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この作品には以下の成分が含まれていますケーキバース
まど誠
第三者による監禁
拙い文章
が含まれます、地雷の方はさようなら、それでも良いよって方は見ていってください
冷えた床とナイフ、柱につながれた冷たい足枷、ドアを開けるのも出来ぬような距離しか移動ができない見知らぬ部屋。
そんな所にオレは幼馴染である恵美と何者かによって閉じ込められてしまった。こんな状況だというのに恵美はまだ目覚める気配もなくスヤスヤと寝ている、ここ最近は事件が続いていた為ゆっくり寝かせてやりたい気持ちもあるがこの状況だし起こさないわけにはいかない。
「 起きろ、恵美 」
いつもの声量を出したら体力をかなり消耗してしまうから、もし何も食料が運ばれてこなかった時の為に声量を控えめにして恵美を起こそうとするが一向に起きる気配がしない。
「 …オレも寝るか 」
この状況だと寝て体力を使うのを避けるのが一番だろう、そう判断したオレはとりあえずもう一度眠ることにした。銀色に光るナイフを隠して。
「 ……い……いち………誠一、起きて 」
「 え…み………? 」
聞きなれた声で目を覚ます、いつもと立場が違うななんて呑気に考えていたが眠気がどんどんなくなっているにつれ現在の状況を思い出し、打開策を考えようと必死に考える。
花や日常生活についての知識くらいしかないオレにはこの状況を突破するようなことなんて考えつかなかったが。
「 これ、誰かに閉じ込められてるみたいやな…いったい誰がどんな目的で… 」
「 わからない、この部屋にはモニターもないし直接会うにしても僕に姿を見られたら記憶に潜られてだれか当てられたりしたら計画も崩れるだろうし 」
「 そうよな………目的がわからんやつが一番怖いわ…………犯人はアンチネストの奴らで序列の高いオレらを…って可能性もありそうやけどそれからやったとしたら健三がいないのが不自然や、健三がこんなことをするとも考えられんし…… 」
そんなことを話しているとがしゃんと大きな音がして思わず体をビクッとさせる、音のした方を見ると二本のペットボトルが給食等専用のエレベーターのようなものに乗せられていた、幸い鎖が届く距離だったのでそのペットボトルを手に取るとどうやら中身は水のようでいつもスーパーで見かける600mlの天然水のパッケージだ。
「 ……毒かもしれんかもやけど一回飲んでみるわ 」
ここで恵美が毒を飲み苦しむよりも自分が飲んだほうがいいだろうと判断したオレはオレを止めようとする恵美の声を無視してペットボトルの水を少し飲んだ。
「 これで安全な水やってわかったらきちんと恵美にも飲ませたるさかい、もう少し待っとってくれや 」
「 僕は水がたくさん飲みたい訳じゃなくて誠一に何か起こらないか心配で…… 」
「 大丈夫や、オレが結構頑丈なのは恵美も知っとるやろ? 」
「 ………それは… 」
恵美は少し怒っていそうな、だがどこか心配が滲んでいるような声で返す。
幼馴染のオレらはお互いが怪我をしたり病気になったりする場面に何度も遭遇しているしオレの性格上恵美の方がオレが怪我をしているところをよく見ているし何回かオレは危ない目にあったりしているから心配になるのも無理はない。
だがオレは『恵美の保護者』としてきちんと恵美を守ってやらねばならない、だから今だけは怒らないでくれ、そう思っているのは恵美には秘密だが。
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_____数時間後、体調に何に変化もないことからこの水は安全だと判断し恵美には口をつけていない方のペットボトルを渡した、そのことを後々後悔するとも知らずに。
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あの日以降は食べ物も水も何も出てこなかった、それ故2人とも空腹で死んでしまいそうだった。
そんな状況の中、あの時と同じがしゃんという音がしてもしかしてと思いあのエレベーターの方に行くと菓子パンと水と何やら変なメモがあった。パンと水を恵美に渡し2人で久しぶりの食事に喜びオレに関してはかなり早く食べ終えてしまった、恵美は菓子パンを食べている途中、『 もういらない 』とかなり顔色を悪くして言った、もしかして毒が入っていたのでは?とオレが焦っていると
「 ……何の味もしないんだ、スポンジを食べているみたいで気持ち悪い… 」
そう恵美が言ってきた、ここは寒いから病気になってしまったのではないだろうか、そう心配していると恵美はオレからメモを奪い内容を見た後そういうことか…とつぶやいた、そして深刻そうな顔をしこう言った
「 僕たちはフォークとケーキになってしまったらしい、怪しい薬の効果でね。僕はその影響で味を感じなくなったみたい。あとどんな怪我をしても治る薬とやらも盛られてしまったみたいだ… 」
フォークとケーキ、これはおそらくケーキバースのことだろう、昔なんとなくカフェにいた時に女の子たちのグループが話していたのを聞いたことがある、おそらくオレがケーキ、つまりはフォークにとって唯一味のするもの最高のご馳走なのだろう。
オレも痛いのは嫌だが恵美が無理して何かを食べて吐き出してしまうよりかはオレの体を食べさせた方がいいのかもしれない。
「 オレのこと食べるか? 」
そう聞いたら恵美は驚いたような顔をしながら
「 食べる訳ないだろ… 」
と否定してきた、人肉なんて食べたらどんなことが起こるのかわからないしオレ的にも食べられない方がありがたい。
だが心が折れてしまったその時は食わせてやろう、それがオレの責任だろうから。