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カランカランッ!
いつもより勢いよくドアが開いて音が鳴る
桃「すいません、ちょっといさせてください 」
びしょ濡れで店に入ってきた彼に裏方から出てきたオーナーがタ
オルを渡す
オーナーとの会話を済ませた彼に話かける
赤「どうしたんですか?」
優しく、そして目は多少上目遣いで 、俺に堕ちてくれないかな
金を俺に落としてほしい、そんな邪なことを思いながら接する
桃「ちょっとぼーっとしてたら雨に降られてしまって…」
つまり雨宿りに来たと、こんな優しくするやり方がわかる客はな
かなかいない
肩のタオルで少し頬を拭いてあげた
びっくりしたようで目を丸くして俺を見る
その後、目を細くして俺の手に手を重ねた
桃「…ありがとうございます」
彼から笑みがこぼれた、そのときの彼は綺麗だったなぁ
……本当に、綺麗だった
あの日、俺はちょっと体調が悪くなって裏方に回っていた
そのときは暇で店の中を横目で見ていた
君と話す新人くん、接客はまだまだかな、とか呑気に考えてた
君が店を出るときのこと、俺はしっかり見た
恋、してるんでしょ?
あの新人くんに
惚れちゃったんでしょ?
あの笑顔に
知っちゃったんでしょ?
俺にはない、純粋な優しさに
邪な気持ちなんてない優しさに
俺は貴方を堕とせなかった
貴方に堕ちてしまったのは
俺の方だったんだ