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#二次創作
よんがつ
126
#夢小説
しらすのお部屋
568
つばさ
206
――パラドのメッセージが見つかってから、しばらく経った。
永夢は、少しずつ日常を取り戻していた。
あの後も、たくさんの人に協力してもらって地道にリハビリを続けた。
最初はベッドから立ち上がるだけでも精一杯だった。
それでも、一歩ずつ。
歩く距離を伸ばし、身体を動かす時間を増やし、少しずつ以前の感覚を取り戻していった。
そして――。
「……本当に、退院していいんですか?」
病室の前で、永夢が少し名残惜しそうに振り返る。
「もう何回聞くの?」
隣にいたポッピーが笑った。
「飛彩も大丈夫って言ってたでしょ?」
「そうだけど……」
永夢は苦笑しながら、自分の腕を軽く動かす。
「なんだか、ここを出るのが不思議で」
「じゃあ、もう一回戻ってくる?」
「それは嫌です!」
即答する永夢に、ポッピーが声を上げて笑った。
そんなやり取りをしながら、永夢は病室を後にした。
退院してからは、すぐに以前と同じ生活に戻ったわけではない。
身体への負担を考えながら、勤務時間を調整し、少しずつ小児科医としての仕事にも復帰していった。
「先生、これ見て!」
「うん。どれどれ?」
診察室で子どもから差し出されたゲーム機を、永夢が覗き込む。
「……なるほど。ここがクリアできないんだね」
「そう!」
「じゃあ、一緒に考えてみようか」
「先生、ゲームの話になると元気ですね」
看護師の言葉に、永夢は照れたように笑った。
「そ、そうですか?」
まだ完全に以前と同じとはいかない。
無理をすれば身体に響くこともある。
それでも――。
宝生永夢という小児科医の日常は、確かに 戻り始めていた。
そして、夕方。
CRへ戻った永夢を待っていたのは、いつもの顔ぶれだった。
「お、永夢。今日もちゃんと先生してきた?」
貴利矢が笑いながら声をかける。
「ちゃんとって何ですか、貴利矢さん!」
「昔、診察の時間なのにゲームして怒られてたじゃん?」
「……っ!」
永夢の動きが止まる。
「しかも最低二回はあったって聞いたけど?」
「なんで知ってるんですか!?」
「さあ?」
貴利矢はニヤニヤと笑う。
「全く……医師としての自覚が足りなすぎたな」
飛彩が呆れたように呟く。
「飛彩さんまで…」
CRに、いつもの笑い声が響いた。
三人のやり取りを見て、ポッピーが楽しそうに笑う。
「ふふっ。なんか、久しぶりだね」
「……うん」
永夢も笑った。
くだらないことで言い合って、笑って。
そんな、何気ない時間。
以前と変わらない日常が、少しずつ戻ってきていた。
――ただ。
飛彩も、貴利矢も、ポッピーも。
胸の奥では、あのメッセージを忘れてはいなかった。
パラドが残した言葉。
誰も、それについて口にはしない。
ふと、四人の間に沈黙が落ちる。
先ほどまでの笑顔が、少しずつ消えていく。
誰も、何も言わない。
ただ、互いの顔を見つめる。
その瞳には、強い決意が宿っていた。
やがて永夢が、静かに頷く。
それに応えるように、ポッピーが。
貴利矢が。
そして飛彩が。
言葉を交わすことなく、ゆっくりと頷いた。
――それだけだった。
けれど、それで十分だった。
四人は、それぞれの想いを胸に、静かにその場を後にする。
そして――夜が明ける。
――翌日。
――幻夢コーポレーション屋上。
吹きつける風の中。
パラドの姿をしたレウコイドは、無表情のまま街を見下ろえていた。
その顔も、その声も、間違いなくパラドのもの。
だが、その瞳に宿る光だけは、もはや彼のものではなかった。
「ようやく、この時が来た。」
「これで終わりだ。」
そう言い放ち、掌に集まる無数の黒い粒子。
それは病を宿したウイルス。
空へ放たれれば、瞬く間に世界中へ広がる。
「人類は病に支配される。それが新たな世界の始まりだ。」
その瞬間――。
「やめろ!!」
聞き慣れた声が屋上に響く。
レウコイドが振り返る。
そこには永夢、飛彩、大我、貴利矢、ニコ、ポッピー。
全員がレウコイドを見据えていた。
「貴様ら……どうしてここが分かった。そして、なぜこのタイミングが。」
永夢が一歩前へ出る。
「パラドが残してくれた。」
「……。」
「あちこちに散りばめられた暗号。その意味を解き、ゲームの裏世界へ辿り着いた。」
「そこには、お前の計画がすべて記されていた。」
レウコイドの表情がわずかに歪む。
(……あいつが、俺の制御を離れた隙に。)
舌打ちが響く。
(勝手な真似を……。)
「くそ……厄介な置き土産を残してくれたな。」
が次の瞬間、レウコイドは不敵に笑う。
「……だが、もう遅い。」
「パラドという存在は完全に消えた。」
「もう俺の中に奴の気配はない。」
永夢の瞳が揺れる。
「……なんだと。」
「奴がお前たちに希望を託そうが、結果は変わらない。」
レウコイドはゆっくりと両腕を広げた。
「さあ。」
「どうやって俺を攻略する?」
禍々しいオーラが屋上を覆い尽くす。
「手始めに――お前たちを抹殺してやる。」
「ポッピー!」
永夢が振り返る。
「ニコちゃんを頼む!」
「……うん!」
ポッピーは頷き、駆け出そうとして――ふと足を止めた。
「永夢。」
その一言に、永夢も振り返る。
「……絶対、無理しちゃダメだからね。」
「病み上がりなんだから。」
「約束だよ。」
永夢は少しだけ微笑み、小さく頷いた。
「……分かった。」
その返事を聞いて、ポッピーも安心したように笑う。
「よしっ。 行くよ、ニコちゃん。」
ポッピーはニコの手を取り、瓦礫の陰へと駆け出した。
永夢はゆっくりとポケットへ手を伸ばした。
取り出したのは――ハイパームテキガシャット。
「これで……!」
ガシャットを起動しようとする。
しかし。
「……っ!」
何も起こらない。
「なんで……!」
もう一度。
もう一度。
何度起動を試みても、ハイパームテキは沈黙したままだった。
「どうして……!」
その様子を見ていたレウコイドが、不敵な笑みを浮かべる。
「やはりな。」
「お前とパラドが一つになった時だけ、その力は真価を発揮する。」
「その程度のことは、とっくに把握済みだ。」
レウコイドは永夢を見下ろしながら続ける。
「だが、そのパラドはもういない。」
「存在しない者とは、一つになどなれない。」
「つまり――もうその力は使えない。」
「そんな……。」
永夢はハイパームテキガシャットを見つめたまま、拳を震わせる。
飛彩たちも言葉を失っていた。
だが。
「……だったら。」
永夢は静かにハイパームテキをしまう。
代わりに取り出したのは、マキシマムマイティXガシャット。
その瞳から迷いは消えていた。
「パラドの力がなくても……。」
「僕たちは戦う!」
飛彩がガシャットを構える。
「当然だ。」
大我が不敵に笑う。
「ここで終わるわけにはいかねぇ。」
貴利矢もガシャットを掲げる。
「最後までのってやるよ。」
全員がドライバーへ手を添えた。
「変身!」
一斉にガシャットが起動し、眩い光が夕焼けの屋上を包み込んだ。
次の瞬間――。
黄金の巨体を纏った、
仮面ライダーエグゼイド マキシマムゲーマー レベル99
純白の鎧を纏う、
仮面ライダーブレイブ タドルレガシーゲーマー レベル100
漆黒の狙撃手、
仮面ライダースナイプ シミュレーションゲーマー レベル50
そして、黄金色の閃光となる、
仮面ライダーレーザーターボ バイクゲーマー レベル0
四人は一斉に武器を構え、レウコイドを見据えた。
「行くぞ!」
エグゼイドの声が響く。
その瞬間、永夢の脳裏に、出撃前の作戦会議が蘇る。
CR。
飛彩がモニターへ映し出されたデータを見つめながら口を開く。
「レウコイドはパラドの身体を乗っ取っている。」
「ならば、パラドを元に戻すことができれば、レウコイドも存在を維持できなくなる可能性がある。」
大我が腕を組む。
「問題は、どうやってだ。」
その時、貴利矢が何かを思いついたように顔を上げた。
「……リプログラミング。」
全員の視線が集まる。
「マキシマムマイティXのリプログラミング能力だ。」
永夢もはっと息をのむ。
「リプログラミングで、パラドの遺伝子情報を元の状態へ戻す……。」
飛彩が静かに頷く。
「そうすれば、パラドの身体に寄生しているレウコイドも存在できなくなる可能性が高い。」
「身体の主導権は、パラドへ戻る。」
大我がニヤリと笑う。
「悪くねぇ作戦だ。」
貴利矢は永夢を見る。
「その一撃を入れる隙は、俺たち三人で作る。」
飛彩も続けた。
「お前は迷わずリプログラミングを叩き込め。」
永夢は力強く頷く。
「はい」
「……パラドを、必ず救い出す。」
その言葉に、貴利矢が静かに続けた。
「もう一つ。」
「前回みたいに、一対一では戦う瞬間を作らない。」
その一言で、全員があの日の戦いを思い出す。
レウコイドに憑依されたパラドクス レベル99。
圧倒的な戦闘能力。
突破口を見出せないままの戦闘だった。
飛彩が腕を組む。
「奴は一人ずつ確実に仕留めてくる。」
「ならば、こちらは四人で一人を相手にする。」
大我が不敵に笑う。
「囲んで攻め続ける。」
「誰かが攻めれば、誰かが援護する。」
貴利矢も頷いた。
「攻撃の癖も、アイテムを使うタイミングも、一度戦ったからこそ分かる。」
「全部見越して動く。」
永夢は三人を見つめる。
一人では勝てない。
だからこそ――。
飛彩が静かに口を開いた。
「チーム医療だ。」
その一言に、三人も力強く頷く。
「必ず、救い出す。」
――その作戦を胸に。
四人は一斉にレウコイドへ駆け出した。
コメント
1件
うわ、ついに最終ラウンドが始まったね…! 永夢が退院して日常を取り戻していく描写が温かくて、CRの仲間たちとの何気ないやり取りにほっこりしたよ。でも、その裏で誰もがパラドのメッセージを胸に秘めてる緊張感が静かに流れてるのが良い塩梅だった。 終盤の屋上対決、一気に引き込まれた。パラドの身体が乗っ取られてて、ハイパームテキも使えない絶望的な状況なのに、マキシマムマイティXで立ち向かう永夢たちがかっこよすぎる…! リプログラミングでパラドを取り戻す作戦、チーム医療で挑む覚悟、どれも熱い。続きが気になって仕方ないよ!