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4人は大通りのスタバに場所を移した。窓際のテーブルに座り、みんなが置かれていた状況を話すと——
「アッハッハハハ!!」
タクと真琴が同時に大爆笑した。
店内に響く笑い声。
タク「俺はただ靴下買いに行っただけなのに……
アキ、お前何想像してたんだよ!」
真琴「俺も……アキが突然尾行してきて……
最悪の誤解だろこれ……」
アキの想像が最悪すぎて、
面白すぎて笑いが止まらない。
一方、翼とアキは笑えない。
自分たちの想像が、現実からあまりにも掛け離れていたから。
二人ともシュンとして、コーヒーをかき回すだけ。
翼「……俺、彼女できたのかと思って……
ムカムカしてたのに……」
アキ「……俺、真琴がタクとデキてると思って……
胸が痛くて……」
タクが笑いながら、翼の頭を軽く撫でた。
「翼、ごめんね。
ちゃんと話せばよかったよね。
タクの帰るの待ってたの知らなくて……本当ごめんな」
翼は頰を膨らませて、
「真琴は悪くないよ」
タクが即座に突っかかる。
「真琴”は”?」
「タクは悪い!
ちゃんと俺に説明しなかったのが悪い!」
幼馴染バトル round 2 が始まりそうになったところで、
アキが慌てて間に入った。
「まあまあまあまあ、夫婦喧嘩しないで!」
「「夫婦じゃない💢」」
アキ「……怖い」
真琴は照れくさそうに、
買い物袋から紙袋を取り出した。
「翼、タクは悪くないんだ。
俺が話さないでって言ったから、全部俺が悪いんだ」
真琴は紙袋を2つ、翼とアキに差し出した。
「はい、これ。
色々俺のためにありがとう」
翼「……えっ? 俺にも?」
アキ「……俺に?」
真琴は小さく頷いた。
「そう。この前の練習試合、迷惑かけたから」
翼が袋を開けると、
ウサギの刺繍が入った可愛い靴下が出てきた。
「可愛い……!」
アキの袋からは、
虎の刺繍が入った力強いデザインの靴下。
アキは目を丸くして、
「……マジで? 俺に?」
真琴は耳まで赤くなって、
「……うん。
アキ、いつも守ってくれて……ありがとう」
その瞬間、
翼とアキはホッとした顔になった。
誤解が解け、
4人の間に、
温かい空気が流れた。
タクは翼の隣で、
小さく笑いながら呟いた。
(……よかったな、真琴)
翼は靴下を大事そうに抱えて、
タクに笑顔を向けた。
「タク、次はちゃんと教えてね?」
タクは翼の頭を撫でて、
「わかったよ」
アキは靴下を握りしめ、
真琴をチラチラ見ながら、
心の中で思っていた。
(……真琴、ありがとう……)
スタバの窓から、
札幌の夕陽が優しく差し込んでいた。
アキと真琴と別れた後、
翼とタクはいつものように一緒に帰路についた。
でも、翼はちょっと怒っていた。
歩く速度がいつもより明らかに早い。
小走りみたいに足を動かして、
タクを少し置いていく形だ。
タクはその後ろ姿を見て、
胸がきゅんとなった。
(……可愛い……
怒ってる翼も、めっちゃ愛おしい……)
タクは少し歩調を速めて、翼の隣に並んだ。
「翼さ〜ん、
俺が真琴とそういう関係だって
やきもち焼いちゃった?」
翼はピクッと肩を震わせ、
前を向いたまま早口で返した。
「……別に」
タクはニヤニヤしながら、
さらにからかった。
「怒ってる?」
「別っつに💢」
「翼、こっち向いて」
真剣な低い声に、
翼はビクッとなって、ついタクの方を向いた。
「……な、何だよ」
タクは翼の目を真っ直ぐ見て、
優しく、でもからかうように言った。
「俺が好きなのは……」
翼の心臓が、ドクン、と鳴った。
(え……タクの好きな人?)
タクは翼の反応を見て、
小さく笑いながら、
いたずらっぽく続けた。
「……秘密♡」
翼の顔が一瞬で真っ赤になった。
「なんだよもう!!」
バン‼︎
翼は勢いよく、タクの尻を叩いた。
タクは「いてっ!」と笑いながら、
翼の頭を優しく抱き寄せた。
「ごめんごめん。
からかいすぎた」
翼はタクの胸に顔を埋めて、
小さく息を吐いた。
「……もう、びっくりした……」
誤解が解けたことに、
翼は心の底から安心した。
胸のモヤモヤが、すっと消えていく。
タクは翼の背中をゆっくり撫でながら、
心の中で思った。
(……お前が嫉妬してくれるなんて、
嬉しいけど……
まだ気づかないんだな)
二人はそのまま、
いつものペースで歩き始めた。
夕陽が、二人の影を長く伸ばしていた。