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「おお、これがランタンですか。結構大きいですね」
「二人分も書けるはず、半分こだね」
いざ筆を取ってみたものの、どれを書こうか?
台湾と平和に暮らすには、まずは戦争の終結からだ。でも、二人で来れたお祭りでそれを書くのは野暮ったい。
「もう書き終わったよ。って、まだ考えてたの? そんなに考えなくていいでしょ」
「ひとつに絞るとなると、なかなか……ちなみに、台湾は何にしたんですか?」
「僕はね、僕と日本の無病息災! 健康じゃないと、どうにもこうにも行かないし」
「おお、素敵ですね」
「でしょー?」
最近少なくなっていた台湾の無邪気な笑顔を見て、願い事がやっと決まった。
台湾に何か悪い事があったとしても、最終的には幸せなままでいて欲しい。
その隣に私がいなくたって、構わないから。
「やっと思いついたんだね、なんて書いたの?」
「貴方がずっと幸せで居れますように、って書きました」
花火も終わって真っ暗な空に、所々光が飛び初める。自分達もそろそろ点火しよう。
「僕ね、日本といる時が一番幸せなんだ」
「そ、そうですか?」
「だから、日本がもっと元気になったら、沢山デートしようね!」
「はい! こちらこそ、お願いします」
「あはは、かしこまり過ぎだよ」
台湾なら一人で幸せで居られると思ってるのも、私よりも似合う人がいると思っているのも、台湾には言わない。
台湾ならきっと否定してくれる。
それだけの愛されている自覚があるのに、勝手にネガティブな思考に陥っている自分が悪いのだ。
今は健全に愛せる自信はない。それでもいつか、二人で笑い合える日を望んでいる。