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入浴を終え 床に着こうと寝室の扉を開いたのだが、呆れた
「シグマくん手、出してよ」
ベットの上に誘惑する様に横たわる自身の恋人を見て溜息を付く
「悪いがお前にそういった行為をするつもりはない」
「ちぇーっ」
私の言葉を聞いた彼は子供のように頬を膨らませた
「本当は今も耐えられないんでしょー?がぶっといっちゃおうよ、ね」
私は所謂「フォーク」だった
だが、ケーキを食べるのを拒み続けていた
恋人であるゴーゴリに対してもその考えは揺ぐことは無く、
結局今まで手を出した事は一度たりとも無い。
「はぁ、、、、、、、、、、お前は自分を大切にしろ、、、、」
きょとんとした様子の彼をそのままに横からベットに入り寝転がる
「あ!!ずるい!!!!」
寝る前に叫んで来るのは五月蠅いのでやめてもらいたいが注意する気力もなくシカトする
すると飽きたのか、向かい合わせになるような体制で彼も眠りにつく
眠気に身を委ね、私は眠りについた
「お早うゴーゴリ」
「ふふ、おはよ」
彼はまるで純粋無垢な子供のように悪戯に笑った
「えー、僕またおうちに一人ー寂しー?」
二人で朝食を摂っている時、ゴーゴリはこんな事を聞いてきた
確かにずっと家に留守させるのは悪いとは思っているが、身の安全が保証出来ない以上迂闊に外には出せない
「しょうがないだろう。今週の土日有給休暇とってやるから我慢してくれないか?」
どうにもこうにも腑に落ちないみたいで
つまらなさそうにミニトマトをじっと見ていた
「すまない、付きっきりで居てやれたら良いんだが」
「どうしようもないのは知ってるし、別にこのままでいいよ」
半ば諦めているのか欠伸をしながら答えた彼に申し訳なくなってしまって
自分の分の食器を片し、足早に家を出る
前々からゴーゴリの自身の命を軽視する思考にどこか違和感を持っていた
言動、行動、その全てに希死概念が垣間見えてしまう
だから聞いてみることにした
「なんでお前はそんなに食われたいんだ?」
「何って、ケーキはフォークに喰われてから人間になるんだよ
切り付けられて、犯されて、無理矢理体液を奪われるよりも全部受け入れたら楽になれるでしょ?
解ってないなぁ、最後くらいは愛する人に捧げたい乙女の性ってやつだよ」
月光に照らされる君は何処か儚げで、甘美で、見とれてしまう
「それでも、私はお前を大切にしたい。」
拍子抜けした表情は物凄く珍しく、ついついまじまじと見つめる
「全然変わんないね、そんな君も大好きだけどさぁ」
全く、、、、私の恋人は変わらない、
「そんな事せずとも、愛してるぞ」
私達も、いつか離れ離れになってしまう日が来るのだろうか
それでも、私は、