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「…これは…!」
その穴を覗き込んだ時、目に飛び込んできたのは
「中也の…帽子…」
そう、ここには何時も中也が着けている黒色のハット帽が埋まっていたのだ。
「 ネ ェ 、 驚 イ て く れ タ ?」
「!!」
後ろから唐突に声をかけられ、驚いて咄嗟に戦闘の態勢をとってしまった。
後ろにいたのは、あの時の少女
…ではない、何方かと云えば彼女は姉の方に似ている気がする。まぁ、あの姉妹と関係のある人物なのだろう。
「 ネ ェ 、 キ い テ ル ん だ ケ ド ! ! 」
彼女が怒り出す。…私の予想は外れた。彼女は先程殺した少女だ。一度蘇ったんだ、二度三度蘇ろうが何ら不思議なことではない。でも何故…ここ迄内面に異変が…
「太宰さん、一旦戻ってナオミ達を避難させましょう」
谷崎君の言葉で、考え込んでいた我が帰ってくる。
「そうだね」
私が出せる精一杯の落ち着いた声を出す。
…私は、彼女達を倒すことなんて、できないのかもしれない…。
ナオミさん達を避難させ狂った少女の元へ戻る。
「 ア ァ 、 や っ ト き て く れ タ ! 」
「あぁ、君が暴れたらここが危ないからね」
中也と出会ったこの場所を…壊させるわけにはいかない。
「 フ ー ん 、 あ の 子 の 為 ? 」
少女はそう云い、帽子が埋めてあった場所を指差す。
「 … いや、私の為だよ」
「 ふ ー ん ? 」
「…谷崎君、彼女と話がしたいから少し離れていてくれないかな?」
「え?でも危険じゃ…」
「大丈夫、私を信じて」
「…はい、でも危険な音がしたら直ぐに来ますからね!!!」
「あぁ」
谷崎君が素直で助かった。
「…さて、君に聞きたいことがあるのだが…少しいいかな?」
「 … 仕 方 ナ い な ァ 、ぼ ク に 答 え ら れ ル 質 問 だ け だ ヨ ? 」
「あぁ、もちろん」
「…読心が異能ではなかったのかい?」
「 ウ ん 、 読 心 は 異 能 じ ゃ な ク て 一 生 懸 命 が ん ば っ テ 、 覚 え た た だ の 技 術 ダ よ ! 」
「そうなんだね。では、君の異能は何か教えてくれないかい?」
「 … お 姉 ち ゃ ん に 話 シ ち ャ だ め だ っ て 言 わ れ た 。 だ か ら ヒ ン ト あ げ る ! 」
「ヒントか…..わかった」
「 う ん ! あ ノ ね 、 僕 と お 姉 ち ゃ ん は 2 人 で 1 つ な ん だ ! 片 方 に 何 か あ っ て も も う 片 方 が 無 事 な ら い い の !」
…“2人共生存している時は同時には現れない” ”不完全な蘇り” ”実の姉妹”
そして…“片方が無事ならいい”
“彼女”の異能はもしや…