テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
お豆
1,013
28
初編
今日は気持ち久々に外に出てみようかなって思ってるんだ
ん〜久々って言っても2日ぶりくらい…?
私は玄関のドアを開けて外の息を吸った
『はぁ〜!今日はいつも窓越しからみる天気よりいい天気に見えるなぁ』
まさにそのとおりここ数日間は曇りや大雨でたまに雷が降るほど最悪な天気まみれだった
隣の部屋の玄関が開いてケアテイカーが出てきた
前よりも傷が増えていて服では覆い隠せていない包帯がチラチラ見えていた
目の下にはクマができていてしばらくも服も脱いでいない様子だった
「あ…おはようございます、会うのは何日ぶりでしょうか」
『あ!えへへ、おはよう〜、会うのは1週間ぶりだね』
「ああ、そんなに私たち会っていなかったのでしたっけ」
私はびっくりした
ちょっと失礼かもしれないけど忘れるの早くないかなって
「あっ!ごめんなさい、大丈夫ですよしっかり覚えてます」
『ふふ 、やっぱり覚えてなかったんだ』
「なっ…覚えてますよ、さっき思い出しました、確かあなたがお守りくれたましたもんね?」
彼女は不安そうな顔をしてそう聞いてきた
『そういえばそうだったね!お守りどうしてる?』
「もちろん、私の寝室に飾ってありますよ」
『えへへ、やった~』
「あの、ごめんなさい、話が反れるんですけど、お礼でこの薔薇を渡したくって」
彼女の手には白くて綺麗な薔薇が握られていた
「ごめんなさい、一本しかいい感じに咲かなくって」
彼女の目には少し涙が溜まっていて申し訳なさそうに私に薔薇を差し伸べてきた
『謝らないで、十分嬉しいよ、私もこの薔薇飾らせてもらうね』
「あはは…やった…じゃ、じゃあ私は行かなきゃいけないので、ここで」
『わかった!!じゃあね!』
彼女は逃げるように去っていった
どうしたんだろう…
とも思わず、私はもう理由はわかっている
彼女は酷く病んでしまっている
サバイバールームではヒトリで話しかけられることすらない
なんならもう空気のような扱いで酷かった
彼女の精神は脆く酷くすぐ割れてしまうプレパラートのようだ
私は薔薇を家に入れ
たった一つの大きいコップに水を注ぎ栄養剤を入れて薔薇を日の当たる寝室に置いた
やがて時間はたち夜の9時になろうとしていた
足音もないし彼女は帰ってきていないだろう
流石におかしいと思った
彼女の勤務時間は18時まで3時間も遅れている
そう思ったときコツコツと階段を登ってくる音が聞こえてきた
私は玄関から飛び出しておかえりと言おうとした
だけど言えなかった彼女の酷い顔を見ると
「あ、こんばんは、えっと…どうされましたか?具合でも悪いですか?」
心配なのはこっちだよ
こんな…こんな酷い顔になっちゃって…許せないよ
『ねぇ、大丈夫?服に血が付いてる?』
「だ、大丈夫ですよ〜…こんなの洗えばなんとかなります」
『それならいいんだけど…』
「あっ、そういえば明日もなにかあなたに渡してもいいですか…?」
『ああ、もちろんいいよ〜!楽しみに待っとくね』
「あはは…期待しても良いものではないですし…あまり期待しないほうが得ですよ、じゃあまた明日」
『うん、また明日』
彼女が家に入る瞬間顔が暗くなっていった
そういえばなんだけどここのマンション壁が薄くってね
声が丸聞こえなんだ
幸い彼女の部屋は角部屋で声は私にしか聞こえてないんだけど…ね、
かなり酷いのだよ彼女の声が聞こえてきてて
とても辛そうだったんだ
ああ、今も聞こえてくる
一般人が聞くと到底パニックになるほど辛いんだ
「ごめっ…ごめんなさい…許してくだ…さい、痛いのは、もう嫌なんです、お願いッッ…お願いですから」
泣きそうな声でそう言って…この声がほとんどの晩に聞こえてくるんだ
「や…やだ、いやです、勘弁っ…勘弁してください」
「ひっ、だめです、あの人は、関係ないんです…だからッッ…あの人、の、家に、だけは」
ダメだよ。私の心が引き裂かれそうなほど辛くて
寄り添ってあげたかったんだ
でも彼女は純粋に拒否してくるから今も部屋には入れていない
「あの人の、家に来る、くらいなら、私の家に来て、ください」
どうやら今は脅されているそう
なんの話なのかはわからないけど虐められているのかな?
明日は出勤しなきゃいけないしそのときに色々な人に聞いてみようかな
「はい、あ、ありがとう、ございま、す、では」
電話は終わったらしい
今日も辛そうだった
そして朝になった
昨日の声が染み付いて離れない、辛い
勝手に聞いた私が悪いけどやっぱり辛いよ…
今日も彼女は出勤だし一緒に行こうか迷っている
そして今は彼女を待っている
少し気持ち悪いかな…まあいいか
と彼女が出てきた
「あっ、あの…おはようございます、昨日の会話…聞こえてました?」
『えっ、ああ、ごめんね勝手に聞いちゃって』
「あっあっ、謝らないでください、私が悪いので、私が騒がしくしちゃったせいで…」
『大丈夫大丈夫、気にしないで、聞きたいことがあるんだけど、君って虐められてる?』
「! 虐められてないですよ大丈夫です」
彼女の顔は一瞬青ざめたがいつもどおりニコニコの顔に戻った
『そっかー!!じゃあさ一緒に出勤しない?』
私は呑気に一緒に行こうと誘った
「あ、あのごめんなさい、今日は行く前に、寄り道しなくちゃいけなくて、ごめんなさい、明日…いや明後日でもかまいませんか?」
『ああ!!そうだったの?わかった、じゃあ先に行くね!』
「ごめんなさい!少しかまいませんか?あの、昨日言ってた物渡してもいいですか?」
私の肩を触って引き留めようとした
『そういえばなんか言ってたね!貰ってもいいかな?』
「ええ、もちろんです、あの、こんなしょうもないものなんですけど…」
彼女は不器用に作られたおにぎりを4つほど袋に入れて持ってきてくれたらしい
『わぁ!!やったぁ!今日これ食べてもいいかな!』
「あはは…よかったら今日一緒に食べませんか…?」
『ええ!いいの!??一緒に食べよ〜!』
「ふふ、もちろんですよ、じゃあ、また、お昼」
『うん、じゃあ』
私たちはマンションから降りた先で別れた
が!私は彼女についていった
なにをしに行くのかが気になって仕方がなかった
着いた先はちょっと雰囲気の悪い町だった
彼女は目的地に着いたのか誰かと話を始めた
私は近くの物陰に隠れて聞くことにした
「あの、ごめんなさい、遅れちゃって」
勢いが良かったのか音が響き渡る
「ぇぇ?ごめっ…ごめんなさい…痛い、です」
男が怒鳴って五月蝿くて今すぐにでも殴りにかかりにいきたかった
でも行けなかっただってバレたくなかったから
彼女はついに床に尻をついてしまいまた男に殴られていた
「や、やだ…いたっ…ひっ…やだ…やだやだ、死にたくない!!誰か、助けて…」
痛々しい声が響いて泣きそうになっていた彼女は相手のされるがままに殴られていた
なんで彼女はこんな目に遭っているんだろう
不思議で仕方がなかった
「ひぐっ…ひっ…わ、わかりました…では」
「仕事…仕事に行かないと」
彼女は自分の回復瓶を少しだけ自分に塗って電車に乗ろうとしていた
『やばっ…私も乗らないと間に合わない』
私はヒッソリと彼女の乗る電車に乗った
「ふっ…ひぐっ…ぅぅ、なんで私が…だめ…だめですね、耐えないと」
彼女は涙を拭いで元気がないようにガラガラの場所に座っていた
その後昼の時間になって私のところに彼女が来た
↷
今回はここでおわりっ!
今後こういう感じで進んでいきます〜!
辛すぎてトモコレ途中で挟みながら書いてた(血涙
_____________________
コメント
1件
第2話読み終えたよ…めっちゃ重いけど、グッときた。 隣の人の異変に気づいてる主人公の視点で、壁越しに聞こえる泣き声や謝罪の声が生々しくて、胸がギュッてなった。助けたくても入れない、見守るしかできないもどかしさがすごい伝わってくる…。それでもおにぎり作ってくれたり、薔薇を飾ったりする小さな優しさが救いだね。続きが気になるし、彼女の過去や何に怯えてるのか知りたい。ださん、熱量高めで書いてるのわかるわ…次も待ってる!