テラーノベル
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「………はぁ…」
目、痛い。長時間続けすぎたかな。
溜まった疲労を吐き出すように小さく溜息をついて、パソコンを閉じる。
「お疲れですか?」
近くでギターを鳴らしていた若井の声に、
椅子を回して身体を向ける。
「んー、なんとも言えない。」
疲れていないと言えば嘘になるけど、別に体調に支障が出る程でも無い。
長時間画面を見続けたせいで目は痛むけど、それも直ぐに治るだろうし。
とにかく今は良い音楽を創りたいし、
届けたい。
その為に多少の無茶は必要。
…だと勝手に思ってる。
曖昧な返事を返した俺に、若井が苦笑する。
「ちゃんと休みなね」
いつも通りのトーンではあるけど、その声には心配の色が滲んでいて。
「あれ、心配ですか?」
「そりゃね。あなた寝てないんだから。」
まぁ、寝てはいないね。
もう慣れた事だし何とかなってる様な気はするけど。
慣れてる時点で多分アウトなんだろうな。
ギターに視線を向けたまま、若井が続ける。
「いきなり倒れられても困るからね」
「この時期にそれは笑えないかも」
レコーディングは勿論、ライブリハも始まりつつある現在。
周りに迷惑をかけることだけはしたくない。
「大丈夫。
仕事には支障出さないように気をつけるから」
え、なんか変なこと言った?
ごく普通の返答をしたつもりだけど、明らかに何か言いたげな表情を向けられて。
「違うよ、仕事がどうとか以前の話。」
「無理して欲しくないってこと。」
すっごいストレート。
心配をかけてしまっている申し訳なさと同時に、嬉しさもあって。
ちゃんと想われてるんだな、とか。
そんな事で嬉しくなるくらいには君の事想ってるんですよ、若井君。
「なに、俺の事大好きじゃん。」
素直になれるはずも無くて、気恥ずかしさを誤魔化すように笑ってみる。
本当はもっと素直になれたらいいんだけど。
言いたいこと、沢山あるし。
「当たり前でしょ」
ギターを鳴らす手が止まり、真っ直ぐに視線を向けられる。
何処か真剣なようで、優しい目。
「大好きだから言ってるんだよ」
小さく笑うその表情と柔らかい声色が身体に熱を灯して、鼓動が煩く響いた。
思いもよらないその言葉に頬が赤くなっていくのが自分でも分かる。
なんなの、これ以上好きにさせないでよ。
もうどうしようも無い程好きなんだからさ。
「…………ずるくない?」
「なにが。笑」
真っ直ぐ言葉にして伝えてくれるのも、
そうやって笑う顔も。
全部ずるくて、大好き。
本編とは全く関係ないのですが フォロワーさんが100人も…!!
皆さんいつもありがとうございます🫂
コメントやいいね等もとても嬉しいです🫶🏻周りに諸々を語れる人がいない私はコメント欄で生き延びている訳でして…笑
これからもゆるゆると続けていきますのでいつでも遊びに来てください〜〜✍🏻
コメント
14件

うわあああっ ストレートな若様っ!素敵っ最高っスパダリっ!!! 自然にさらっと愛の言葉を言えるなんて……どれだけカッコよくなればあなたは気が済むんですか?の質問に小一時間程説明の場にて説いていただきたいです。そしてその次に、どれほど大森さんが好きなのかを3時間くらい聞かせていただきたいです。
どストレート若井さんとても良い