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茶柱🍵🎴
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ああ、もう…これめっちゃ刺さったわ。 最初の「認めたくなかった」から静かに始まる感じと、沈黙の使い方がめちゃくちゃ良い。 「探した」って言うまでの逡巡と、その後に続く「二週間くらいは」の言い直しで、もう心の動きが全部伝わってきた。 それでさ、「会いたかったので」って言葉が、告白というより一年分の溜まった本音って感じで…やられたわ。 最後の「動く気がなかった」で終わるところ、最高すぎる。 次が気になりすぎる。二人、これからちゃんと話せるのかな…。
初
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認めたくなかった。
探したか、なんて。
そんなことを今さら聞くなと思う。
聞かれなくても済んでいたはずのことだ。
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電車の光が少しずつ近づいてくる。
レールが震え始める。
それでも彼は待っていた。
目を逸らさずに。
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俺は視線を外す。
ホームの向こうを見る。
答えを探すみたいに。
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「……探してない」
先に出たのは、その言葉だった。
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彼の表情は変わらない。
でも、聞いている。
続きを。
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「少なくとも最初は」
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自分の声が妙に乾いて聞こえる。
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「腹立ってたから」
「はい」
「連絡もなく消えて」
「はい」
「勝手に全部終わらせたみたいな顔して」
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彼は何も言わない。
ただ受け取る。
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「だから探してない」
もう一度言う。
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そして。
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「……二週間くらいは」
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彼の指先がわずかに動く。
本当に、それだけだった。
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「二週間?」
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俺は小さく息を吐く。
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「そのあと、お前がよく行ってた店とか」
「……」
「駅とか」
「……」
「大学とか」
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言うたびに、自分で情けなくなる。
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「探した」
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とうとう口にしてしまう。
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彼は何も言わない。
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言わないまま。
少しだけ目を伏せた。
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「見つからなかったけどな」
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苦笑混じりに言う。
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「当たり前です」
彼も少しだけ笑う。
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「逃げてたので」
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その言葉にまた腹が立つ。
腹が立つのに。
どこか安心している自分もいる。
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生きていた。
ちゃんと。
俺の知らない場所で。
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それだけで十分だと思っていた時期もあった。
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電車がホームへ入ってくる。
風が吹く。
アナウンスが重なる。
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今度の電車は人が多い。
ドアの前に列ができ始める。
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二人とも少しだけ端へ寄る。
肩がぶつかりそうになる。
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近い。
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近すぎる。
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さっきまで平気だった距離なのに。
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彼も気づいたらしい。
一瞬だけ視線が揺れる。
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でも離れない。
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俺も離れない。
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電車が止まる。
ドアが開く。
人が降りてくる。
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また流れが生まれる。
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その流れの中で。
彼が小さく言った。
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「少し安心しました」
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「何が」
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「探してくれてたので」
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胸の奥が妙にざわつく。
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そんな顔で言うな。
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一年ぶりに会った相手に向ける顔じゃない。
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もっと。
ずっと前から隣にいた人間に向ける顔だ。
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「勝手だな」
また同じ言葉が出る。
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彼は苦笑した。
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「知ってます」
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人の流れが少し途切れる。
ホームに短い静けさが戻る。
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その時。
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「俺も一個聞いていいか」
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彼が顔を上げる。
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「はい」
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俺は少しだけ迷う。
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聞いたところで。
答えなんて分かりきっている気もした。
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それでも。
聞かずにはいられなかった。
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「なんで今日来た」
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彼の瞳がわずかに揺れる。
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「一年も来なかったくせに」
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静かな声になる。
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「なんで今日なんだよ」
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彼はすぐには答えなかった。
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ホームの向こうを見て。
それから。
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ゆっくり俺を見る。
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「怖かったからです」
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意外な言葉だった。
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「何が」
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「このまま会えなくなるのが」
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風が止む。
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一瞬だけ。
本当に一瞬だけ。
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周りの音が消えた気がした。
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彼は続ける。
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「一年なら戻れると思ってました」
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苦笑する。
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「でも一年経ったら、二年でも同じだって気づきました」
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そして。
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「三年も」
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少しだけ息を吐く。
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「十年も」
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その声は驚くほど静かだった。
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「たぶん同じなので」
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俺は何も言えない。
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彼は視線を逸らさない。
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逃げるなと言ったくせに。
今は自分が逃げていない。
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そんな顔だった。
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「だから来ました」
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ホームの明かりが白く反射する。
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「会いたかったので」
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その言葉は。
告白みたいでもあり。
懺悔みたいでもあり。
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そして何より。
一年間ずっと飲み込んできた本音みたいだった。
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俺は返事ができない。
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ただ。
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次の電車のドアが閉まっていく音を聞きながら。
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気づいてしまう。
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さっきまで「次の電車まで」と思っていたのに。
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その電車が行ってしまっても。
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俺はまだ、ここから動く気がなかった。