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願の勢いは止まらず、僕たちに何個もの深い切り傷を付けた。対照的に願には傷一つない。すると先程起源化していた歌澄が目覚めて、起源解除症状が見られた。だが歌澄は今は朦朧状態。話せないし歩けない。そんな中ホシノが願に対して発砲をすると、願に命中した。命中したものの、願の照準もこちらに向いた。願はホシノに飛びかかり、ホシノは散弾銃で攻撃を受け流した。シロコがその間にライフルを乱射し、願を削る作戦に出た。でもその作戦が成功しようとしたのも束の間、散弾銃は真っ二つに切られ、ホシノが切られる寸前、緋彗が願とホシノの間に瞬間で入り、願の爪が思いっきり緋彗の腹に食い込んだ。ホシノの顔に血が滴り、付近は血飛沫が舞った。僕は願を引き剥がし、大人の全身全霊の力で拘束した。火事場の馬鹿力というのだろうか。いつも以上に力が入りやすく、願も抵抗はしたが僕の火事場の馬鹿力のようなものには到底及ばず、唸るだけで攻撃はしてこなかった。ていうか、させなかった。そしてホシノは緋彗に寄り添っていて、腹に包帯を巻いていた。すると僕の肩を少し叩かれたので振り返ると、そこには歌澄がいた。「もう大丈夫。ありがとう。あとは僕に任せて。」そういうと願と額を合わせた。「大丈夫。願、君はよく頑張ったよ。僕たちはずっと見てたよ。大丈夫だよ。」そういうと願は先程まで鋭かった目付きが段々和らいできて、呼吸ももとに戻ろうとしていた。「いつだって、頑張って来たんだよね。お疲れ様。もう大丈夫だよ。」願の目には涙が溜まっていて、力が抜けていった。歌澄は願を優しく撫でた。緋彗は願に覚束無い足取りで近づいた。願はその姿を見ると、起き上がってホシノとシロコ、そして僕の姿も見た。傷まみれの仲間達を見て、酷く後悔したのだろう。顔を隠して、丸まってしまった。
他にも起源化を起こしてる人は居るはずだ。その人達を探して僕たちは鎮圧しないといけないんだ。そう考えて、観察紙と睨めっこをしていると、ホシノとシロコが一斉に「危ない!」と叫んだ。