「てか、なんで萩原がここ知ってんの?」
このお店、少し前にちょっと話題になっていたところだ。テレビやネットでいくつか取り上げられていた。若い女子に人気なお店だし、それに萩原はそういうのには疎いと思っていた。
「昨日調べたら出てきて『女子高生に人気』って書いてた」
「、、女子に人気って知って、、ここ選んだの?」
「文句あんの」
「いや違う違う、違う」
口角がどうしても上がってしまって仕方ない。萩原の優しさがおかしくて、嬉しくて仕方ない。
「気に入らねえなら俺だけ食うけど」
そう言って萩原はテーブルにある呼び出しベルを押そうとしたので私は慌てて止めた。
「おいし〜〜〜」
私はカルボナーラで萩原はチーズドリアを頼んだ。やはり話題なだけあって、味も見た目も素晴らしすぎる。
「萩原は?どう?」
「うん、美味い」
「ほぇ〜〜〜っ、、おいしそう、、」
料理が美味しすぎて、なぜかいつもの由依と一緒にいる時みたいな感じで振る舞ってしまった。
「、、一口な」
「、、、えっ?」
「何、欲しいってことじゃねえの」
「いやごめん、由依が私が料理見てたらいつもくれるからなんか同じことしちゃった」
「あそう、貪欲なんだな」
萩原はそう言いながらも、料理をこっちに寄せてくれた。
「まじ!?やったありがと!」
「熱いぞ」
勢いよく食べようとする私に萩原がすぐさま言った。
「うま〜〜〜っ」
「、、そうですか」
デート、始まったばかりなのにもう既に心がいっぱいだ。
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!