目を覚ます………
真っ赤だ 赤い液体 甘くビターな
強い酒 リキュール の原液のよう…
香りだけで酩酊 しそうだ
目の前に倒れている男の
胸郭は割り開かれ 肋骨が
飛び出している 中は空洞だ
心臓は わたしが喰った
黒い瞳には もう何も写っていない
微笑みを浮かべる口からは大量に
赤い液体が溢れている
うあああああああああああああああ
あああ ああああアああああああああ
ああああああああああああああああ
ああああえあああアああカぁ…ガ……
…サあ あああああああああああああ
あああ ああああああいやぁああああ
あああ あああああああああああああ
あああ あああああああああああああ
あああ あああああああああああああ
わたしの意識は また闇に沈んだ
長鉈男は見ていた
白いチビが 暴走した
周りの怪異を叩き潰しながら
歩いてくる
久々に 本気で ヤりあえる!
ワクワクしながら待っていた
そこに 赤いヤツが現れた
チッ!アイツは攻撃が通らないから
嫌いだ!!
赤いヤツは 白いチビの目の前に
移動した
白いのは唸り声を上げたが赤いヤツ
を攻撃しようとはしなかった
赤いヤツは自分の胸の真ん中に
両手の指を突き刺しメリメリと
左右に開いた
バシッ バキ ミシミシっ!
肋骨が折れる音 肉が裂ける音が
聞こえた
いったいヤツは何をしている?
赤いヤツは白いのの頭を支える
ようにして 自分の胸に開いた
穴に誘導し押し込むように
抱きしめた
赤いヤツが崩れ落ちると
白いのは 馬乗りになってヤツを
貪り始めた
ああ………こりゃ ヒデぇな
白いのが立ち上がり悲鳴を上げた
………やっぱり 合意の上では
なかったか………
ずいぶんヒデぇのに引っ掛かったな
オマエ………
オレなら………こんなふうには
しないのに…
気絶した白いのを抱き上げると
涙でぐちゃぐちゃの赤い瞳が
少し開いた
『わたし コロして 食べて
永遠 消して』
うわ言のように何度か繰り返し
また意識を失った
はあぁーー………
何でオレがそんなことまで
面倒みてやると思ってんだよ
ホントにバカだな オマエ!
オレは白いのを抱えて歩き出した
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