ドサッ
)「イダィ……ッ」
成)「…らだ…お?大丈夫か…?」ボソッ
成)「あ…その……」
成)「お前、頭強く打っただろ…? だから…頭! 痛…くないわけないか……。」
成)「えっと…、その…、そうだ! この鎖を解いてくr………」
)「……ッ」ポロ
)「ゥウ……」ポロポロ
バッ)立ち上がる
バサッ ダッダッダッ)らだおらしき男は、 フードを被り直し、そそくさと牢屋を立ち去った
成)「…」
成)「ぁ…」
成)(失敗しちゃった…)
成)(多分俺、動揺しすぎたよな…。そりゃ怖くなって逃げ出すよな…)
成)「…でも、きっとあの男は、、、」
成)(フードが外れた時に微かにみえた髪、顔、タトゥー……)
成)(そして…声)
成)(確証はないけど、、)
成)「らだおの可能性が高いな…」
成)「それを確認するためにも、、いっちょ大暴れしますかね…」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
[数分後]
ダッダッダッダッ
?)「おい、どうした?」
「それが、」
成)「ウワァァァ”“!!!!」ガシャガシャ
成)「いやだぁ”“!!!!!」ガシャッ!!!
成)「やめてくれぇぇッ!!
ヤダァ…ッ死にたくないッ……”“!!!!」
「…こんな感じで叫び狂っていまして」
「手がつけられずじまいなため、お呼びしました」
?)「…」チラッ
成)「ウッウッ…グスン……」
成)「来ないでッ…こっちに…」
成)「来ないでェッッ!!!!」ガシャガシャ
?)「ほぉ…?」
?)「わかった。私がこの場をもつから、仕事に 戻ってくれ」
「わかりました」
ギー…バタン
コツコツコツ)成瀬に近寄る
?)「おい、どうした113番?」
成)「ヤッ…ヤメテ……ッ来ないでッ」
成)「イヤダッ……」
?)「…」ジー
?)(なんでだ…?こうなった理由が分からん)
スッ)成瀬の顔を覗き込む
?)「…?」
ゴツン!)頭がぶつかる
?)「ア”!?」
成)「ウゥッ…やだッ…やめろ!!!」
ガシャッガシャ!!ドンッ
?)「ハ…?ウグッ…」
ドンッバコッガシャガシャ
?)「ゥ”ッ…グハッ…………」
成)「ヴヴッ……”“!!!」ドンッバコッ
?)「ゴホッ…ゲホッ………」吐血
ドンッバコッグチャッ!!
?)(…クソッ、鎖で 叩かれてるせいかダメージが大きい……。この感じだと、多分背中から大量出血をしている……)
成)「…やめろ、やめろ!!」ドンッバコッ
?)「だが、、」
バコッドンッ
成)「グッ…!?ゲホッ…ガハッ……」吐血
?)「吸血鬼を舐めてもらっちゃあ…」
?)「困るね」
スススッ) ???の傷が治っていく
成)「グフッ…ァウ…、、」吐血
成)(今、、何が起きた…?)
成)(なんで俺が出血して……)
成)(こいつの傷が治って………)
?)「…」
グッ)首締め
成)「アガッ…!?」
?)「…もう叫ばないでね?うるさいから」
成)「グッ…ウガァッ…ッッ!!」ジタバタ
成)(…息ができねぇ………”)ジタバタ
?)「チッ…、おいテメェ」
?)「次そういうことやったら、拳銃で殺すぞ」低音
成)「…ッア」
成)(…あぁ、やべぇ…意識が……)
視界が霞んでくる
?)「明日までの辛抱n……………」
成)(何て言って…)
バタッ
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
[数分後]
成)「チッ……、クソッ!!!!!」
成)「大量出血させたのに…!!」
成)「なんだよさっきの!!!」ハァーッハァー
成)「ウゥ”“!!!」
成)「……落ち着け俺、落ち着け」
成)「取り乱しても何の解決にもならない…。」
成)「それに、まだここから抜け出せるチャンスがあるはずだ…」
成)「…ハァ」
成)「また新しい作戦を考えないといけないのか…」
成)「だけどさっき、「次やったら殺す」てきなこと言ってなかったか……?」
成)「…どうしよう」
成)「ん、いや?もしかして俺、ーーーのていでいけるんじゃね…?」
成)「それなら…いけるか…? でも相手がそう思ってなかったら……?」
成)「いや、やるしかない」
成)「微かな希望にも賭けてみるんだ」
成)「なら、今からや………」ガシャガシャ
成)「…」グラッ
成)「ァエ? なんか視界が歪んで…」フラフラ
成)「さっきの出血のせいか?…それとも本当に……?」フラフラ
成)「…」ガシャッガシャ
成)「心の準備をつくる時間はねーってことかよ…。やってやんよ」
バタッ
[同時刻]
?)(多分だがあいつ、度重なる吸血で恐怖心が芽生えている)
?)(そして、その恐怖心に心や体が支配されて幻覚が見えてたんだと思う)
?)「明日までの辛抱だっていうのに…」
?)「まーそんなことはあとで考えて…」
?)「らだおくんのとこに行こっかなー?」
?)「普通に会いたいし…。 あと、これも使いたいし」ニコ
?)「あ、でもその前に113番にご飯渡しに行かないとなー……」
?)「だるッ……、どうせ食わないのに届けに行くの」
?)「あとでにしよっかな」
?)「あ、いや?待て…。あいつさっき出血してたよな……?」
?)「それ、治してないよな…??」
?)「ァーー、ご飯と救急セット」
?)「それと拳銃持って会いにいくか…」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
[牢屋]
ギー…
?)「113番、ご飯の時間だ」
?)「起き…ろ……、ッは?」
そこには鎖に絡まれて倒れ込んでいる成瀬の姿があった
その成瀬の周りには血でできた池もできていた
?)「…まずいッ」
ダッダッダッダッ
ドサッ)持ってたものを全て置く
?)「緊急手当が必要なのか…?」
?)「チッ、鎖が邪魔でどこで出血してるか分からん…」
?)「仕方がない…一旦鎖を外すか」
ガシャガシャッ カチャッ
?)「…よし」
?)「どこが傷口だ……?」ジーッ
?)「ここか…?」
?)「急がねば…こいつが死にかねない…」
ガサガサ
?)「止血キットとアイスパックと…あと……」ガサガサ
?)「ええっと………」ガサガサ
成)「…」
スッ
バンバンバンッ!!!!
チャリチャリチャリン…
……どういうことだ…?
なぜ今銃声がした…?
侵入者はいないはず……。
そして、なぜ
?)「グフッ……!?」吐血
私が倒れている…?
自分の目線がアスファルトの床とほぼ同じなことに違和感をもつとともに、頭に強い痛みが走る
もしや撃たれたのは…
?)「私…?」
?)(いや、でもどうしてだ?部下は今、ここにはいないはず……)
スタッ 「よいっしょ…」
声がする方へと顔をあげると…
?)「…!?」
拳銃を握りしめて、私を見下ろしていたのはそう…
成)「…笑。無様ですね?」
さっきまで倒れていた男だった
?)「…」
成)「お、何で俺が意識を保てているのか疑問に思ってそうな顔ですね?」
?)「…ッ」
?)「…血ハ……”ゲホッゲホッ」吐血
成)「あー血?それはさっきあなたが流してたでしょ?俺の血ではないよ、俺傷浅かったから止血するまでもなかったし」
?)「さっき倒れたのも…ッ演技か…!?」
成)「いやーー、あれは……」
成)「あ、傷口塞がってきてる…、だめだよ塞いじゃ……」
バンバンッ
?)「ゥ”グッ…!!?」
成)「まぁ、長話するつもりないし、早くらだおに会いたいからさよーなら」
バンバンバンッ
ダッダッダッ ギー…
成)(流石に頭に何発か銃を撃てば、回復するまでに相当の時間がかかるだろ…)
成)(というか、銃をそのまま地面に置くの警戒心なさすぎだろ……)
ヨロ
成)「おっとっと……」
成)(あいつの傷が治る前にらだおを……!)
ダッダッダッダッ
ダッダッダッダッ
成)(確からだおは…、俺がいた牢屋を出たら右に曲がって)
成)(俺の耳が正しかったら、そこから……)
成)「…!」
俺は他の扉とは明らかに違う、頑丈そうな扉を見つけた
…ロケランを撃ち込んでもギリ壊れないくらいの強度を持っていそうだ
成)「ここ…か…?」
スッ)扉に手をあてて開こうとする
ギー…
成)「…え、開く…」
驚くことに扉は開いた
扉を開けきるとそこには
ら)「!」クルッ
ら)「おかえりなさいませ!!主様!!!」
ら)「っえ…?」
成)「…は?」
らだおがいた
成)「…ッ……」
コツコツ…
だが、いつものらだおではない。どこか…違うような…。 そのことを問い詰めたいが、なぜか言葉が出ない、一言も。なんだか 言葉が喉に詰まっている気がする…。
ギー…バタン
ら)「ッだっ誰…」怯
そう体を震わすらだおは、いつも着ている警察服を着ていなかった…。 それだけではなく、 らだおが普段着ないであろう服を纏っていた。違和感の正体は…これか……?
成)「お…い、どういうことだよ…」
ようやくのことで声が出た
成)「らだお…、お前何されたんだよ…? 」
聞くなら今しかない
成)「なぁ、答えてくれよ…..」
ら)「…ッ」
ら)「怖い…ッ、逃げなきゃ…‥」ボソッ
成)「…?何か言ったか?」
ら)(主様にこのことを…伝えなくちゃッ!!)
成)「ちょ、らだお黙り込むのはやめよーぜ?俺になにか話せないことがあるのか?」
スッ)らだおに手を伸ばす
バシッ
成)「…ナッ!?らだお……!?」
ダッダッダッ
ら)(侵入者が、俺を襲ってこない理由は分かんないけど…)
ら)(いける…!逃げれる!!)
カチャ)ドアノブ
ガシッ
ら)「…ぇ」
成)「おい、らだお」
成)「どこに行こーってんだ?」低音
成)「今俺はお前と…会話してるんだぞ?」
ズサッ)らだおを自分の近くに引き寄せる
ら)「ヒッ……」怯
成)「……」
俺はらだおを正気に戻すためなら、なんだってする
成)(とは言っても、なんて言えばいいんだ……?)
成)(警察署に帰ろ?…か…?いや…、)
成)(らだおは今、俺を怖がっている。変に強く言い寄るのはさらに恐怖心を奮い立たせるかもしれないし…)チラッ
ら)「…」怯
成)「……ッ」
俺の頬に汗が伝う
成)「どうしよう…」ボソッ
ら)「…」
スッ
成)「…!?」
そのとき、俺の頬に何か温かいものが触れる
顔をゆっくりあげると、その正体が何なのかがすぐに分かった。
成)「…ッえ…?らだお……?」
それはまさしく、
らだおの手、だ。温かい。
でも……、なんで?記憶…戻ったのか…?
成)「らだお…記憶が戻ったのか…?」
頬にあるらだおの手を覆い被せるように、自分の手を添える
ら)「…ッ!?何してるんだ…、俺は…」
スッ)手をどける
成)「ぁ…え」
成)(記憶は戻ってないのか…。)
成)(でも…、分かった。 )
成)「…らだお?」
成)「俺、成瀬カニって言うんだ」
成)「俺とお前。警察官なんだぜ?それも市民から尊敬されるような、かっこいい警察官。」
ら)「…」ピクッ
成)「そしてな?俺は今でもお前と出会ったときを鮮明に覚えてるんだぞ…。マジで褒めてくれてもいいくらい笑」
成)「…あのな?らだお。」
成)「お前は誰にでも優しい…、それこそギャングにも…。それに実力もある。だから、らだおはたくさんの人に頼られ尊敬される」
成)「…俺は表面上では出してなかったけど、らだお。お前を尊敬してるよ…」ニコ
ら)「…ッ」
ら)(成…瀬…¿誰だ……¿知らない…。知らないはずなのに…ッ、一緒にいるとなんだか懐かしい気持ちになる…)
ら)「ウゥッ…ァ…ッ」
グッッ…
ギュッ
ら)「…ァ……?」
手を振り解こうとしたのに、なぜかさっきよりも強く握り返された。
ら)(なん…で……)
成)「……」
成)「らだお、お前を待ってるやつが警察署にたっっくさんいるんだ」
成)「それこそ帰ったら大変なことも多いと思う…。」
成)(特殊刑事課とか…ね)
成)「だけど、そんなことを感じさせないくらいに明るくていい場所だよ…」
ら)「ウゥ…ッ”… 」ズキッ
成)「猫マンゴーも特殊も黄金世代も…みんな待ってる」
ら)「ウグッガァッッ……”“」ズキズキッ
ら)(…頭がッ…痛いッ……)
成)「だからさ…、」
ら)(あぁ…、それ以上…喋らないでくれ…これ以上聞くとッ何か俺の奥底からッ、変な感情が溢れ出てくる……ッ)
ら)「ゃ…ヤメ……」ズキズキッ
ら)「イダ…ィ…、頭…ガァッ」ズキッズキッ
ギュッッ
ら)「…ァエ……」
成)「一緒に戻ろ…?警察署に」
ら)「ウグッ…ガッアアア”“!!!」ズキッ
ら)「ァッ…アアアア……”“」ズキズキッ
ら)「イダィ…ッ、イダィッッ”“……!!」ズキッッ
ら)(頭が…割れるッッ…)
成)「…らだお……?」
成)「もしかして…ッ…」
成)「記憶が…戻ってるのか……?」ポロ
成)(…あのとき、顔も知らない。名前も忘れてて知らない。…そんな状況だったのに、俺が焦ってるとき、心配そうな目で、手つきで、俺を安心させてくれた)
成)(やっぱり、絆ってすげぇよ…)
成)(記憶がなくたって…お前の体が…俺を覚えてたんだから………)ポロポロ
ら)「アガッ…ヒュー…、ウグッ……”」ズキズキッ
バッ)フラッシュバック
「らだお!おんぶして! ね!お願い!!」
「ユニオン頑張ったご褒美だから!」
「ちょーだい?」
ら)「…笑」
ら)「もーしょうがないな〜」
ら)「ほら、来ていいよ」
「やったー!!!!」
誰…¿なんで俺と親しげに会話して……
バッ
「青セン…、ロケランを撃つ許可をください……!!」
「この通りです!!」土下座
ら)「…え?笑」
ら)「何?笑、どうしたの急に笑」
ら)「んー、でも許可は出せないよー笑」
「なんでっすか!!!こんなにもお願いしているのに!!?」
「っ……ぼ、無理だ諦めよう」
「なんでっすかぁ…キ…ッ…!!」
ら)「…笑」
知らない…知らない知らない!!! こんな記憶は知らない!!
…でも、あれ?なんでだろ
ら)「涙…出てくる…」ポロポロ
ら)「ガハッ…ウッ……”“」ポロポロ ズキッ
グググッ)成瀬を強く抱きしめる
ら)「フゥーッフゥー……アガッ…」ポロポロ
成)「らだお…」
ら)「……猫…マンゴーッ¿」
成)「!らだお!!!」
ら)「ウッ”…!?フゥーフゥー…」ポロポロ ズキッッ
ググググッ…
成)「…ッ」
成)(…足から崩れ落ちそうだから、一旦座らせるか)
トスッ
ら)「…ウッグッッ”“!!」ポロポロ ズキズキッ
成)「…」
成)「頑張れらだお……」
成)「早く戻ってく………」
バンッ!!!
成)「!?」
成)「誰だ…!?扉が開いて……!」
ドンッ バコッ!
成)「ガハッ…!?」
俺は何者かに急に突き飛ばされた
成)「ウンッグッッ……」フラフラ
成)「…!?」
成)「お…前……”“」
?)「さっきはよくもやってくれたな…”?」
ドンッガンガンッ…
成)「グフッ…ゲホッゲホッ……!?」吐血 フラフラ
?)「あとお前ッ”…、」
?)「らだおに何をした…」
?)「叫び声が聞こえたと思い駆けつければ、頭を抱えて悶え苦しんでいるじゃないか”“……?」
ら)「ァウ…ガッグッッァ……」ズキッズキッ
?)「何をした…”?」
ドガッ
成)「ゥ”…フゥーフゥー……お前にッ…教えっかよッ……」ヨロ
成)「…お前に…らだおを渡してたまるかよ”“!!!」
ガンッドガッ
・
・
・
?)「ゲホッ…ゴホッガッ……」吐血
?)(ッチ…、さっき頭を撃たれたときの傷がまだ治りきってないから狙いが定まらん…)
成)「…ハァーッハァー グフッゲホッ…」吐血
成)(最初に突き飛ばされたときの反動が強すぎる…相手の急所に拳が当たんねー…)
?)「…ハァーッハァー」ヨロ
成)「!ここだ」
スッ
成)「ドクッ…」ヨロ
成)(…ッは……)フラフラ
成)(今…かよ……!?)フラフラ チカチカ
成)(栄養失調の…立ちくらみッ…..”“)バタッ
成)「…ッ…クソガッ………”」
?)「…はぁ……、」ヨロ
?)「ようやく倒れてくれましたか…」
?)「…113番?ちゃんと毎日ご飯食べなきゃだめですよ…笑。こうなっちゃいますからね…笑」
成)「ック……」
成)(やはり…気づいてたか……”)
?)「あなたを今殺そうと思いました、が。こんなにも互角に戦えたのは久しぶりなので、特別に。」
?)「貴重なシーンを見せてもいいでしょう…。」
成)「…何を言って……?」
スタッ コツコツコツ…
成)「おい!!お前ッ!どこに行くッッグッ…」
成)(クソッ…体が動かねー…”“)
成)(そっちにはらだおが……”!!)
ら)「フゥーッフゥー…ハァー…」ポロポロ ズキッ
ピタッ
?)「…らだお」
?)「顔をあげて?」
ら)「ンッ…ンー…ハァーッハァー」ポロポロ ズキッ
?)「…らだお?…顔あげて……?」
ガシッ)肩
ら)「…ンッ………」顔をあげる
?)「…」
?)「あー、なるほど笑。らだおを取り戻そうと頑張ってたんだ………。」
?)「その証拠に、私の指示が一回で通らなかったし、なにより牙が欠けてきてる……」
成)「……ッ」
?)「すごいよ。君。」
?)「でも、その努力が全て水の泡になる瞬間を君はこれから見ることになるんだよな…笑」
?)「可哀想に…」
スッ)注射器
成)「…ッ!?お前、今から何をするつもりだ…!?」
?)「んー?実はね。この注射器の中に入ってる液体は、警察の頃の記憶を全て消す効果があるんだよ…」ニコ
成)「…ッは…?」
?)「これでもう…、らだおは永遠に私の眷属。つまり、私のものになる……」
成)(まずい…、あの注射器を打たれたら…らだおは俺らを完全に忘れる…ッ…)
成)(俺と…みんなと…笑い合った日々の記憶全て……ッ)
成)(…そんなのいやだよ……忘れてほしくない……)
成)(俺にできることは何もないのか……?ただ見て、絶望して、殺されるだけなのか…?)
成)「……」
成)(…何か…持ってないのか…?今の状況を変えられる一手を…。)ガサガサ
ガサッ …
?)「…ほら、もうちょい嬉しそうにしろよお前。この場に立ち会えてるんだからさ。」
成)「…」
?)「まあいいか…。」
?)「いくよ…?らだお」
ら)「…成…瀬…ッ………」ポロポロ
成)「…」
バンッ
パリン…
ら)「……」パチッ
ら)「ぇ…」
目を開けると、自分の周りに注射器のガラスの破片とその中身が飛び散っていた
ら)「ナン…ぇ…?」
?)「…どういうことだ”“!?」
?)「なぜ注射器が割れ……」チラッ
成)「…ハァーッハァー……」カチャッ
?)「…お前の仕業か……”“!?」
?)「最後まで邪魔を…して…….”“!!」
?)「殺す…殺してやr………”“」
ドッカーン!!!!
?)「…何事だ…!?」
「警察だ!!!!手を挙げろ!!!!!」
?)「警…察……だと…!?」
?)「…ック…煙で何も見えねぇ…ッ”」
?)(まずい…、、捕まる……ッ…)
?)(でもロケランで突入してきたおかげで、警察も煙で前が見えない……)
?)(今のうちにらだおを連れて逃げ出せば……)
ガシッ
成)「…そうはさせねーぜ?」
?)「ナッ…!?お前ッ…離せッッ!!!」
成)「離すわけねぇーだろーがよ”“!!!」
成)「マンゴー”!こっちに来い!!! 」
成)「犯人はここだ”“!!!」
「!成瀬ッ!!」
ダッダッダッダッ
?)「クソッ”“!!離せッッ”“!!!」
成)「…暴れんな”“!!」
カチャッ)手錠
「よし」
?)「クッ…ソが……!!!」
猫)「…お前うるさい」バンッ
?)「グッ……」バタッ
成)「…マンゴーすげぇや」
猫)「成瀬!!らだおどこ!?」
成)「らだおは……」
皇)「大丈夫だ!!気を失っているが、らだおも無事だ!!! 」
猫)「!」
猫)「…ッよかったぁぁ……」ポロポロ
猫)「成瀬ぇッ、らだおぉッ……」ポロポロ
ギュッッ
成)「おあ」
猫)「うわあああん!!!」ポロポロ
成)「…マンゴー、迷惑かけたね」ヨシヨシ
成)「助けてくれてありがとう…」
猫)「生きててよかったぁぁ!!!」ポロポロ
煙が薄れてきた…、久しぶりにみる警察みんなの顔。
安心する。
成)「…あれ、安心したら急に眠くなってきた」
猫)「…成瀬?」ポロポロ
猫)「成瀬!?どうしたの!?」
猫)「しっかりして!!!」
ミ)「成瀬がどうした!?」
猫)「成瀬が…ーーーー!!!」
ミ)「ーーーー!?ーーーー!!!」
成)「らだお……よかっ…た………」ガクッ
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
[病院]
「ーーーーー」
「ーーー?ーーーー。」
「…ーーーー」
)(…人の声がする…)
)(聞き慣れた声…)
「ーーー…」
「ーー」
) (俺の名前を…呼んでる…?)
「ーーー、起きて…」
「起きてよ…」
)(もうちょい寝たい…。でも、 起きなくちゃ…)
)「ンゥ…ンー」
)「おはよ…」体を起こす
)(おはよの時間帯なのか…?ま、いっか)
「え!?起きた!?起きた!!!!」
「らだおが起きた!!!」
『みなさん、らだおが起きました!!』
『え!?まじで!?』
『会いに行く!! 』
(起きてくれて嬉しい…!!けど、俺のこと分からなかったら…記憶喪失になってたら……?)
「…らだお…おはよ」
ら)「うん、おはよ」
ら)「成瀬」
成)「ああぁーーー…!!呼んでくれたぁ…嬉しすぎる…….」
ら)「名前呼んだだけで、そこまで喜ぶの……?笑」
成)「そりゃそうだろ!!!」
ら)「…笑。ならよかった」ニコ
成)「起きてばっかで悪いんだけどさ…」
成)「お前のことを攫った吸血鬼がな…?」
ら)「うん」
成)「本署へと連行しているときに死んだらしいんだ…」
ら)「ッえ…?なんで……?」
成)「それがだな?連行するとき、ちょうど夜明けの時刻だったみたいで、みこだとまるんが日光で死なないように布とかで吸血鬼の体を覆ってたらしいんだけど…」
成)「急に暴れ出したらしく……」
成)「そのまま日光に焼かれて灰になった(死んだ)らしいんだよ…」
ら)「……」
成)「でな?死ぬ間際にこう言ってたらしいんだ。」
?)「これも一種の愛情表現…、あの世でもまた会え………」
成)「って。そこからなぜからだおの状態が悪くなって、緊急手術。緊急入院にまでなったんだよ」
ら)「そう…だったんだ……」
ら)(主が死ねば、眷属も死ぬ…ね。なんでだろ…これだけ覚えてる……)
ら)(でも俺は死ななかった…。なんでだ?みんなのことを思い出したか…ら……?)
ら)「…そう…なのかな……」ボソッ
成)「あ、らだおはもう一切この事件に触れなくていから!!他の警察がこの事件担当することになったからね……」
成)「…ごめんな?目覚めて早々こんな話で……」
ら)「ううん…。成瀬のせいじゃないよ…。逆に教えてくれてありがとね…」
成)「うん…」
成)「空気重すぎるから…なんかボケるわ……」
ら)「え?急にどうした?笑。さっきの話なら気にしてないって」
ら)「俺を攫ったやつが死んでせいせいしたし」
成)「…俺がちょっといやだから……」
成)(この手で殺したかったッ……クソッ”“…)
ら)「あぁ、おっけ笑」
成)「…」ムスッ
ガラガラガラ
成)(お”。みんな来たか〜”“?)
「失礼します。」
成)(あ、あの子は…)
ら)(…?誰だろ…)
成)「あ、どうも〜”!!お久しぶりですね!元気してますか〜”“?」
ら)「ちょっ、成瀬なんで怒り口調なの…」焦
「はい、おかげさまで元気にしてます。」
「…あ、あの。らだおさんですよね?」チラッ
ら)「あ、はい!初めまして〜…ではな…い?」
「はい、初めましてではないです。らだおさんが眷属のときにお世話になったものです!あのときは助けてくださりありがとうございました!!」
ら)「あぁッ!!それは申し訳ありませんでした……。警察なのに辛い思いをさせてしまって…」
「いえいえ…!私もこうして生きていますし、お元気そうならよかったです!!」
ら)「!…わざわざ来てくれてありがとうね」 ニコ
「はい、それでは失礼しました。」ニコ
ガラガラガラ
成)「らだおの笑顔あざとッ……」
ら)「…ん?なんか言ったか〜?」
成)「いえ!何でもありません!!!」
ら)「…笑」
[数分後]
成)「あ、そうだ。さっき、警察無線でらだお起きたこと知らせたから」
成)「みんなここに来るよ」
ら)「……」パチクリ パチクリ
ら)(ん、?目が痒いな…)ゴシゴシ
成)「らだおー?聞いてるかー?」
ら)(お、痒くなくなってきちゃー)ゴシゴシ
成)「え、ちょ!無視すんなよ!!」クルッ
ら)「んぁ…?どうした……?」ジワッ…
成)「えー?だから…」
成)「ってお前……!?」
成)「ふざけんなよぉ……!!ガチで!!」
ポロポロ
ら)「ぇ…?え、何?急に泣き出さないで……!?」
成)「うわぁぁぁ!!もう…、泣くの堪えてたのにぃ……!!泣くなよぉ……」ポロポロ
ら)「う…んーー……?」
ら)「…あ、そゆこと……」
ら)(さっき目擦ったときに出た涙のことを言ってるわけね…?笑)
ら)(ん、でも…)
ら)「ありがとう、成瀬」
成)「んぇ……?」ポロポロ
ら)「助けてくれたんでしょ……?」
成)「!」
成)「そうだよー!!!!すんごく頑張ったんだよぉ…!!!」ポロポロ
ギュッッ
ら)「おあ」
ら)「…」ニコ
ら)「ありがとね」ヨシヨシ
成)「らだおぉーッ……」ポロポロ
ガラガラガラ!!
猫)「らだお!!!!!」
ゾロゾロゾロ
皇)「らだおーーーー!!よかったー!!」ポロポロ
ミ)「…よかった」ポロポロ
ぺ)「うわあああん…!!らだおーー!!」号泣
ら)「あ!みんな〜」
猫)「らだおー!!よかったぁ〜〜!!」ポロポロ
ギュッッ
ら)「おわ!」
ら)「どうしたー?マンゴー」ヨシヨシ
猫)「…」ポロポロ
猫)「本当によかったぁ…泣」ボソッ
オ・ネ)(微笑まし……)ニコ
猫)「…成瀬、狭いかららだおから離れて」ポロポロ
成)「いや、無理無理無理」ポロポロ
成)「マンゴーの方が離れてよ」ポロポロ
猫)「久しぶりのハグだから嫌だ!!」ポロ
成)「俺だって久しぶりだよ!!」ポロ
猫・成)「…」
ま・み)(あれ、なんか雲行き怪しくね…?感動の再会ですよね…?これ)
猫・成)「今すぐらだおから離れろ!!」バチバチ
ら)「ちょちょちょっ…、喧嘩しないで!2人とも………」焦
猫・成)「無理!!!」バチバチ
ら)「うぇーー…?」
オ)「…でもよかったな、らだお……」ポロポロ
み)「だおパイセン……ッ」ポロポロ
つ)「…ッ」ポロポロ
キ)「つぼつぼを泣かせるなんて、らだおくんすごいな……?」ポロポロ
ら)(へへ、嬉し)
つ)「…あの…青セン…、ロケラン一回だけ浴びてもらえますか……?」ポロポロ
ら)「え、ちょっ!?やめてつぼ浦…!?」
つ)「…流石に冗談っすよ…青セン……」ポロポロ
ら)(ホッ…よかった……)
キ)「…よく冗談で止めれたな…つぼつぼ…私ならもう打ってるぞ………?」ポロポロ
ら)(キャップ…!?)
ま)「らだお先輩…、生きてた…」ポロポロ
ら)「俺を勝手に殺さないで!?」
ネ)「…4日間昏睡状態だった人には言われたくないよぉ……。心配したんだから……」ポロポロ
ら)「4日間も…っすか…!?」
ら)(そんなにだったんだ……)
成)「そうだよ?」
猫)「ずっと寝てたんだから…!!」
ら)「…ごめんよー?起きれなくて……」
成)「許さん」
ら)「許せ」
猫)「無理」
ら)「ごめんて」
ら)「…あ、そういえばさ」
皇)「ん?どうしたんだ?」
ら)「記憶断片的だからあんまり覚えてないんだけど、、」
ら)「みんなが突入して少し経ったくらいで、成瀬倒れてなかった?なんで倒れてたの?」
ら)「実はちょっとだけ意識あったんだよね」ボソッ
ミ)「あーーそれは….」
成)「それは!…お、お前のために勇敢に戦って疲れ果てたからd……」
皇)「それはな!成瀬が栄養失調だったからだぞ」
ら)「え。」
成)「…ちょっ!皇帝…ッッ」焦
皇)「…?どうした?」
ミ)「…笑」
成)「…」焦
ま)「え、今カッコつけようとしました?」
み)「え、だよね」
成)「お前らあとで潰すぞ」
ま・み)「え」
ら)「…笑。そうカンカンすんなよ、成瀬」
成)「…そんなこと言うなら言っちゃうけどー?」
成)「助けるときに着てたらだおの服可愛いかったなー」
ら)「…!?ハ、おま……!! 」
ぺ)「え、だよね!可愛いかったよね〜」
ぺ)「もっかい見たいよ………あ。」チラッ
ら)「…ぺいんなんてもう嫌い……」ムスッ
ぺ)「え、なんでぇ……?嫌いになんないでよ…泣」
ら)(…笑)ツン
ぺ)「らだおぉー……」号泣
ら)「…笑。嘘だよ、嘘。大好きだよぺいん」
ぺ)「ぇ…!本当!?よかったぁ…」ポロポロ
キ)「ん、あ。でもあのときの服まだ処分してないけど着るか?」
ら)「嘘だろ…?」ボソッ
オ)「オルカヘリしてて見れてないから見たいなー…」
ネ)「僕もヘリしてたから…同意見」
ら)「いやー…着たくないっ……」
つ)「…笑。着させましょう、キャップ。」
ら)「つぼ浦〜?」圧
つ)「いや冗談っすよ笑、青セン」
みんな)「笑笑」
ら)「でも…、」
ら)「みんなのおかげで今の俺がいるんだよな…」
ら)「だから、」
ら)「助けてくれて…」
ら)「本当にありがとう!!!」ブワァッ
俺はそのとき、熱い涙を溢した。
さっきみたいな感じのではなく、
俺が溢したいと思った…
本当の意味での
涙を。
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そして今。
ら)『らだお出勤しまーす!おはようございます!!!』
久しぶりに入った警察無線で言う挨拶。
なぜか少し、懐かしさを感じる。
『おはよーー!!らだお!!』
『久しぶりだね〜!おはよ!』
『おはよ〜〜!』
『来たーーー!!!おはようございます!』
挨拶をみんなが返してくれる
これも懐かしい…。
ら)「…」ニコ
『え、らだお!?おはよ!!!今どこ!?』
ら)「え、?笑。急にどうしたんだろ…笑」
少し戸惑いつつも質問に答える
ら)『んー?本署の屋上だよ〜』
『わかった!今からそっち行く!!!!』
『待って俺も行く!!』
『ズルイズルイ!!俺も!!!』
『ならみんな〜?本署の屋上集合で〜〜』
『了解!』
ら)「…笑」
ら)「俺って幸せ者だな……」ニコ
こんな無線のやり取りを聞いたら、俺がそう思ってしまうのも仕方がないだろう
フューーーー
ら)「…いい風」
綺麗な風の音。
それは俺の背中にも、仮面をつけてる顔にも、体全体にあたっている。
でも、いつもの風とは違う…
暖かくて
心地がよいもの………。
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分岐2[青空の下で君を待つ]
happy end
コメント
5件
さいこぉぉぉぉ!
めちゃくちゃ最高なハッピーエンドだぁぁぁぁ( ; ; ) バットエンドの 悲しさ と、ハッピーエンド 嬉しさ で感情がおかしくなりそうです