その日は、快晴のち曇りの普通な天気だった。
忍はいつものように任務へと向かっていた…のだが…!
忍は妙に嫌な予感を覚え、行く気が失せかけていた。しかし、任務は任務なので行くしかない。ちゃんと忍はいつものように任務の支度をし、仕方なく出向かう。
任務場所である館に辿り着き、武器のニ丁拳銃の弾数を確認しておきつつ、任務を開始する。まぁ、忍は潜入しながらの任務が得意なので、あえて裏口から侵入する…
忍「やっぱり警備ガバガバで助かるな…」
?「ふむ、其方の潜み方は完璧そのもの…か。」
忍「っ…!?誰だ!」
背後から声がしたのか、急いで銃を向ける。しかし、誰も居ない。
忍「…気のせいか?」
ともかくターゲットをいち早く討伐しなければならない。少しずつ焦りが募る中で館内を進む。
数十分後、忍はどうにかターゲットの討伐を終えるも、先程の背後からの声が気がかりだった。
忍「そこか!?」
チャキッと言う音と共に、背後を警戒しながら振り返って銃口を向けるが、誰も居ない。
しかし背後を振り向いたせいか、何故かゾッとする気配に襲われる。
一体どうしたのか。はたまた勘違いか。
?「ふ…紛うこと無き気を辿りて正解であったな。」
先程の声が聞こえた。刹那、忍は声のする方へ銃口を向けようとしたが、引き金が言う事を聞いてくれない。「マジかよ…!」と呟くも束の間、視界に一人の男が目に入る。
?「其の気、玄武の気を持つ者が述べてた物と同じ。げに、其方が黄龍か?」
忍「お前…それより、俺は黄龍本人じゃねぇぞ!?」
?「そうか…ならば仕方あるまい、其方から語らえてくれぬか?」
忍「お、おう…」
その男は、室内にも関わらずに笠を深く被っている。長く伸びた白い髪が目立ち、少しボロボロになった赤黒い着物と共に、まるで修行僧を思わせる様な錫杖を背負っていた。
忍「お前…なんで俺が黄龍の力を持ってるって分かったんだ?」
?「あぁ。儂は元々…この様な神や幻術に関わっておったのでな。」
霊「申し忘れていたが…儂は霊巌(れいがん)と申す者。まぁ、頼まれた事は遂行せねばならん。」
忍「霊巌…俺は影潜 忍(かげひそしのぶ)、人外狩りをしてる。」
霊「ふむ、狩る者か。その目にはかなりの恨みが募っておるな。」
忍「お前…まさか俺の心まで…」霊「そんな訳なかろう。ただ感じ取ったのみよ。」
忍「お、おう…」
そんな静寂を破るかのように、屋敷の窓が思いっきり割られて誰かが入ってくる。
?「見つけたぜ黄龍ーーッ!!!」
忍「んあっ!?」
忍は反応できずに後ろに転んでしまい、少しだけ動けなくなる。
多少の老いの為、反応も鈍めになりかけていた。
窓を割ってきたのは、少々古臭い様な格好をした男。
霊「あぁ、玄武の気を持つ者か。」
玄「その呼び方気に入らねぇよ!俺は玄爾(げんじ)だっつーの!」
忍「へ…は?まさかこいつが黄龍を?」
霊「そうと言えようか、忍殿。」忍「俺だけ殿呼びかよ?」
玄「んなことどうでもいい…とっとと俺についてきて貰おうか、黄龍!」
忍「いやいきなり窓割って叫んでこうなるって…俺ホントに何やった?」
玄「あ~…説明めんどくせぇ…(※省略してるけど渋々事情説明してます)って訳だ。」
忍「つまりはその異変に黄龍が関わってるかって事か?悪いが…関わってない。」
「そもそも俺はあくまで黄龍の力を持ってるだけなんだよな…」
玄「んぇあ!?ウッソだろおい…」
玄爾はたちまち崩れ落ち、涙目となる。今までの努力は水に流されてしまったのだ。
玄「あ~もうやだ…マジでクソだりぃ…」
忍「まぁまぁ…ともかく…」
「ホントにお前ら何がしてぇんだよ!!」
霊「仕方ない、儂は先に帰るとするか…」玄「ちょ、おま…待てってばー!」
と言った感じだが、三人はついに出会ってしまったのだった…
─鬼が出るか、蛇が出るかの巻・終─
─次・どうなってんだよマジでの巻─
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