練習用

「たいよーさん。手合わせしましょ」

「たいよーさん。寿司食べ行きましょ。寿司」

「たいよーさん。大好きですよ」

最近、俺は荒川に付き纏われている。 嬉しさ半分迷惑半分だ。

たまに、「好き」って言ってくるが本音なのかどう意味で言っているのかが分からねぇ。

俺らは付き合ってもないんだぞ？？ずっと振り回されっぱなしだ。

でも、アイツはいつでも俺の命を狙っている。アイツといる時に気を抜くとチェーンソーで首を切られたり、鉤爪で内臓を突き刺されたりするような感覚に陥る。

そういう時は決まってアイツが俺の命を狙ってる。

そして今日も荒川は俺を誘ってくる。

「たいよーさん。釣り行きません？」

「釣りぃ？？？」

「そうです。釣りです。釣った魚を捌いてほしいんです。」

「前も同じような事言って連れて行ったくせに、1匹も連れなかっただろ？？ え？俺いる？？？」

「じゃあ…」

「釣りしてると太陽さんと長く話せるいから行きましょ！」

「……………しょうがねぇな」

「やたー。そう言うと思って釣竿買ってますよ」

「準備良いなぁ。

さーて、何処行くんだ？」

「ネオチータへ」

「馬鹿か？ミミズいんぞ？」

「じゃあ人の少ない所へ

太陽さんと2人きりになりたいですし。」

それはどういう意味かと俺が考えていると荒川はクスッと笑って先に行こうとした。

「待てよ！！」

俺は思考を破棄し大人しく荒川について行った。

ーーーーーーーー

「釣れねぇ〜〜〜〜〜〜〜〜〜！！！！！」

「そうですね」

「ねぇ。暇なんだけど？？？」

「釣りですし。」

「もうしーらね。俺寝るわ。ぽやしみ〜〜」

俺が地面に寝転んで寝ようとすると荒川が顔を覗き込んできた。

顔が近くにあり少し、いやかなりドキドキしている。荒川の熱い吐息が俺に吹きかかる。

(意外と綺麗な顔してんだな…)

そんな事を考えていると

「暇なんですか？太陽さん」

「おうよ…ｯて！ ？おまｯ！！！！ 何すんだよｯ！！」

いきなり 荒川は自身の愛武器である鉤爪を手に持ち俺に斬り掛かってきた。

「だって暇なんでしょ？太陽さん。

ならワシと戦いましょう？ここなら人も少ないですし誰にも迷惑かけませんよ」

先ほどの言葉はそういう意味かと落胆していると、アイツは意地悪に笑って

「太陽さん。まさか、ワシがでーと的なものに誘ったとでも思ってるんですか？残念でしたね。」

「あ“？？？別にそんな事思ってませんけど？？？？勘違いやめてもらえます？？？？？？

むしろ、お前と戦ってボコボコにしてやりたいとか考えてましたけど？？？？ 」

「言いましたｯね！！！！！」

いきなり武器に電流を纏わせ俺に切りかかってくる。やはりアイツの方がスピードは速いがHPと攻撃力と防御力は俺のが勝ってる。それに何度もアイツから奇襲をくらってるから慣れてる。

「はーーーい雑魚乙ｯ！！！！テメェの攻撃なんて太陽様に掛かればクソ雑魚ナメクジなんだよｯ！！！！！」

「そう言ってる割には攻撃くらってますけど？」

よく見ると自身の右腕から血が流れていた。深く切られたらしく血がドクドクと流れ出ている。

気づいてしまえば傷は痛むのだ。なかなかに痛い

「おーと太陽さん。シコマイドなんていう回復技使いませんよね？？」

「んなもんあったり前じゃあ！！？ ？」

今度はこちらがと十字架を振り回し荒川へと近づく。

「んな重いもの持ってワシのスピードに追いつけるとでも？」

「思ってねぇよｯ！！！！」

そう言い俺は荒川の進行方向へと十字架を投げる

「あっぶなｯ！！！！ 」

(かかったｯ！！)

荒川が避けたと同時にオノを手にもち近づき斬りかかる。もちろんこれも当てれると思ってない。

アイツは速すぎるし身体能力も良すぎる。

すぐに荒川は体勢を立て直しオノを避けようとする。その瞬間懐に隠して置いた包丁で荒川の腹をエグる。俺の手に生暖かい赤い液体がつく。

「ｸﾞｯ…！！！」

「ハッ。俺は動けるだけじゃなくて頭も回るもんでね。お前と違ってなぁ？」

「でも…。まだワシのｯHPは残ってますよｯ！！！！！」

「内臓から血がドバドバでてんぞ。もう降参しやがれ」

「…………降参しますよ」

「なんだ。案外素直なもんだね」

俺は自分の持ってるアイテムに超まいど巻きとマザイがあるか探した。

「おらよ。これで回復しろよ」

「ありがとうございます 」

場が静まる。荒川がまいど巻きを食う咀嚼音が聞こえる

「なぁ…。なんでそんなに俺の命を狙ってくるんだ？」

「太陽さんに勝ちたいから」

「そうじゃなくて………。」

「じゃあ、好きな人に勝ちたいから」

思考停止する。好き？？？？？

頭がクエッションマークで埋め尽くされる

「なあそれどう言う意味？？？」

「さてと、完全回復したんでワシは帰りますね！」

荒川はすぐに何処かに行ってしまい1人取り残される。

「はぁぁああああああああああああ！！！！！！！？？？？？？？」

今日も荒川に振り回される。アイツといるといろんな意味で心臓に悪い。