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「あのさ、話したいことあるんだけど」
帆高と話してる中、碧海が気まずそうにやって来た。
まだ碧海とは真っ直ぐ話せそうには無い。
「あー、今帆高と大事な話してるから…」
そう言って帆高の方を見たが、姿を消していた。
帆高はそういう所の気遣いが半端ない。
(気遣いは嬉しいけど、嬉しいけど!)
「…帆高、居ないよ」
ぽつりと碧海が言った。
多分、逃げ道はもう無い。
「…話したいこと、あるんでしょ?教室はやめよーぜ」
教室を出て、空き教室へと向かう。
その途中で後ろから手首を握られた。
「賢史、好きだよ」
後ろからの言葉に驚きを隠せず、振り向くことが出来ない。
「…この前のキスから、碧海なんか変だよ…!」
前を向きながら、必死に振り絞った言葉を言った。
「変かなぁ。俺、賢史にだけ好かれればいいから、他のことどうでもよくなってんのかも 」
小恥ずかしい言葉を容易く言う碧海に、動揺を隠せずには居られない。
「賢史、俺の事嫌い?嫌いって言われても、俺は賢史のこと好きだから 諦める気なんてないけど。」
顔が赤くなっているのが分かる。
「けーんじ。あ、顔赤い。俺の事好きでしょ」
自信満々に言う碧海が今は憎くて憎くて仕方がない。
「いつもは口下手なくせに…!こんな時だけ饒舌になりやがって」
「だって賢史が可愛いんだもん」
小恥ずかしい言葉を炸裂させる碧海が、ぐいっと顔を近づけて言った。
「賢史、返事ちょうだい。じゃないと今からキスするよ」
碧海の顔がどんどん近付く。
「…俺も好きだよ!って顔がちーかーい!! 」
碧海の顔をぎゅっと抑えて言った。
多分俺の顔は、茹でタコぐらいに赤いと思う。
「やっと言ってくれた。俺も好きだよ。大好き。」
にこやかに笑って言った。
碧海の顔が眩しくて、俺の顔はまだ赤い。
この口下手な男を好きになってしまった俺は、これからの未来は予想がつかなくなりそうだ。
雨降って地固まる、いや、固まりすぎたかもしれません。
これからも碧海と愛し合えたらいいな、とだけ思います。
今日、碧海と付き合い始めました。