クマと僕の夢
痛い…毎日恨まれて、毎日睨まれる…
何もしてないのに
お昼休みのチャイムと共に僕は一直線に外に出た。
この場所はお気に入りだ。ほとんど誰も来ないし、何よりも目の前にある大きな木が大好き。この木を見ると落ち着く…だから大好きだ。
お昼休みはこの場所に来て絵を描いている。僕の趣味だ。何を描こうか迷っていたらいつのまにか眠りについていた。
ここは夢の中なのだろうか、僕は今クマと話している。
「どこからきたの?」
幼児が喋るような話し方だった。心の中のモヤモヤが晴れるような話し方。
クマは問いかけてきた、
「きみのゆめはなに?」
友達を作ること、
なんて言えるわけがない
「ぼくのゆめはともだちをつくることとじゆうにとんでみることなんだ」
そんな言葉が胸に刺さった。
多分、このクマは僕と同じ
周りから嫌われ、自分からも嫌われている
頑張りたいのに頑張れない
勇気がない
そんな自分が大っ嫌いだ
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気づけば僕は夢から覚めていて、泣いていた
夢なんて一瞬で忘れるものだ。もう曖昧だ。
でも真っ白な画用紙に何を書くかは決まった。
クマと僕の夢
そんなことを考えているうちにまたチャイムが鳴ってしまった。
「もう一度会ってみたいな」
そんな意味のわからないことを呟きながら教室へと戻った。
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神作発見!