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間柄に名前をつけるなら

第56話 - 第3章気づきたくない気持ち第56話

2025年08月29日

#兄友

#ラブコメ

#青春恋愛

藤原ひまり

家の前に着くと、ちょうど玄関の扉が開き、亮が顔を出した。

「お、来た来た。買い出しサンキュー！」

手をひらひら振る亮に、悠真は苦笑しながら袋を差し出す。

「忘れ物届けに来ただけのつもりが、ついでに荷物持ちまでな」

「咲に持たせたのかと思ったけど……悠真が持ってんのかよ」

ニヤリと笑う亮に、咲は慌てて首を横に振った。

「ち、違うよ！私が落としそうになったから……」

「はいはい、わかったわかった」

亮のからかう声に、頬が熱くなる。

悠真は「じゃあまたな」と短く言って玄関を後にする。

その背中を見送る咲の胸には、今日一日の鼓動がまだ強く残っていた。

間柄に名前をつけるなら

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藤原ひまり

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