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「Boomboxと付き合ってるの?」
Subspaceは突然そう問いかけてきた。
急になんなんだと疑問に思うが、面倒なので無視をする。
「⋯ほんとなの?」
彼は眉を顰める。
「事実ではある。が、お前が思うほど俺は彼を愛せていない」
「⋯なにそれ」
彼は俺に近づく。
「愛さなくていいんだよ⋯!君には僕しかいらないんだから!!!」
彼は本気なのか?
「僕のことだけ見てて⋯ねえ⋯」
手首を強く掴んでそう訴えるSubspaceを蔑む。
「気色悪い。失せろ」
「どうして」
手を振り払っても彼はしがみついて離さない。
ため息が漏れる、面倒な奴だ。
「おねがい、見捨てないで欲しいんだ、おねがい⋯」
涙を零して微かに震える彼の声と体。
「やめろ。触るな。」
「離さないで!!おねがいだから⋯そばにいて⋯」
「⋯」
私はそのまま彼を無理やり突き放して背を向けた。
_ふと、背中が熱くなった気がした。
途端に激痛に襲われてその場に倒れる。
「はは、刺しちゃった⋯ぁはは⋯っあはは⋯⋯っ」
不安定に笑う彼を睨みつける。
「なんで、そんな顔するの⋯?Medkitが悪いんだよ⋯?」
焦点の合っていない瞳。ふらふらとした足取り。
(正常じゃない⋯)
「い゛ッ⋯!?」
「ほらほら⋯痛いよね?辛いよね?でも僕はもっと辛かったんだよ痛かったんだよ⋯ほら同じ思いしてよ⋯同じぐらい壊れてよ⋯ねえ⋯」
頭を足で踏みつけられてぐりぐりと押さえつけられる。
恐怖で呻き声しか出せなかった。
「もうこのまま死んじゃおっか、最期の記憶に僕しかいないとか最高だね⋯はは」
刃物が突きつけられる。
「あ⋯___」
言葉を発する前に俺の命は奪われた。
「愛してるよ」
Subspaceの声が頭の中で響いた。