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お豆
1,012
28
中編
昼頃私たちは一緒の席で彼女が作ってくれたおにぎりを食べた
「どうでしょうか…?」
『ええ!!すごく美味しいよ』
「あの、ごめんなさい、しょっぱくもないですか…?」
彼女は不安そうな顔をして私のおにぎりを見つめた
『ううん、ちょうどいいよ、えへへ、こんなの毎日食べれちゃうな』
私が静かに微笑んでそう伝えた
「なっ…そんなおもってもいないことを言わないでください、まあ美味しかったならいいんですけど…」
彼女の顔は照れたように少しだけ赤くなっていて可愛らしさがあった
『えぇ〜思ってるよ?ああ、思ったんだけど君は食べないの?』
「ああ、私は大丈夫ですよ、その、食べれなくて、なんかおにぎりとか固形物を食べると吐いちゃうんです」
申し訳なさそうにその事実を伝えられた
「ごめんなさい、ご飯中なのに、こんな話…」
『大丈夫だよ、話してくれてありがとう』
「こちらこそ、こんなしょうもない、話、聞いてくれてありがとうございます、ひぐっ…」
ああ泣いてしまった、泣くほどご飯を食べるのが辛かったんだろうなと考えながら
泣く彼女に私はハンカチを渡した
「ありがッッ…ひぐっ…とうございッ…ます」
彼女は笑みを浮かべて涙を拭いた
そしてそのまま俯いて顔を隠してしまった
『今日は早退する?休んだほうがいいよ』
「そうですね、わかりました、今日は帰ります」
そう言って彼女は帰る支度をして私と早退していった
「あはは…ありがとうございます、ではまた明日」
彼女が部屋に入って時間が経つまでもなく誰かが彼女の部屋に入ってきた
「ひっ…わか…わかりました、わかりましたから!!お薬飲みます、から、ひっ…んっ!?いた…いッ…痛い…やだ、許して…」
「飲みますから…っ…………」
血か水かわからないけどポタポタとなにかが落ちている音がする
「いだ…いた…い…や…」
「許して…いた…い、の、」
「! なに、それ…ひっ…いや…やだ…」
金属の強い強打音が聞こえてきた
それもなんども
彼女の浅い呼吸がこちらにまで伝わってきていて胸が締め付けられた
そして男は気が済んだのか玄関から出て下に向かっていった
そして次の日
彼女が出てきた、無数の絆創膏と湿布、片目は包帯まみれだった
前についていた腕の包帯もさらに付け足されていた
私が放心状態になっていると彼女は不思議そうな顔をしてこちらを見つめてきた
「あの、おはようございます、どうかされましたか?」
『ああ、なんでもないよ!ただその…どうしちゃったのかなって』
「ああ大丈夫ですよ、これくらい一日で治ります、なんて言ったってロブロクシアンですから」
『ああ、そうだね…今日はゆっくり休んでね』
「あはは…もちろんです、今日はまったりしますね」
『うん、じゃあ』
今日も彼女が傷つくのかと思ったら反吐が出る
なんでここまで彼女に執着するのか
とまた彼女は男に暴力を加えられているようだ
どうやら彼女の家に住み着いたらしい
「お願ッ…お願い…彼は関係ないの!ひっ…いた………痛い…やめ!やめて!大事なものなの…」
バキッという音が聞こえてきた…おそらく私たちがいつも身につけているケア組の証拠を割られてしまったらしい
「あっ…う…うぅ…う…うああああん!!ひぐっ…うっ…」
びっくりしたのか玄関からドタドタと誰かが出ていくような音がした
そしておそらく彼女だろうという人が出てきて私の家にピンポンを押してきた
『はいはーい!』
ドアを開けた先にいるのは涙でぐちゃぐちゃになっているケアテイカーが立っていた
「あのっ、ひぐっ…ごめんなさい、これ、壊れちゃって…」
『あ、そうなの?じゃあ直しておくから夜に取りにおいで』
「え?いいんですか…?」
『えへへ、これくらい、かまわないよ』
「本当にありがとう」
そしてその後は彼女にはなんの害もなく
夜を迎えた
私の手元には直った飾りそしてピンポンがなった
「わ…わぁ!!本当に直してくれたんですね!ありがとうございます!」
彼女は溢れてきた涙を拭いて私を抱きしめてきた
『すごく嬉しそうで私も嬉しいよ〜!』
私は抱きしめ返しながらまた壊れないようにと優しく飾りを握った
そして抱きしめ合いが終わり改めてすごい量の感謝をされた
そんな大したことではないと言っても感謝を続けてくれた
彼女の幸せはこの数十分…いや数時間も使っている
そしてそのあとは…
男が話している最中に割り込み無理やり彼女を家に連れ込んだ
そして彼女の部屋からは怒鳴り声が鳴り響き
殴るような音がずっと聞こえてきた
「ひっ…ふぐっ…や…やだ…やめて!待って!!ひぐっ…ふう…ふう…」
今回は少し違う高い音が鳴った
男は更に怒りだしたのかさっきよりもより音がグロく低い音に変わっていった
ずっとずっとぐちゃぐちゃという不快な音が聞こえてきて
すごく不安になった死んではいないかと心配になるほど
そして朝を迎えた
今日はいつもより早くに起きて朝日を見ていた
「…あの、お、おはよう、ございます、きょ、今日は、早いん、ですね」
私はかなりびっくりした
昨日のあの状態から豹変して
初めて会ったときほど綺麗な状態になっていた
片目も完治したかのような状態に戻っていた
『なんで…なんでそんな状態なの…』
「えっ?私、そんなに、へ、変、ですか?ごめんな、さい…こんな、み、醜い、状態で」
いや違う
これはいつもの彼女ではないどこか言葉がおかしい
いつもはこんなに詰まっていないのに
スラスラと言っているはずなのに
『ねぇ、前さお薬飲むって言ってたよね?』
「え、あ、はい」
『そのお薬の副作用ってやつじゃないの?』
「わかんない、です」
『…お薬無理して1日に飲み過ぎてるわけじゃないよね?』
「ひっ…ひぐ…ごめッ…ごめんな、さい」
『じゃあ、服用抑えよう?』
私は優しく彼女の頭を撫でてそう言った
彼女は涙を溜めてこういった
「でもっ…でも、飲ま、なきゃ…飲ま、ない、と、怒られ、ちゃう」
『そんなの無視すればいいじゃん』
「でも殴っ…怒、怒られ、ちゃうん、ですよ?」
『じゃあうちで暮らそ?』
「でも…でも…また前、みたい、に、連れられて…」
『私が守る』
「ッッ…大丈夫です…なんとか、なり、ます」
「あはは、なんとか、なるん、ですよ、きっと、あは、あははは」
そう言って彼女は部屋へ帰ってしまった
そしてまた彼女は音に脅されお薬を強制させられている
「ひっ…いや…いや…もう飲みたくない」
「げほっ、うえっ…ごめ、ごめんな…いた…あ、あとで拭いて、おきます」
『やっぱり無理してるんじゃないか』
そう私は呟いて私はフリーゲームを始めた
それは今彼女がされていることと変わらなく主人公も先輩も同僚も同居人も狂っている鬱ゲーだった
そして主人公とよく会話しているお隣さんは神様のありのままに扱われていてとても可哀想だけど可愛い子だった
自分が今彼女をここまで追い詰めてしまっている
と考えるとはち切れそうになって寝れなかった
毎晩彼女の悲鳴、絶叫が絶えなくなって、私も部屋移動を考えるようになってきた
それほど辛い道だったから
↷
今回はこれでおしまい〜
これまた前回よりは耐性ができててトモコレ一切触らずとも書けるようになってきた〜!
にしてもけあてか虐自分でやってて無茶苦茶辛い
がちトモコレの音楽必須で辛い
まあ私の耐性がないだけなんだけどね
コメント
1件
いや…読んでて胸がギュッてなったわ。 あの子が「飲まなきゃ怒られちゃう」って泣きながら言うとことか、もう自分を守る術がその薬しかないんだなって思うとツラすぎる。 それでも「私が守る」って言える主人公の存在が、唯一の光というか…。 でもラストの「悲鳴が絶えなくて部屋移動考えた」ってとこで、助けたくても限界があるんだなって突きつけられた気がした。 鬱ゲーで自分を重ねる演出も効いてたわ…。 作者さん、この空気感ヤバいっす。続きが気になるけど心の準備がいるなって本気で思った🔥