千葉の手術が終わるまで待ち合い室で待つ事になったが、松下は学校に連絡してくると言ってスマホが使える場所まで行ってしまった。
僕も亜季ちゃんに電話をする為、病院の外に出て、ベンチのある中庭まで歩いた。
ベンチに座ると色んな事が頭の中をよぎった。
葵さんの言っていた占い…‥
千葉の怪我…‥
そして、病院にいる僕…‥
まさか本当に当たるなんて…‥
すごいと思うけど、ここまで当たると怖くなってくる。
「・・・・・」
それより亜季ちゃんに早く電話しなきゃ。
僕は直ぐに電話をかけた。
『もしもし…瑛太さん、病院から帰られたんですか?』
『まだ病院だよ。今、千葉は手術をしているところなんだ』
『千葉くんの具合はどうなんですか?』
『階段から転げ落ちたから顔は傷だらけで、足は折れ曲がっていたんだ。どうせ調子にのって階段から飛び降りようとしたに決まってるけどね…』
『千葉くんって面白い人ですね』
『面白いっていうか、バカなんだよ』
『バカなんですか(笑)』
『それより、あきっ‥』
『私、怒ってなんかいませんよ』
『そっ、そうなんだ…。それなら良かった』
電話でも、話を先回りされてしまう…。
『瑛太さん…帰ったら電話してもらってもいいですか?』
『いいけど…‥』
亜季ちゃんが、そんな事を言うのは珍しかった。
『忘れないで下さいね』
『うん、大丈夫だよ』
『絶対ですよ』
『絶対するよ。でも、どうしたの?』
『だって…。なっ‥何でもないです』
そして電話を切った。
待ち合い室に戻ると、千葉の母親らしい40代の女性が松下に頭を下げていた。
「こんにちは」
「こんにちは…あなたが紺野くん?」
「はっ‥はい」
「今日はうちの息子が、ご迷惑をお掛けしました。すいませんでした」
千葉の母親とは思えないほど、おしとやかで清楚な感じの女性だった。
「別に僕は何も…‥」
「これからも仲良くして下さいね」
「わっ‥わかりました」
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