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夢を見たよ。
目が覚めると花音がキッチンでご飯を作ってて、
起きてーー!朝だよ~!
って、起こしてくれる。
頑張ってね。
私は今日もここでずっと待ってるから
っていって見送ってくれるの。
素敵な家庭だね。
普通に生まれて
普通に過ごしてこられたら
こんな未来も夢じゃなかったのかな?
第18話 重なる鼓動
早足で彼らを追う。
残念ながら足は遅い方なんだよなぁ。
小学一年生の頃1回だけリレーの選手に選ばれたくらいで。
そんな中着いたのが体育館裏の自販機横だった。
とりあえず茂みに隠れてじっと会話を聞く。
花音「七翔さん、私お金ならもう要らない。
だから私と関わるのももう終わりにしてほしい。」
ネクタイゆるゆるでライターと煙草をポッケから取り出した男をじっと見つめる花音。
どうやらあの男が七翔というらしい。
七翔「え?なんでよw
別に花音ちゃんに変なことさせてないじゃん」
「俺たちと遊ぶだけでお金貰えんだよォ?」
「こんないい話、www
どこにあるっつーのさwwwww」
やっぱり。あいつらからお金を貰ってたんだ。
花音はバイトはしていないし、
親からのお小遣いも多くはなかったはずなのに、やたら奢ってくれるし
豪遊している様子が多かったのも納得だ。
七翔「今日はちょーっと俺らの用足しに付き合ってくれたらお小遣いアップのチャンス
をあげようと思ったのにィ」
そういうと、彼はズボンのベルトをゆっくり解いて1歩1歩花音に近づいて行った。
花音はその場に崩れ落ちた。
声は出ていないが
「たすけて」と言っていた。絶対に。
冷や汗が止まらない。
でも、自然に体は動いた。
気づけば花音の目の前に立ちはだかっていた。
花音「……!アオイ……!!泣」
七翔「あ?なんだこのヒョロヒョロ」
花音「アオイ…いいから下がって!お願い…」
七翔「おい花音誰だこいつwwwww
情けねぇなホラ立てよ花音行くぞ」
明らかに自分よりゴツイ花音に手を差し伸べたそいつの手を掴んでハッキリ言った。
葵「確かにひょろひょろだし情けないしみっともない。だけど花音の事は誰よりも知っ てるし、誰よりも大切にしている。」
「花音の事を思う気持ちは誰よりも強い。もちろん、お前みたいなのとは比べ物にならないよ。」
七翔「花音、お前こんなやつとつるんでんのか?」
葵「いいよ。花音の代わりならいくらでもやってやるよ。そんかし二度と彼女に手を出すな」
七翔「なんだコイツ…キモ……」
そういうと奴らはじっと睨みながら舌打ちをして歩いて去っていった。
ほっと肩の力が抜けた。
振り向いて彼女の方へ駆ける。
葵「花音、もう大丈夫だから心配なi」
彼女は何も言わずに全身の力を振り絞り抱きついて来た。
痛いくらいに。ぎゅーっと。
言葉はなくても、彼女の思いは伝わってきた。
葵「花音、強いよ笑」
それでも彼女は黙ってなにも言わなかった。
息ができないくらい苦しかった、
こっちは優しく抱きしめ返した。
そして目を瞑って頭をそっと撫でた。
好きだよ。花音、
言わなくてもきっと伝わってる。
ありがとう、葵。
だって伝わってきたもん。
どういたしまして。
大切な人。