あなたの存在が好きだった。
その桃色に揺る髪だったり、
甘く私を褒めてくれる、
その迦陵頻伽も。
あなたが微笑してこちらを見て
初めて稼働したかのように、
私の心臓はバクバクバク、と
動き出し始めていた。
ふわり、と大きなスカートが
動いて私に駆けてくるたび、
とてつもない幸せが、いつも私を
襲っていた。
あなたの存在は、
もはや神格化されていたに
等しかったのかもしれない。
でも、違う、
彼女は神じゃない。
目を細めて、私の体に覆いかぶさって、
抱きしめてきて、私の心を
コントロールしているかのように、
また笑顔を見せて、
私をうっとり見つめる。
そうやって、私の心を掻き回すあなたは、
悪魔に近しいのかもしれない。
コメント
2件
好き好きる小説の書き方とかほんとに