コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
旅館
︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎
その日の午後、レイナ達は目的の織仁月旅館旅館についた。
「やっと着いたぁ」
長時間座っていたため、アスカが少し伸びをしながら言う。
旅館の門をくぐると、美しい庭があった。地面の旅館の入口へと向かうルートは石造りで、左側には池があった。池の近くに生えている木から、紅葉で赤くなった葉が落ちて池に浮かんでいる。右側には低い柵があり、そこからは旅館の中から行けるのだろう。柵の内側から木があり、 旅館の入口まで続く柵に沿うように生えている。
「春も綺麗なんだろうな」
生えている木を見てボソッと呟くと、ナギが反応した。
「なんで?」
「ここに生えてるの全部桜の木だから」
以前、任務の報酬で貰った植物の図鑑に載っていたのを思い出しながら言う。あの本には草花以外にも色々な植物が載っていた。
(あの家のお嬢様は、植物が好きだったのだろうな)
以前聞いた、あの本が屋敷に置かれるまでの経緯を思い出しながらそう思った。
「よく分かったね」
「本で読んだことがあったからね」
旅館の入口の扉を開くと、一瞬目の前が歪む感覚がした。
「どした?」
立ち止まったレイナに、隣にいたナギが心配したように話しかける。
「なんか今目眩みたいなのしなかった?」
「レイナも?僕もした」
アスカも謎の目眩を感じたようで、2人が同時に同じことを感じたということに首を傾げた。
「部屋についたら少し休むか」
「そうだね」
黒い石でできている玄関で靴を脱ぎ、スリッパに履き替える。床は暗い色をした木のフローリングで、壁は材質は分からないが白かった。中に入って右側には休憩スペースのような場所があって、左側にはフロントがある。
フロントで受付を済ませると、4人は渡された鍵に書かれている部屋に向かった。
「蓮の間だったよね」
鍵には蓮の間と書かれており、同じ名前の札がかかっている部屋に入る。
玄関に当たるところでスリッパを脱ぎ、室内に上がる。横には短い廊下があり、おそらくトイレや洗面所があるのだろう。目の前の引き戸を開けると、押し入れがある畳の部屋があった。
「おぉ〜和室だ!」
畳の部屋の襖を挟んだ隣には少し広めの畳の部屋があり、机が置かれていた。その机を挟んで向かい合うように座椅子が置かれている。部屋には大きい窓があり、そこからは中庭が見えた。
押し入れがある方の部屋に荷物を置くと、アスカが早速部屋の中を見始める。
「浴衣あるよ!」
部屋の棚にあった浴衣を見てアスカが言う。
「浴衣?」
漫画やイラストでしか浴衣を見たことの無いレイナも見に行った。
「元気だね」
「…休まないんかな?」
レイナ達が目眩を感じたから少し気を使って休もうと言ったのだろうが、目眩を感じていた本人達がいちばん元気なのを見て、ナギとソウが苦笑いを浮かべた。
「そろそろレイナが言ってた場所に行く?」
部屋を全て見終えたアスカが言う。
「うん。行こっか」
4人は部屋から出ると、フロントで渡された館内の地図を見ながら庭の方へと向かった。
︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎
「綺麗…」
スリッパから置いてあるサンダルに履き替えて庭に出る。 庭にはイチョウともみじと桜の木が植えられていた。
庭の景色を眺めながらゆっくりと言い伝えの場所へと向かう。
そこには大きな石があり、石には文字らしきものが掘られていた。
「読める?」
「読めない」
筆で書かれている様な文字だったので、数百年前に日本にいたというナギ達に読めるか聞いてみるが、石もだいぶ風化していて所々欠けていたり、こけが生えていたりしている為読めないようだ。
「鬼って本当にいたのかな?」
「さぁ?」
「昔にあった伝説系って信じられないことが多いからね」
「500年より前の話は結構本当にあったことが多いよ」
「なんで?」
ナギが言ったことに質問をする。
「あっちの世界、俺たちヒトはだいたいアナザーワールドって言ってるんだけど、」
「なんかゲームにありそうな名前だね」
「そのアナザーワールドにヒトが移住したのが、確か500年位前だったんだよ」
「へぇ〜…」
元からヒトはあの世界に住んでいたと思ったので、移住したということを知り、レイナは意外だなと思った。
「そろそろ旅館の中に戻る?」
「うん。見たかったのは見れたし、戻ろっか」
「そうだな」
3人が旅館に戻る中、レイナはふと石の裏側を覗き込んで見た。すると、そこには小さな像が倒れていた。
「?」
近くに台座のようなものがあった為、そこから倒れたのだろうと思い像を置き直す。その後、何となく手を合わせてからレイナは3人の後を追った。
どうも、今日本屋さん行ったら4千円飛んでった主です。
買ったのはなんかデッサンの本2冊なんですけど、2冊で約4千ってヤバ…ってなりました。
それでは、さよなら〜( ᐙ)/