私は藍のいる病院に向かった。
絵里子「あーい!」
また私はスノードロップを花瓶に挿した
藍「ねぇ‥絵里子‥‥」
絵里子「なぁーに?」
藍は言いにくそうに、慎重に言った。
藍「その花‥どういう花言葉?」
私は動きを止め、微笑しながら藍の方を見つめる。
絵里子「どういう意味?」
藍「私‥調べたんだ‥?」
絵里子「‥‥‥‥‥」
藍「スノードロップの花言葉は‥‥」
絵里子「‥‥‥‥‥‥‥」
藍「ねぇ‥?どうして?」
絵里子「くふっ‥ふふふふ」
藍「えっ」
藍は口をポカンとしている。
絵里子「ふふっそうだよ?」
藍は目を潤ました。
藍「どうして‥?あたし達‥親友でしょ‥?」
私は腹を抱えて笑った。
絵里子「あはははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは!」
私は笑いが収まると、藍の髪を掴んだ。
藍「ひっ!!」
絵里子「どの口がイッテんの??ねぇ?」
私は藍の顔をツーっとなぞった。
絵里子「この顔で、い~っぱい媚売ったんだねぇ?」
愛おしそうにじっくり眺め、淡々と言う
絵里子「まずは、私の両親を事故にあわせた」
藍「!!」
絵里子「あんたの弟が私の弟を石で23回殴った」
藍「あ‥」
絵里子「私の家に13Lの灯油を撒き、△製のマッチをつけた」
藍「な‥んで‥‥?」
絵里子「私を階段から突き落とした。」
藍はカタカタ震えている。
私は隣に座り、藍を見つめた。
絵里子「何でそんなことしたの?」
藍は息を詰まらせながら叫びだした。
藍「あんたが‥っ!あんたがぁぁぁ!!あの人を奪うからぁぁぁ!!
あんたがぁぁぁぁぁぁ!!」
絵里子「あの人?」
私は、いたって可愛らしく首をかしげる。
藍「俊助さんよ!」
私は目を見開く。
俊助は私の幼なじみだ。そして一年前に告白されたが笑いながら断った。
藍は、俊助の事が好きだったのだ。
藍「私は、ずっとずっとずっとずーーーっと好きだったのに!
何であんたなんかに!!親友ってだけで!!」
藍は息を切らしながら睨んだ。
絵里子「そんなことで‥‥?」
藍「は?」
絵里子「そんなことで‥‥私の両親を殺し、弟を傷つけたの?」
藍は私の胸ぐらを掴み笑いながら言った
藍「私はずっとずっとずっと!!あんたが!!だいだい大嫌いだったのよ!
あたしの方が成績だって!友達だって上!!
なのに何で!!あんたが!!私の好きな人ばっかり!!何で!!」
私は壁に打ち付けられた。
頭から毒々しい液体が流れる。
そんなこと、どうでも良かった。もう‥どうでも良かった。
絵里子「ねぇ‥藍見て」
私はテレビの電源をつけた。
藍「えっ‥」
ある家が真っ赤な炎に包まれている姿がテレビに写し出されている
藍が足から崩れ落ちた。
藍「何で‥?私の‥?」
私は目を細め楽しそうに言った。
絵里子「キレーだねー‥藍の家‥」
私は藍の手を取り、ありったけの甘い笑みを浮かべる。
絵里子「藍さぁ~‥今日はなんの日かわかるぅー?」
藍「‥‥」
藍「‥絵里子の両親の‥命日‥?」
絵里子「せいかぁ~い!」
藍はポカンと口を開けている。
絵里子「私ね、ずっとずっと、準備してた。」
藍の顔から血の気が引いていく。
藍「あんた‥まさか‥」
私は笑いながら彼女に伝えた。
絵里子「あんたがしてきたことを!そっくりそのまま!同じ日に!
この一年!!やったんだよ?」
藍「‥‥‥‥‥‥‥」
カラカラに渇いた唇を動かし、うめくように呟いた。
藍「両親が事故に遭ったのも‥?」
絵里子「うん」
藍「弟が落石で怪我したのも‥?」
絵里子「うん」
藍「わたっ‥私が‥階段から落ちたのも‥?」
絵里子「うん」
藍「‥‥っ!そんなっ!そんなぁぁぁ!!」
藍は泣き崩れた。
私はそんな被害者ぶって泣いている藍の姿が心底吐き気をもようした
絵里子「もう飽きたわ、その反応」
私は病室を埋め付くしているスノードロップを花瓶から取り出し、
四つ葉のクローバーのブーケと一緒に藍の口に詰めた。
藍「はがぁ‥!?」
藍が苦しそうに呻いた。
絵里子「ねぇ‥藍?四つ葉のクローバーの花言葉って知ってる?」
藍「うぅ‥!」
絵里子「私はこの復讐の一年間が‥あんたと居る時で、一番楽しかったよ」
私は13Lの灯油を病室に撒いた。
藍「ふぐぅーーー!!」
絵里子「藍、わたし達」
絵里子「大丈夫だよ‥一緒に私も逝くから」
藍「うぅぅぅぅぅぅ!!」
私は△製のマッチを灯油につけた。
辺りが真っ赤な炎に包まれる。
藍の口の中の花に火が燃え移った。
藍「ヴがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
藍は私の腕の中で、もがいた。
何故だろう‥あんなに嫌いだった真っ赤な炎が、
夜の闇に映え、キラキラして、今はただただ美しかった。
絵里子「母さん‥父さん‥ごめんなさい‥」
炎が私を包み込む。
絵里子「バ‥イバイ‥私‥のたった一人の‥シンユウ‥」
私は両親を抱き締めた。
あぁ‥懐かしい‥この匂い‥温もり‥。
お父さん「行こう」
お母さん「手を繋ぐ?」
絵里子「もう~!恥ずかしいよ~!」
私はこのとき程‥幸せな時はなかったかも知れない。
看護師A「まさか‥お姉さんが‥放火するなんてね‥」
テレビを見ながらため息をつく。
弟「良いんだよ?」
小2の弟はシチューを頬張りながら答えた。
看護師A「何で?」
弟は手を止め、ニコニコ笑う
弟「お姉ちゃんが決めた結末だもん」
弟「お姉ちゃん、ずっとここ来てくれてたでしょ?」
看護師A「‥っ!?」
看護師A「気付いてたの‥?」
弟「うん」
看護師A「ならなんで‥?眠っているフリを?」
弟「だってお姉ちゃんの復讐劇に、僕は寝ている方が都合が良いんだもん」
茶目っ気たっぷりに笑う。
看護師Aは何も言えなかった。
読んでくれてありがとう!
長文でしかたが、楽しかったです。