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元ゲーマー社会人のお話。

第92話 - 第92話

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2025年05月17日

#nqrse

#実況者

#夢小説

#夢主

ほしみや

自分は動くことが出来ず、

不甲斐なさを呪うばかり。

成瀬）… 、

素直になれない病気を移されたか …

なんて、茶化してる場合じゃねえんだわ。

思考をぐるぐると巡らせていると、

カタと静かに音がした。

部屋出たのかな …

って、音1つで色々考えんのきもいな …

重いのは、良くないから。

成瀬）ん゛ ……

考えて、考えて、考えて。

やっぱり、ちゃんと言わなきゃだめだ。

そう思い、リビングを隔てる扉を開くと、

玄関が目に入る。

これは当たり前なんだけど、

当たり前じゃない光景が。

成瀬）まどか … ？

靴が無い。

嘘、出てった … ？

そんなわけ、

そう思って彼女の部屋へ入る。

でも、誰もいなくて。

スマホさえ置きっぱなし。

… 単に靴をしまっただけかも、

そう思ったものの、

彼女がいつも履いている靴は無くて。

家中を歩き回っても、

人の気配は感じられなくて。

絶対いないであろう押し入れまで探したけど、やっぱり居なくて。

リビングにあるソファに腰掛ける。

どうしよう、どうしよう、どうしよう。

俺がもっと素直に話せていたら、

必然と零れる涙。

成瀬）ぅ゛っ、…

嫌われた、？

もう二度と帰って来ないかも、

連絡手段も無い、

だめだ、為す術が無い。

ぼろぼろと溢れて止まらない涙。

すると、ガチャと音がして、

玄関の扉が開く音がした。

成瀬）！

音がして、顔を向ける。

蒼葉）なるせ、ただい … ど、した … 何泣いてんの、

その姿を見て、どうしようもなく安心して。

彼女の元へ駆け寄る。

成瀬）まどか、ぁ゛っ、…

蒼葉）ぅゎ、… どうしたの？

俺を抱き締めて優しく背中をさすってくれて、

その優しさがとても嬉しくて、

涙は簡単に止まってくれない。

暫くして、

蒼葉）…… 落ち着いた？

成瀬）っ、ん …

蒼葉）良かった … 何で泣いちゃったの。

成瀬）夕飯の、とき … まどかのこと怒らせちゃって、気付いたら靴無かったからっ出て行っちゃったかと思った、ぁ゛ …

話していて、また辛くなって。

涙が溢れそうになる。

蒼葉）！ … ごめんね、？

その涙を優しく指で拭いながらそう言う彼女。

蒼葉）仕事で疲れてて … 余裕無かった、ほんとごめん、

成瀬）ん …

その一言に安心して。

蒼葉）だから仲直りしたくて、コンビニにお菓子買いに行ってたんだけど … 声かければ良かったね、ごめんね、

どこまで行ってもこの人は優しくて。

そういう所が大好きで、

でも、他の人にもこういう面を見せているんだろうなって嫉妬して。

… 最低だ、俺。

成瀬）… ううん、大丈夫。

蒼葉）大丈夫じゃない顔してる。

成瀬）ぇ、

蒼葉）思うことがあるならちゃんと言って、って … この話何回目ですか。

む、と口を尖らせて怒る彼女。

成瀬）…… まどか、怒ってるでしょ、って言ったじゃん。

蒼葉）うん？

成瀬）あれは … 本当に怒ってなくて、

蒼葉）ぇ、尚更ごめんじゃん。

成瀬）それは大丈夫 … でも、最近1人が辛くて … まどかが居ない時、ずっとまどかのこと考えてて、仕事してるまどかは、俺にだけ見せて欲しい表情を他の人に見せたりしてんのかな、とか考えちゃって、どうしようもなく嫉妬して … こんな、重い俺じゃ嫌われちゃうなって分かってんのに … 結果的に怒らせちゃ、っ … ？

至近距離にある、彼女の顔。

彼女は俺の口を塞いでいて。

蒼葉）… うるさい。

成瀬）ぇ？

蒼葉）うるさいよ、なるせ。

成瀬）は、？

蒼葉）私がいない間、私のこと考えてくれてんの？ありがとう。私のために嫉妬してくれんの、超好き。ありがとう。重いとか何それ。愛が重いと嫌われちゃうとか、勝手に決めないでよ … ゎたしも、なるせが他の女の人見てたら、っ嫉妬、するし …

頬を赤らめてそう言う彼女。

凄いよね、ほんと。

この一言でポジティブになれちゃう。

成瀬）… ふ、そっか。

蒼葉）ん。