忘れたくない。

俺は重い足を引きずるように階段からおりる。

罪悪感はもちろん感じている。

今の俺に正常な判断を下す脳はない。

おかしいなんて自分がいちばん分かってるよ。

紫 ……

水 なにその鞄、旅行でも行くの.ᐣ

純粋そうに聞いてくるこさめに申し訳なさが込み上げる。

紫 …ちょっと、な。

桃 そんなわけないでしょ、こんな時に.ᐣ

紫 仕方がないんだよ。

桃 なにが….ᐣ

紫 世の中知らなくていい事の方が多かったりするからさ。

水 なにいってんの.ᐣ

紫 俺のことは忘れてくれ、

桃 ちょっと待ってよ、そんなのおかしくない.ᐣ

紫 俺が悪いんだ

水 はぁっ.ᐣ

紫 みこと。

黄 …はいっ.ᐣ

紫 じゃあな ﾆｺ

黄 …さよう、なら.ᐣ

水 待ってよいるまくん.ᐟ.ᐟどこに行くの.ᐣ

ﾄｺﾄｺﾄｺ

桃 いるま.ᐟ

水 行かないでｯ行かないでよ.ᐟ

ｶﾞｼ

紫 触んなよっ

桃 どうしちゃったの.ᐣねぇｯ、みことのこと.ᐣ

紫 すちかなつに聞けば分かる、だから離れろ。

桃 離したくないｯ、離したらもう会えない気がするからっ

水 出ないでｯ、

紫 しつけーんだよｯ 離せｯ

桃 やだっ

水 じゃあななんて言わないでよ.ᐟ

紫 “またね”なんて言わないｯ、俺がお前らに”またね”なんて言える立場じゃないからっ

水 もうどうでもいいからｯ とりあえず行かないで.ᐟ.ᐟ

桃 説明無しに出てくとか許さないからｯ

紫 2人に聞けって.ᐟ.ᐟ

桃 自分の口からはなしてよぉｯ

紫 …ｯ黙れ.ᐟ.ᐟ

水 ｯ…

紫 もういいだろ、芝居は終わりだ……

桃 …

紫 出てくに変わりはない、あと追いかけるとか警察とかだるいことすんなよ…

ﾊﾟｯ (腕を離す)

ｶﾞﾁｬﾝｯ

桃 ぁ…

水 ……

ﾊﾞﾀﾊﾞﾀﾊﾞﾀ

緑 いるまちゃんはｯ.ᐣ

水 出てっちゃったっ…

緑 ｯ

水 こさめたちｯ、止めれなかった… 説得できなかったｯ……

緑 こさめちゃんたちは悪くないからっ、

赤 どうせ戻ってくるっ、行く先もないだろーし……

水 そうだよね…

緑 らんらんも大丈夫だよ、

桃 ｺｸｯ

水 みこちゃんは大丈夫.ᐣ

黄 大丈夫…です、

水 そっか、

桃 今日はもう寝よう、夜遅いし

赤 …だな

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その日からいるまが帰ってくることはなかった。

みことは自分の名前、性格などもすべて忘れてしまった。

もちろん俺らのことも。

何度教えても明日には消えている。

知らない人が家にいるのがしんどいのかみことも少しずつおかしくなり始めた。

---

黄 誰ｯ.ᐣ

赤 えっと……

黄 早く出てってよ.ᐟ.ᐟ俺の家なのにｯ.ᐟ.ᐟ

赤 その、俺らは共同生活してるんだよっ.ᐟ.ᐟ

黄 嘘だね、そんなことしてない.ᐟ.ᐟさてはドロボウ….ᐣ

緑 警察とか呼ばないでね.ᐣ.ᐣ

赤 おいおい辞めてくれよ、

黄 どっか行ってよぉ.ᐟ.ᐟ

水 ごめん、ごめんね…

赤 これさ……

俺たち、出てった方がいいんかな…….ᐣ

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