テラーノベル
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「ありがとう、のあちゃん」
私はカプセルの前にしゃがんだ。
リンの小さな手にそっと触れ、目を閉じる。
「リン……聞こえる? 起きて。
あなたがいないと、この世界、もう持たないよ。
ミルも……すごく心配してるんだよ」
その瞬間——
ドクンッ!!!
床が揺れ、空気が波打つ。
塔の鼓動が一気に跳ね上がった。
「な、なに!?」
「苦塊が……来た!」
ミルの声が震える。
白い部屋の外から、真っ黒な煙のようなものが扉を押しつぶしながら迫ってきた。
甘さが一切ない、重くて冷たい気配。
「のあちゃん、リンを起こして! 今しかない!」
「リン!! 聞こえる!? 起きて、お願い!!」
黒い影が部屋に入りこみ、私たちの足元まで迫る。
リンのまつげが、ほんの少しだけ震えた。
「リン! 帰ってきて!!」
次の瞬間――
リンの瞳がゆっくり開いた。
「……だれ……?」
そして、黒い影が一斉に震えた。
目覚めた“鍵”に気づいたかのように。
コメント
1件
今回も楽しいお話ありがとうございました!!のあさんも2人も凄い…!!続き楽しみにしてます!頑張ってください!!