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碧海×賢史は終わりましたが、この話だけは書いておきたかたったので、番外編として書いておきます。
碧海の秘密のお話です。
「そーいえばさ、碧海の隠し事、秘密?って結局何なの?」
告白から数分後、誰もいない空き教室で、俺たちはゆっくりしていた。
そこで、付き合ったなら教えてくれるのではないかと思い、喧嘩の元となった秘密事を聞いてみた次第だ。
「あー、あれね。うーん…まぁ、賢史ならいいか。」
悩みながらも出した言葉は肯定的なようで、少し嬉しくなる。
「賢史、一つだけ約束してくれる?ここで聞くこと、絶対に秘密にしてね」
コクコクと勢いよく頷いた。
「俳優の、黒川青葉って知ってる?」
黒川青葉と言えば、超人気俳優。出た作品は必ず売れ、メディアの番組にも引っ張りだこ。顔良し、性格良しの欠点の無いような俳優だ。
「知ってるけど…なんで?」
秘密の話をしていたはずが、黒川青葉の話へとすり変わろうとしている。黒川青葉という単語が出てきてからずっと、不思議に思っていた。
「黒川青葉さ、実は俺の父親。」
碧海の言った言葉が脳には入らず、聞き返す。
「ごめん、何て?」
「黒川青葉は、俺の実の父親。父さんがさファンに刺されたって言うから走って行ったんだけど、ピンピンしてて、俺がびっくりしたよね。」
軽快に話す碧海の言葉が未だに信じられない。
テレビの中の存在の人の息子が、俺の目の前にいる?冗談はよしてくれ。
「で、でも。黒川青葉って相当若くないか? 確か37だって…」
「あー、それね。父さんが若くて、全然役者として売れてない時に、 母さんと出会ったらしくて、そこで俺が出来たんだって。えっと…それが父さんが19の時。で、こんなに若い父親って、あんまり世間のイメージ良くないじゃん。だから隠してるんだって 」
碧海の口からスラスラ出る言葉が、嘘だとは思えない。
漫画の中のように、碧海の話は出来すぎていた。
まだ困惑していた俺を、碧海は慰めるようにある写真を見せた。
「…この写真」
「俺の小さい頃と、父さん。」
写真には、若かりし頃の黒川青葉に小さい碧海。
これはもう、信じるしかないようだ。
「…黒銀さん。不束者ですが、宜しくお願い致します。」
恋人の親が、超人気俳優だなんて聞いてない!!
碧海と付き合い出してから、毎日頭を悩ましている。